【コラム】ドロー発進の新生イタリア、マンチーニからの評価を上げたのは?

2018年9月10日(月)18時28分 サッカーキング

キエーザ(中央)はセリエA屈指の若手選手。今夏はプレミアリーグの数クラブが狙っていたという噂も [写真]=Getty Images

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 UEFAネーションズリーグのリーグA・グループ3第1節が7日に行われ、ポーランドと対戦したイタリアは1−1と引き分けた。ロベルト・マンチーニ監督が就任して初めてのアッズーリの試合は、先制されてからドローに持ち込むという展開で、まだまだ修正しなけばならない部分や課題は多い。

 4−3−3というフォーメーションでマリオ・バロテッリ(ニース)がセンターフォワードに入り、フェデリコ・ベルナルデスキ(ユヴェントス)とロレンツォ・インシーニェ(ナポリ)が脇を固めた。代表に復帰したバロテッリに注目が集まったが、試合前のアップ中から右太ももに違和感があったという。そのせいかフィジカルコンディション的にもベストとは言えず、動きは鈍かった。マンチーニ監督は「彼はプレーする必要がある」とかばうコメントを残したが、途中交代する際はスタンドからブーイングが起こったほどだ。

 90分で両チームそれぞれ10本のシュートを放った。前半はポーランドが圧倒的に攻撃を仕掛けていき、5本のシュートのうち3本が枠内だった。そして40分、ピオトル・ジエリンスキ(ナポリ)が先制ゴールを挙げる。マンチーニ監督が「前半はミスが多く、相手にボールを譲りすぎた」と言うとおり、イタリアのシュートは5本だったものの枠内に飛んだのは0本。サイドハーフのロレンツォ・ペッレグリーニ(ローマ)とロベルト・ガリアルディーニ(インテル)のコンビネーションもちぐはぐで、同監督としては次のポルトガル戦でテコ入れをしなければならないだろう。

 際立っていたのは、後半27分から出場したフェデリコ・キエーザ(フィオレンティーナ)だ。後半に投入されたジャコモ・ボナヴェントゥーラ(ミラン)がミドルシュートで狙えば、キエーザも左サイド25メートルの位置から立て続けにシュートを放つ。イタリアの調子が上がってきた後半31分、エリア内右サイドでキエーザがヤクブ・ブワシュチコフスキ(ヴォルフスブルク)に足元を激しくスライディングされるファウルを受け、PKを演出した。これをジョルジーニョ(チェルシー)が決めてイタリアは同点に。ジョルジーニョは代表9試合目で初ゴールとなった。

 キエーザが入ったことで攻撃面にリズムが出て、試合の流れが変わった。マンチーニ監督は「キエーザはあの時間帯、他にはなかったスパートで引っ張った。後半は我々にとって何が重要かを表現できたと思う」と評価した。若手の成長が課題となっているアッズーリの中で、20歳ながらキエーザは突出した動きでチームを引っ張った。

 セリエAでは65試合出場10得点を挙げているキエーザ。代表での先発はアルゼンチン戦とフランス戦のわずか2試合のみだが、途中出場した3月のイングランド戦でもPKのチャンスをつかむキーマンとなっている。マンチーニ監督の中でもFWの先発候補において、キエーザへの評価が急浮上しているに違いない。10日のポルトガル戦では90分間フル出場する彼の姿を見てみたいものだ。

文=赤星敬子

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