コロナ禍だからこそ光る1000試合連続試合出場の意味、楽天・浅村の記録にはなぜ価値があるのか

2022年9月8日(木)17時0分 ココカラネクスト

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 楽天の浅村栄斗が7日のソフトバンク戦で1000試合連続出場の節目に達した。プロ野球で過去8人しかいない、金字塔と言ってもいい数字だ。浅村は「毎試合出続けられる体にしてくれた両親、日頃から僕を支えてくれる妻、娘には感謝しかありません」とサポートしてくれた家族への感謝の思いを口にした。

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 西武時代の2015年8月8日から出場し続けている。2019年の楽天移籍後、今季が4シーズン目となるが、7年以上にわたって休むことなくグラウンドに立ち続けてきた。

 なお浅村の1000試合連続を上回る8人の連続試合出場記録は以下の通り。

 ①衣笠祥雄(広島)2215試合
 ②鳥谷敬(阪神)1939試合
 ③金本知憲(阪神)1766試合
 ④松井秀喜(巨人)1250試合
 ⑤飯田徳治(国鉄)1246試合
 ⑥広沢克己(巨人)1180試合
 ⑦松井稼頭央(西武)1143試合
 ⑧藤村富美男(阪神)1014試合

 藤村の記録はもう手の届くところにきている。松井秀、松井稼の2人の記録は、メジャー挑戦によって途切れた。

 新旧さまざまな鉄人たちの名前が並ぶ。特に元祖鉄人・衣笠の2215試合は、浅村の2倍以上。その数字の偉大さが光る。

 一方で、今回の浅村の数字には先代たちにはない価値があると指摘する声もある。それは新型コロナウイルスというパンデミック下において成し遂げた数字だからだ。

 球界にも直撃したコロナ禍。いつ、誰が感染してもおかしくない状況で、実際に多くのトッププレーヤーたちも感染による戦線離脱を余儀なくされてきた。こればかりは日々の鍛錬や注意では防ぎきれないものだ。

 例えば今年4月、ロッテ・中村奨吾が新型コロナに感染して出場選手登録を抹消された。中村は17年6月28日から、そこまで630試合連続出場を続けていたが、ウイルスによって記録は途絶えた。

 飛ぶ鳥を落とす勢いのヤクルト・村上宗隆は、8月6日に倦怠感を訴えて新型コロナ特例の対象選手として出場登録を抹消され、2019年開幕戦からの連続出場が503試合で途切れた。PCR検査の結果、陰性で、コロナ特例として翌日から戦線復帰したが、周囲への感染拡大防止という観点から大事を取って記録を捨てた格好。コロナ下でなければ出場を続けていただろう。

 浅村もパンデミック下ならではの危機に瀕したことが一度だけあった。2021年のオールスター戦。直後に控える東京五輪に臨む侍ジャパンに選出されていた浅村は、2度目のワクチン接種の副反応による体調不良で、1、2戦とも続けて欠場した。球宴出場選手が辞退すると後半戦最初の10試合に出場できないが、ワクチン接種による体調不良の場合は特例として適用を除外することが決まっていた。東京五輪で金メダル獲得後、後半戦初戦から連続試合出場記録が途絶えることなく出続けることができたのだ。

 発生から2年半が過ぎても、一向に感染者数が落ち着く気配は見えてこない。コロナ下が続くのであれば、中村や村上らの例のように、連続試合出場記録を伸ばすことは至難の業となってくる。「1000試合はあくまで通過点。試合に出続け、勝利に貢献し続けたい」と誓った浅村。こんな時代だからこそ、その数字が持つ重みは違ってくる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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