GTワールドチャレンジ・アジア岡山レース2はマエザワ・レーシング初優勝。GT4はBMWが雪辱
2023年8月20日(日)19時26分 AUTOSPORT web
ファナテック・GTワールドチャレンジ・アジア・パワード・バイ・AWSの第5ラウンド/GT4ジャパンは8月19日、岡山国際サーキットでGT3のレース2、GT4ジャパンのレース2が行われ、GT3はピティ・ブロムバクティ/横溝直輝組マエザワ・レーシングの555号車フェラーリ488 GT3が嬉しい初優勝。GT4は前日悔しいレースとなった加納政樹/織戸学組YZレーシング・ウィズ・BMW Mチーム・スタディの50号車BMW M4 GT4が優勝を飾った。
11時20分から行われたレース2では、ポールポジションからスタートしたアレッシオ・ピカリエロ駆るAASモータースポーツ・バイ・アブソリュート・レーシングの911号車ポルシェ911 GT3 Rがスタートを決めトップに。2番手には、横溝直輝駆るマエザワ・レーシングの555号車フェラーリ488 GT3が続く。
序盤はトップ2が逃げる一方で、3番手につけたマキシミリアン・ゲーツ駆るクラフト・バンブー・レーシングの85号車メルセデス、そしてケイ・コッツォリーノ駆るカーガイ・レーシングの1号車フェラーリ296 GT3の2台によるバトルが展開。さらにミカエル・グレニエがドライブするトリプルエイトJMRの88号車メルセデス、アルバロ・パレンテの72号車ポルシェ、藤井誠暢の47号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3が僅差で続いた。
プロ同士の息詰まる上位争いは接触等がないまま進み、レーススタートから25〜35分の間のピットウインドウがオープンする。ここで先に動きたのはトップを走っていたAASの911号車ポルシェ、4番手につけていたカーガイの1号車フェラーリ。一方、この1周後にマエザワ・レーシングの555号車フェラーリ、さらにクラフト・バンブーの85号車がピットへ。911号車はサクセスペナルティの10秒ストップもあり、各車がピットインを終えるとマエザワ・レーシングの555号車フェラーリがトップに浮上した。
ピットを終えると、首位はピティ・ブロムバクティに交代した555号車フェラーリ、2番手にジェフリー・リーの85号車メルセデス、3番手にはH.H.プリンス・アブ・バーカー・イブラヒムの88号車メルセデスが浮上。ただ、2コーナーでファントム・プロ・レーシングのアウディがクラッシュしたアクシデントのためにフルコースイエローが導入された後、ブティコン・インタラプワサク駆る911号車が88号車をかわし3番手に上がった。
レース終盤、トップのブロムバクティの後方では、リー、インタラプワサク、プリンス・アブ・バーカー・イブラヒムの三つ巴の2番手争いのバトルが展開され、ここに木村武史駆る1号車フェラーリ、アンドリュー・ハルヤントがドライブするアウディスポーツ・アジア・チーム・アブソリュートの11号車アウディが接近。5台の戦いとなっていった。
しかし、残り7分というタイミングのダブルヘアピンで、ハルヤントの11号車アウディが88号車メルセデスに接触。木村の1号車フェラーリを巻き込むかたちで3台がスピンしてしまうことに。これでウェイ・リュウ駆るR&Bレーシングの4号車ポルシェが3番手、星野敏に交代した47号車アストンマーティンが4番手に浮上したが、アストンマーティンは85号車メルセデスとの接触のためドライブスルーペナルティを課されてしまい、ファイナルラップを前にピットインを強いられてしまった。
後方のバトルを後目に、トップを守りきったブロムバクティはトップチェッカー。マエザワ・レーシングが嬉しいシリーズ初優勝を飾った。2位はAASの911号車ポルシェ、3位はR&Bレーシングの4号車ポルシェという結果に。4位はクラフト・バンブー・レーシングの37号車メルセデスとなった。
このレースの結果にともない、日本での4レースを戦う日本チーム/ドライバーにかけられるジャパンカップは、13位でフィニッシュした永井宏明/上村優太組18号車ポルシェセンター岡崎が獲得した。
続いて行われたGT4ジャパンの決勝レースは、フロントロウからスタートした阪口良平駆るアキランド・レーシングの71号車トヨタGRスープラGT4、野中誠太が駆るTGRインドネシアの39号車GRスープラGT4がトップ争いを展開。これに後方から追い上げてきた織戸が駆る50号車BMW M4 GT4が近づく。織戸は前日の悔しさを晴らすかのように2番手につけた阪口とバトルを展開していった。
各車がピットインした後、トップに浮上したのは加納に交代した50号車BMW。そのまま逃げ切り、前日の悔しさを晴らすとともに、加納/織戸組がGT4のジャパンカップチャンピオンを決めてみせた。2位はハリダルマ・マノッポ/野中組TGRインドネシアの39号車GRスープラGT4、3位には追い上げをみせたDステーション・レーシングの星野辰也/浜健二組48号車アストンマーティン・バンテージAMR GT4が入り、AMクラス優勝を飾った。
ファナテック・GTワールドチャレンジ・アジア・パワード・バイ・AWS第5ラウンド岡山
GT3レース2 結果
Pos. | No. | Class | Team | Car | Driver | Laps | Gap |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 555 | GT3 Pro-Am | マエザワ・レーシング | フェラーリ488 GT3 | P.ブロムバクディ/横溝直輝 | 37 | |
2 | 911 | GT3 Pro-Am | AASモータースポーツ・バイ・アブソリュート・レーシング | ポルシェ911 GT3 R(992) | V.インタラプワサク/A.ピカリエロ | 37 | 2.526 |
3 | 4 | GT3 Pro-Am | R&Bレーシング | ポルシェ911 GT3 R(992) | L.ウェイ/P.ピレ | 37 | 7.108 |
4 | 37 | GT3 Pro-Am | クラフト・バンブー・レーシング | メルセデスAMG GT3 EVO | A.シュウ/D.ジュンカデラ | 37 | 25.298 |
5 | 992 | GT3 Pro-Am | アブソリュート・レーシング | ポルシェ911 GT3 R(992) | B.ジンロン/M.カイローリ | 37 | 27.425 |
6 | 22 | GT3 Pro-Am | KCMG | ホンダNSX GT3 EVO | P.イップ/E.リベラティ | 37 | 28.579 |
7 | 72 | GT3 Pro-Am | ハブオート・レーシング | ポルシェ911 GT3 R(992) | M.チェン/A.パレンテ | 37 | 29.993 |
8 | 5 | GT3 Pro-Am | プラス・ウィズ・BMW Mチーム・スタディ | BMW M4 GT3 | 山口智英/荒聖治 | 37 | 32.101 |
9 | 2 | GT3 Pro-Am | クライマックス・レーシング | メルセデスAMG GT3 EVO | Z.ビーファン/D.リンド | 37 | 34.466 |
10 | 85 | GT3 Pro-Am | クラフト・バンブー・レーシング | メルセデスAMG GT3 EVO | J.リー/M.ゲーツ | 37 | 40.056 |
11 | 500 | GT3 Pro-Am | チーム・5ZIGEN | ニッサンGT-RニスモGT3 | HIROBON/川端伸太朗 | 37 | 45.245 |
12 | 888 | GT3 Pro-Am | トリプルエイトJMR | メルセデスAMG GT3 EVO | H.H.プリンス・アブドゥル・ラーマン・イブラヒム/R.スタナウェイ | 37 | 46.636 |
13 | 18 | GT3 Pro-Am | ポルシェセンター岡崎 | ポルシェ911 GT3 R(992) | 永井宏明/上村優太 | 37 | 48.652 |
14 | 47 | GT3 Pro-Am | Dステーション・レーシング | アストンマーティン・バンテージAMR GT3 | 星野敏/藤井誠暢 | 37 | 50.071 |
15 | 61 | GT3 Pro-Am | EBM | ポルシェ911 GT3 R(992) | A.ヘンリー・ダ・シルバ/E.バンバー | 37 | 1’01.681 |
16 | 1 | GT3 Pro-Am | カーガイ・レーシング | フェラーリ296 GT3 | 木村武史/K.コッツォリーノ | 37 | 1’01.861 |
17 | 14 | GT3 Pro-Am | ハブオート・レーシング・ウィズ・GTO | ポルシェ911 GT3 R(992) | B.リー/安岡秀徒 | 37 | 1’02.235 |
18 | 29 | GT3 Silver | ファントム・プロ・レーシング | アウディR8 LMS GT3 EVO II | L.カン/C.チー | 37 | 1’03.519 |
19 | 11 | GT3 Pro-Am | アウディスポーツ・アジア・チーム・アブソリュート | アウディR8 LMS GT3 EVO II | A.ハルヤント/J.ユー・クワイ | 37 | 1’05.670 |
20 | 25 | GT3 Pro-Am | NKレーシング | ポルシェ911 GT3 R(992) | 内山清士/近藤翼 | 37 | 1’07.421 |
21 | 19 | GT3 Am | ザ・スピリット・オブ・FFFレーシング | ランボルギーニ・ウラカンGT3 EVO | 大蔵峰樹/濱口弘 | 37 | 1’07.625 |
22 | 3 | GT3 Am | クライマックス・レーシング | メルセデスAMG GT3 EVO | H.ユーチー/B.ハオ | 37 | 1’24.553 |
23 | 96 | GT3 Pro-Am | K-チューンズ・レーシング | レクサスRC F GT3 | 末長一範/新田守男 | 37 | 1Lap |
24 | 7 | GT3 Am | コメット・レーシング | フェラーリ488 GT3 | 山﨑裕介/辻子依旦 | 36 | 1Lap |
25 | 51 | GT3 Am | AMACモータースポーツ | ポルシェ911 GT3 R(991.1) | A.マクファーソン/W.ベン・ポーター | 36 | 1Lap |
26 | 13 | GT3 Pro-Am | アウディスポーツ・アジア・チーム・アブソリュート | アウディR8 LMS GT3 EVO II | S.ジンズー/F.チェン・クンフー | 36 | 1Lap |
27 | 360 | GT3 Am | ランアップ・スポーツ | ニッサンGT-RニスモGT3 | 西川正明/田中篤 | 36 | 1Lap |
28 | 60 | GT3 Pro-Am | LMコルサ | フェラーリ488 GT3 | 中西慧/脇阪薫一 | 36 | 1Lap |
29 | 88 | GT3 Pro-Am | トリプルエイトJMR | メルセデスAMG GT3 EVO | H.H.プリンス・アブ・バーカー・イブラヒム/M.グレニエ | 31 | 6Laps |
R | 333 | GT3 Pro-Am | ファントム・プロ・レーシング | アウディR8 LMS GT3 EVO II | X.アン/M.マック | 22 | 15Laps |
天候:晴れ 路面:ドライ
GT4ジャパン岡山
レース2 結果
Pos. | No. | Class | Team | Car | Driver | Laps | Gap |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 50 | GT4 Silver-Am | YZレーシング・ウィズ・BMW Mチーム・スタディ | BMW M4 GT4 G82 | 加納政樹/織戸学 | 36 | |
2 | 39 | GT4 Silver-Am | トヨタ・ガズー・レーシング・インドネシア | トヨタGRスープラGT4 | H.マノッポ/野中誠太 | 36 | 43.941 |
3 | 48 | GT4 Am | Dステーション・レーシング | アストンマーティン・バンテージAMR GT4 | 星野辰也/浜健二 | 36 | 51.136 |
4 | 71 | GT4 Silver-Am | アキランド・レーシング | トヨタGRスープラGT4 | 大山正芳/阪口良平 | 36 | 52.09 |
5 | 718 | GT4 Am | チェックショップ・ケイマニア・レーシング | ポルシェ・ケイマン718 GT4 RSクラブスポーツ | 大塚直彦/小林翔 | 35 | 1Lap |
6 | 83 | GT4 Silver-Am | コメット・レーシング | メルセデスAMG GT4 | 大串理紗/大木一輝 | 35 | 1Lap |
7 | 27 | GT4 Silver-Am | クレフ・モータースポーツ | マクラーレン・アルトゥーラGT4 | 鈴木裕子/井上雅貴 | 16 | 20Laps |
天候:晴れ 路面:ドライ