豪州SC:第12戦サンダウン500。王者ウインカップ組が耐久カップ初戦を制す

2018年9月21日(金)17時36分 AUTOSPORT web

 オーストラリアのみならず、オセアニア地域や南半球でも最大級の人気を誇るツーリングカー選手権、VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーの第12戦“サンダウン500”が、9月14〜16日にメルボルンのサンダウン国際モーターレースウェイで開催され、ポール・ダンブレルとペアを組んだ王者ジェイミー・ウインカップ(ホールデン・コモドアZB/RBRAレッドブル・レーシング・オーストラリア)が耐久カップ初戦を制す大きな勝利をマーク。RBRAを運営するトリプルエイト・レースエンジニアリングがワン・ツー・スリーを独占する結果となった。


 シリーズ終盤戦に組み込まれる、レース距離500マイル以上のイベントをエンデューロ・カップに指定し、続くバサースト1000やゴールドコースト600と合わせて耐久3戦のカップ戦タイトルを設けているVASC。


 今季もその初戦がサンダウン500で開幕し、各陣営は恒例となった”レトロ・リベリー”と呼ばれる施策に則り、往年のマシンカラーリングを現代風にアレンジした、懐かしの装いでレースに臨んだ。


 通常のシリーズ戦ではマシン1台につき1名のドライバーで争われるVASCだが、このエンデューロ・カップにはペアリングを組むドライバーの登録が認められ、カップタイトルも2名1組のペアを対象に贈られる。


 もちろん、通常シリーズ戦に有効な獲得ポイントとなるため、この助っ人の働きがチャンピオン争いにも重要な影響を与えることになるが、そのカップ戦指定ドライバーのみで争われた予選レース1では、早速王者ウインカップとコンビを組むダンブレルがポールポジションを獲得。


 しかしレース中盤に雨とひょうに襲われたトラックは大混乱となり、ピットレーンでもクラッシュが発生する波乱の展開に。首位を快走していたダンブレルもこの騒乱に巻き込まれ、同じくRBRAの現ポイントリーダー、SVGことシェーン-ヴァン・ギズバーゲンのペアを務めるポルシェ・ワークスドライバー、アール・バンバー(ホールデン・コモドアZB)と”ダブルピット”の状況で作業待ちが発生し、結局ダンブレルが11位。バンバー16位という結果に。


 その修羅場をくぐり抜け勝利を飾ったのは、ニッサン・モータースポーツでアンドレ・ハイムガートナーのパートナーを務めるアーレン・ラッセル(ニッサン・アルティマ)となり、2位にエレバス・モータースポーツのデビッド・レイノルズのコドライバー、ルーク・ヨールデン(ホールデン・コモドアZB)、3位にDJRチーム・ペンスキーでスコット・マクローリンとペアを組むアレクサンダー・プレマ(フォード・ファルコンFG-X)が入る結果となった。

毎年恒例の”レトロ・リベリー”は今季も実施。マシンには往年のカラーリングが施された
耐久カップ登録ドライバーのみで争われた予選R1は、ニッサンのアーレン・ラッセルが勝利
同じくレギュラー勢が戦った予選R2はエレバスのデビッド・レイノルズが勝利し、本戦ポールを確保
ディーン・フィオーレに加え、予選R1勝者のラッセルもスピンし、ニッサン勢は浮沈の激しい週末に


 このパートナーによる予選レース1の結果を受け、予選レース2をポールポジションからスタートしたニッサンのハイムガートナーだったが、スタートで大きくポジションを下げ6位。代わってエレバスのレイノルズが勝利を飾り、2位ウインカップ、3位マクローリンのオーダーで本戦”500マイルレース”が幕を明けることとなった。


 161周先のチェッカーを目指してスタートを切った隊列は、まずフロントロウ2番グリッドからスタートドライバーを務めたダンブレルが主導権を握り、序盤戦のレースをリード。しかし23周目にニッサン・モータースポーツのディーン・フィオーレ(ニッサン・アルティマ)がウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッドの2010年王者ジェームス・コートニー(ホールデン・コモドアZB)とのバトルでマシンを損傷し、コース上にストップ。これで最初のセーフティカー(SC)発動となる。


 続いてプレストン・ハイア・レーシングの18号車、ジェイソン・ブライト(ホールデン・コモドアZB)がコースオフし、グラベルにスタックした際に2度目のSC出動となるが、いずれのリスタートも危なげなく決めた首位ダンブレルは、その後も後続に大量マージンを築いて王者ウインカップにマシンを託す完璧な仕事ぶりを見せた。


 またRBRAのチームメイトであるバンバーも、ポルシェ仕込みの耐久レース経験で盤石のマネジメントを披露し、11番手からのスタートでするすると上位に進出。選手権リーダーのSVGにスイッチしたのち、81周目にはDJRチーム・ペンスキーのファビアン・クルサード(フォード・ファルコンFG-X)を捉え3番手に浮上。123周目にはチームメイトのオートバーン・ラウンズ・レーシング、クレイグ・ラウンズ(ホールデン・コモドアZB)にも先行し、2番手まで上がって見せる。


 これで終盤に1-2-3体制を築いたトリプルエイト・レースエンジニアリング勢が、ウインカップ、SVG、ラウンズの順でチェッカー。見事に表彰台独占で耐久カップ初戦を飾り、SVGはシリーズ残り4戦の段階でDJRペンスキーのライバル、マクローリンに対し55ポイント差をつけることに成功している。


 続くVASCの第13戦はいよいよチャンピオンシップ年間最大のイベントとなる“祭典”、スーパーチープオート・バサースト1000。名高いマウント・パノラマのサーキットを舞台に、引き続き耐久カップ第2戦として10月7日の週末に開催される。

タイトル争いを展開中のDJRチーム・ペンスキー、スコット・マクローリンは25秒遅れの4位。「バサーストも厳しい戦いになりそうだ」
親友SVGの2位獲得を完璧にお膳立てしたアール・バンバー。「トリプルエイトには世界の舞台で戦える実力がある」
後半戦は苦戦が続くティックフォード勢は、予選R2で2015年王者マーク・ウインターボトムが5位と気を吐くも、本戦はトップ10入りならず
王者の意地を見せ、見事に耐久カップ初戦を制したジェイミー・ウインカップ(右)とポール・ダンブレル


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