プレミアリーグ得点王争いはケイン移籍でハーランドの一強か…対抗馬に挙がるのは?

2023年8月16日(水)11時20分 サッカーキング

今季プレミアリーグ得点王候補に挙げられる選手たち [写真]=Getty Images

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 イングランド代表FWハリー・ケイン(30歳)がトッテナムからバイエルンに移籍したことで、プレミアリーグとブンデスリーガの両リーグの得点王争いに影響が出そうだ。

 ケインはトッテナム時代にプレミアリーグで9シーズン連続15ゴール以上をマークし、リーグ通算317試合で213ゴールを叩き出した。過去に3度もプレミアリーグ得点王に輝いているケインは、同リーグの歴代得点ランクでイングランドの英雄アラン・シアラー氏(260ゴール)に次ぐ2位につけている。そんな選手が去ったことで、プレミアリーグの得点王争いがどう変化するのか見てみよう。

[写真]=Getty Images

■本命



 得点王の大本命は衝撃のデビューシーズンが記憶に新しいFWアーリング・ハーランドである。マンチェスター・シティが誇るノルウェーの怪物は、加入1年目の昨シーズンに公式戦53試合で52ゴールをマークし、プレミアリーグでも1シーズンの最多ゴール記録となる36ゴールを稼いで得点王に輝いた。

 今シーズンのバーンリーとの開幕戦でも前半のうちにいきなり2ゴール。昨シーズンの終盤からシティでの公式戦では6試合もゴールから遠ざかっていただけに安堵したことだろう。昨シーズンのリーグ戦ではボールタッチ数23.1毎に1ゴールを決めていたハーランドだが、バーンリー戦では22タッチで2ゴール。昨シーズン以上のゴール数が期待できるかもしれない。

 昨シーズンは28.66のゴール期待値(xG)で36ゴールを叩き出しており「7.34ゴール」も余分に稼いだ計算になる。昨季プレミアリーグでハーランドよりも、実際のゴール数がxGを大きく上回った選手は一人しかいなかった。それがケインなのだ。イングランド代表キャプテンは21.46のxGで30ゴールを生み出しており「8.54ゴール」もxGを超えていたのだ。

 そのケインが去ったことで、プレミアリーグの得点王争いは完全に一強時代を迎えると見られている。英国ブックメーカー『ウィリアムヒル』の得点王オッズを見ても、開幕前は本命のハーランドが1.61倍で、ケインが2番手の8倍、3番手にモハメド・サラー(9倍)が着けていたが、今は一桁の倍率が付いているのはハーランド(1.4倍)だけとなっている…。

■対抗馬



 ケインが去った今、ハーランドを脅かせる対抗馬はリヴァプールのエジプト代表FWサラーくらいだ。ケインと並び3度(2017−18、2018−19、2021−22)のプレミアリーグ得点王という実績を誇るスピードスターは、先週末のチェルシー戦でネットを揺らすもVAR検証でオフサイドの判定。さらに右足のシュートがゴールの枠に嫌われるシーンもあって得点は奪えなかったが、見事なアシストでルイス・ディアスのゴールを演出し、きっちりと仕事をした。

 昨シーズンはチームの不調もあって苦しんだように思えたが、それでも終わってみればハーランドとケインに次ぐリーグ戦19ゴール。ただし、公式戦44ゴールを叩き出した加入1年目(2017−18シーズン)のような決定力を発揮できなかったのも事実。xGだけを見ればケインと変わらなかったが、実際のゴール数ではケインを11ゴールも下回ったのである。

 サラーはハーランドの最大の好敵手になると見られているが、問題はリヴァプールの豊富なアタッカー陣だろう。ダルウィン・ヌニェス、ディオゴ・ジョッタ、コーディ・ガクポ、ルイス・ディアスもいるため、ゴール数を分け合ってしまう可能性があるのだ。ちなみに、ウルグアイ代表FWヌニェスも評価が高いようで『ウィリアムヒル』の得点王オッズでは21倍の3位タイにつけている。

■ダークホース



 アラン・シアラー氏以来26年ぶりにニューカッスルから得点王が誕生する可能性はあるだろうか? 先週末の開幕節で大きなインパクトを残したのがニューカッスルのスウェーデン代表FWアレクサンデル・イサクである。アストン・ヴィラを相手に味方の折り返しに合わせてゴールを奪うと、後半には敵DFからボールを奪って慌てて飛び出してきたGKをあざ笑うかのようにチップシュートを決めた。開幕戦での2ゴールもあり、得点王オッズでは21倍の3位タイまで浮上している。

 加入1年目の昨季はケガがありながらプレミア初挑戦で堂々の10ゴール。シーズン終盤に左サイドで起用されるようになってからはゴールシーンが見られなかったが、今季開幕戦ではセンターフォワードで起用されて結果を残した。

 そのイサクに代わって途中出場したイングランド代表FWカラム・ウィルソンも初戦からゴールを決めている。ニューカッスルの背番号9は昨季プレミアで得点ランク5位の18ゴールを叩き出した。出場時間は計1887分だったため、90分毎のゴール数は「0.86」とハーランド(1.2)に次ぐ決定力を発揮していた。しかし、イサクとのポジション争いもあるため得点王は難しいようだ。

■ユナイテッド勢



 マンチェスター・ユナイテッドでは昨シーズンに復活を遂げたイングランド代表FWマーカス・ラッシュフォードに期待が集まる。若くしてブレークしたアタッカーは「フットボールは95%がメンタル面」と語り、スランプに陥った2021−22シーズンは「試合に集中できていなかった」というが、昨シーズンは見事な復活を果たして自己最多タイとなるリーグ戦17ゴールをマークした。公式戦30ゴールは、ユナイテッドでは2012−13シーズンのロビン・ファン・ペルシ氏以来のこと。今季はさらなる活躍も期待され、得点王オッズでは5位タイにつけている。

 そして移籍金7200万ポンド(約130億円)でアタランタから加入した新戦力のデンマーク代表FWラスムス・ホイルンド(20歳)も楽しみだ。昨シーズンはセリエAで32試合9ゴール。実績こそないがポテンシャルは申し分ない。ポルトガル代表MFブルーノ・フェルナンデスからのパスをゴールにつなげるシーンが想像できる。現在、腰の問題を抱えており、14日の開幕戦を回避するなど少し出遅れそうだが大ブレークの可能性もあるだろう。

 そう考えると今季のプレミアリーグでは、194㎝のノルウェー怪物ハーランド、192㎝のスウェーデン代表FWイサク、そして191㎝のデンマークの新星ホイルンドという、北欧の巨神たちによる得点王争いが勃発するかも!?

■今季プレミアリーグ得点王オッズ(ウィリアムヒル社:8月15日)

1位 アーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ) 1.4倍
2位 モハメド・サラー(リヴァプール) 10倍
3位 アレクサンデル・イサク(ニューカッスル) 21倍
3位 ダルウィン・ヌニェス(リヴァプール) 21倍
5位 マーカス・ラッシュフォード(マンチェスター・ユナイテッド) 26倍
5位 ソン・フンミン(トッテナム) 26倍
7位 ラスムス・ホイルンド(マンチェスター・ユナイテッド) 34倍
7位 リチャーリソン(トッテナム) 34倍
7位 ニコラス・ジャクソン(チェルシー) 34倍
7位 オリー・ワトキンス(アストン・ヴィラ) 34倍
7位 エヴァン・ファーガソン(ブライトン) 34倍

(記事/Footmedia)

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