岩佐歩夢が粘りの走りで表彰台獲得。ランキング4位に浮上し最終戦へ【FIA F2第13戦モンツァ レース2】
2022年9月11日(日)18時34分 AUTOSPORT web
9月11日、2022年FIA F2第13戦モンツァのフィーチャーレース(決勝レース2)がイタリアのモンツァ・サーキットで開催され、ユアン・ダルバラ(プレマ・レーシング)が今季初優勝を飾った。
ホンダ&レッドブル育成の岩佐歩夢(ダムス)は3位表彰台を獲得し、ドライバーズランキング4位に浮上。佐藤万璃音(ビルトゥジ・レーシング)は12位となったが印象的な走りを見せた。
第13戦の決勝レース2のグリッドは、9日に行われた予選順位で決定され、最速タイムを記録したアルピーヌ育成のジャック・ドゥーハン(ビルトゥジ・レーシング)がポールシッターとなった。フロントロウ2番グリッドにはリアム・ローソン(カーリン)が並んだ。
セカンドロウ3番グリッドにマーカス・アームストロング(ハイテックGP)、そして4番グリッドに決勝レース1でタイトル獲得を決めたフェリペ・ドルゴヴィッチ(MPモータースポーツ)、3列目5番グリッドにリチャード・フェルシュフォー(トライデント)、そして6番グリッドにダルバラが続いた。
日本勢の岩佐は4列目7番グリッドから、佐藤は14番手からスタートとなった。なお、決勝レース1で接触し、リタイアに終わったタチアナ・カルデロン(チャロウズ・レーシング・システム)は、医師のアドバイスに従い、決勝レース2出走を取り止めている。
直前に行われたFIA F3の決勝レース2が赤旗中断に終わった影響もあり、FIA F2のスタート進行は約15分ディレイに。気温22度、路面温度28度というドライコンディションのもと、30周のうち1回のタイヤ交換が義務付けられる決勝レース2はスタートを迎えた。
ポールシッターのドゥーハンがスタートで大きく出遅れ、ローソンがホールショットを奪う。2番手にドルゴヴィッチ、3番手にアームストロングが浮上するなか、第1シケイン立ち上がりでオリ・コルドウェル(カンポス・レーシング)、ラルフ・ボシュング(カンポス・レーシング)、ルカ・ギオット(ダムス)、そしてランキング2位につけるテオ・プルシェール(ARTグランプリ)の4台が絡むアクシデントが発生し、4台がリタイアとなる。
さらに、第2シケイン進入でランキング4位のドゥーハンが減速しきれずダルバラと接触。その弾みでアウト側のランキング3位のローガン・サージェント(カーリン)を巻き込み、2台ともレースを終えることに。シリーズランキング上位3台を含む5台がリタイアとなったアクシデントにより、セーフティカー(SC)が導入される。
5台の車両の回収が終了後、レースは6周目に再開された。6周目の第1シケインでアームストロングがミディアムタイヤスタートのドルゴヴィッチを攻略して2番手に浮上。一方、5番手でリスタートを迎えた岩佐は蹴り出しが悪く、ユーリ・ビップス(ハイテックGP)、ダルバラにかわされ7番手に後退。
そんななか、8周目のアスカリシケインで、カラン・ウィリアムズ(トライデント)とデビット・ベックマン(ファン・アメルスフォールト・レーシング)が接触。その弾みでウィリアムズはタイヤバリアにクラッシュ。
これで2度目のSC導入となるなか、ギリギリのタイミングでソフトタイヤスタート勢の2番手アームストロング、ダルバラ、岩佐らがピットイン。 翌9周目にはローソン、ビップス、そしてミディアムスタートのドルゴヴィッチがピットインするも、ポジションを下げることに。
アスカリシケインのタイヤバリア修復のため、9周目に赤旗が掲示されレースは一時中断となった。赤旗導入時点でのトップ5は、ミディアムタイヤスタートでステイを選択したフェルシュフォーと佐藤の2台がトップ2に。3番手にダルバラ、4番手に岩佐、5番手にアームストロングというオーダーに。しかし、アームストロングはピットイン時に白線を超えてピットロードに進入したことで10秒のタイムペナルティと10秒のストップ・アンド・ゴーペナルティが課せられる。
約15分の赤旗中断を経てレースは11周目よりローリングスタートで再開を迎えた。4番手の岩佐はブレーキングに悩まされ、第2シケインでアームストロングにかわされる。アームストロングがペナルティ消化のため、ピットロードに進むなか、12周目の第1シケインでフレデリック・ベスティ(ARTグランプリ)にかわされ岩佐は5番手に後退と、決勝レース1に引き続き苦戦が続く。
一方、佐藤は13周目にこの時点でのファステストを更新し、フェルシュフォーの0.5秒後方、DRS圏内で周回を重ねる。14周目にはフェルシュフォーがファステストを更新するも、佐藤はDRS圏内をキープしてレースは折り返しの15周目に突入した。
そんななか、ローソンとビップスが第2シケインで接触。フロントウイングを損傷したローソンにオレンジボールが掲示され、ランキング5位のローソンはノーポイントとなる最後尾14番手に後退。また、ビップスに対しても10秒ストップ・アンド・ゴーペナルティが課されることに。
赤旗中にソフトタイヤに履き替えた佐藤だったが、ソフトタイヤの限界が近づくにつれて、17周目には3番手ダルバラが接近。18周目の第1シケインでかわされ佐藤は3番手に後退。しかし、第2シケインで再びダルバラの仕掛けるが、順位を取り戻すまでには至らず。さらに、19周目の第1シケインでベスティにかわされてしまう。
佐藤は21周目にピットインし、ミディアムタイヤに交換し12番手でコース復帰。これでタイヤ交換義務を消化していないのはフェルシュフォーのみとなった。フェルシュフォーは2番手ダルバラと遜色ないペースで周回を重ねるも、24周目終わりにピットインし、10番手でコース復帰。これでダルバラが首位に浮上した。
これで岩佐は3番手に浮上。約1秒後方にエンツォ・フィッティパルディ(チャロウズ・レーシング・システム)を従えて、周回を重ねた。そんななか、26周目の第1シケインで佐藤がアームストロングをオーバーテイクし、11番手に浮上。佐藤はさらに3秒先のフェルシュフォーを狙うが、27周目のレズモでコースオフ。再びアームストロングに先行を許してしまう。
30周目、6番グリッドスタートのダルバラが大荒れの一戦を制し、今季初優勝を飾った。2位にベスティ、3位に岩佐となった。岩佐は15ポイントを獲得し、現時点でランキング3位のサージェントに対し6ポイント差のランキング4位に浮上した。
2022年シーズンのFIA F2もいよいよ次戦が最終戦となる。第14戦ヤス・マリーナは、11月18〜20日にアブダビのヤス・マリーナ・サーキットで開催される。
■FIA F2第13戦モンツァ フィーチャーレース(決勝レース2)暫定結果
Pos. | No. | Driver | Team |
---|---|---|---|
1 | 2 | J.ダルバラ | プレマ・レーシング |
2 | 9 | F.ベスティ | ARTグランプリ |
3 | 17 | 岩佐歩夢 | ダムス |
4 | 22 | E.フィッティパルディ | チャロウズ・レーシング・システム |
5 | 1 | D.ハウガー | プレマ・レーシング |
6 | 24 | D.ベックマン | ファン・アメルスフォールト・レーシング |
7 | 11 | F.ドルゴヴィッチ | MPモータースポーツ |
8 | 25 | A.コルデール | ファン・アメルスフォールト・レーシング |
9 | 12 | C.ノバラック | MPモータースポーツ |
10 | 20 | R.フェルシュフォー | トライデント |
11 | 7 | M.アームストロング | ハイテックGP |
12 | 8 | J.ビップス | ハイテックGP |
13 | 4 | 佐藤万璃音 | ビルトゥジ・レーシング |
14 | 5 | L.ローソン | カーリン |
– | 21 | C.ウィリアムズ | トライデント |
– | 3 | J.ドゥーハン | ビルトゥジ・レーシング |
– | 6 | L.サージェント | カーリン |
– | 10 | T.プルシェール | ARTグランプリ |
– | 16 | L.ギオット | ダムス |
– | 15 | R.ボシュング | カンポス・レーシング |
– | 14 | O.コルドウェル | カンポス・レーシング |
– | 23 | T.カルデロン | チャロウズ・レーシング・システム |