関口雄飛 スーパーフォーミュラ第6戦岡山 レースレポート

2018年9月25日(火)13時13分 AUTOSPORT web

2018年全日本スーパーフォーミュラ第6戦、岡山国際サーキット


大逆転のポールポジション、悪天候で波乱の展開となったレースでも、
関口雄飛が、小林可夢偉選手との熾烈なバトルを制して今季初優勝を飾る!!


 9月8日〜9日、岡山県、岡山国際サーキットにおいて全日本スーパーフォーミュラ第6戦が開催されました。今シーズンもITOCHU ENEX TEAM IMPULから19号車でエントリーする関口雄飛は、今年、いろいろな不運で本来の実力をなかなか発揮できなかったものの、シリーズポイントランキング5位につけてこの第6戦に挑みました。


 シリーズチャンピオンを狙うには、この岡山戦での結果が重要な鍵を握ることを自覚し、大いなる決意を持ってこのレースを迎えたのです。


 ドライコンディションのなか、金曜日のフリー走行では3番手のタイムをマークした関口雄飛でしたが、マシンのバランスには満足するものの、絶対的な速さとしてはまだ追及で
きる部分があると判断し、夜遅くまでエンジニアとデータ解析を進めました。


 土曜日は、朝から激しく雨が降っており、フリー走行では開始早々にコースアウトするマシンが出て赤旗中断。セッション再開を危ぶむ声も出ましたが、雨が小降りになってセッションは無事再開され、関口雄飛は1分27秒007のタイムで5番手につけました。


 雨量が多いと問題ないのですが、雨量が少なくなるとライバルたちのタイムアップの度合いに対して、自分たちのペースが上がらないという問題を再確認し、セッションを終えました。


 午後の予選が始まる頃には雨もあがり、時折青空がのぞくようになりましたが、路面はウエット。予選アタック中にも路面のコンディションが変化していくため、アタックのタ
イミングとセットアップの方向性が難しい予選となりました。


 15時15分にスタートした予選Q1は、全車ウエットタイヤを装着してコースイン。しかしセッション開始5分で赤旗。15時37分から16分5秒を残しての再開となりました。


 関口雄飛は残り時間9分10秒あたりからアタックに突入しましたが、いまひとつマシンが決まらず、1分28秒669で11番手。ピットに戻ってセットアップを変更し、チェッカー寸前に1分28秒168を刻み、12番手で予選Q2へと進出することができました。


 予選Q2では1分26秒330のタイムをマークして5番手と、セッティング変更も功を奏し、徐々に関口雄飛本来の調子を取り戻してきました。


 そして迎えた予選Q3、フリー走行から好タイムをマークしていた小林可夢偉選手が残り46秒で1分24秒466という圧倒的なタイムでタイミングチャートのトップに出ましたが、チェッカーラップで関口雄飛が1分24秒446をマークし、大逆転でポールポジションを獲得しました。


 予選後の記者会見では小林可夢偉選手が「自分のアタックはQ2、Q3とも完璧でした。ただ、Q2からQ3にかけて、雄飛が素晴らしい走りでタイムアップしてきた。ポールを獲れなかったのは、ヤツが速すぎただけです」と関口雄飛の走りを賞賛しました。


 日曜日、決勝当日は朝から激しい雨が降り続け、午前8時の時点で決勝スタート時刻が10分間早められ、レース距離も68周から54周に短縮されることが発表されました。


 しかしさらに状況が悪化したため、最終的に決勝レースは予定より1時間遅れの14時55分スタートとなりました。


 激しい雨のため、決勝はセーフティカースタートとなり、7周目の途中、15時13分に赤旗中断。各車メインストレートのグリッドに戻ってマシンを止め、レース再開を待つこととなりました。このまま中断されてもおかしくない状況の中、約30分後に、16時10分からのレース再開と、51分43秒というレース制限時間が発表されました。


 16時10分、再び関口雄飛を先頭に、セーフティカースタートで8周目からレースが再開され、12周目にフラッシュライトが消灯、13周目から本格的にレース再開となりました。


 巧みなスタートを切ってトップを維持する関口雄飛に、後方からオーバーテイクボタンを作動させながら小林可夢偉選手が迫ります。各コーナーで激しい攻防戦を繰り返しながら、ダブルヘアピンふたつ目の立ち上がりで関口雄飛のリヤに小林可夢偉選手のマシンが軽く接触し、続くマイクナイトコーナー手前で小林可夢偉選手に先行を許してしまいました。


 レースはその後、小林可夢偉選手が素晴らしいペースでリードを広げ、17周目終了時には7秒以上のリードを奪われてしまいますが、タイヤマネージメントに徹した関口雄飛はそのあたりから追い上げを開始し、着実にその差を縮め始めます。


 何も起こらなければレース後半には勝負のチャンスがある計算でしたが、予想外に早くチャンスが訪れました。


 23周目に2台のマシンが接触し、コースアウトした車両の回収のためにセーフティカーが導入されたのです。これで一気に差がつまり、関口雄飛は意識を集中しながらレース再開
のチャンスを待ちました。


 27周目レース再開。逃げる小林可夢偉選手にプレッシャーをかけ続ける関口雄飛。そしてその周のダブルヘアピンひとつ目で小林可夢偉選手がオーバーランしてしまい、関口雄飛が再びトップに浮上します。


 今度は逃げる関口雄飛を小林可夢偉選手が追う状況となり、息をつかせぬバトルが随所で繰り広げられましたが、まさに小林可夢偉選手が関口雄飛のインに飛び込むかというタイミングで、32周目にコースアウトしたマシンによりセーフティカーが導入されました。


 レースは残り時間が5分を切っていたため、セーフティカー先導のままチェッカーとなり、関口雄飛が今季初優勝を飾りました。チームメイトの平川亮選手も3位表彰台を獲得し、ITOCHU ENEX TEAM IMPULにとっては嬉しい1-3フィニッシュとなりました。


 残念ながらレース走行距離が規定周回数の75%に満たなかった為、今回の獲得ポイントは1/2となりました。その結果、関口雄飛は17ポイント獲得でシリーズランキング4位に浮上し、逆転チャンピオン獲得の可能性に賭けて、シリーズ最終戦に臨むこととなりました。

表彰台に立つ関口雄飛


■関口雄飛のコメント


「今回は本当にタフな週末でした。結果的にポールポジション獲得、そして優勝を飾ることができました。僕を勝たせてくれたチームに心から感謝しています。予選Q1ではマシンのバランスが厳しくてタイム的にも大きな差をつけられてしまい、Q2に向けて大幅にセットアップを変更したらいい方向に進み、Q3に向けてさらにセットアップを変更したら、さらにいい方向に進みましたし、自分のアタックも良かったのでポールポジションを獲得できました」


「予選Q2では2周目と3周目にアタックしたのですが、3周目の最後のほうでタイヤがタレてしまうことがわかったので、予選Q3ではそのあたりを走りでアジャストして、2周目のアタックでは全力の90%、3周目を100%で行きました」


「帳尻を合わせたというか、2周目のアタックは少しだけマージンを残して、3周目には2回オーバーテイクボタンを押してプッシュしました。ボタンを押す位置は、チームメイトとQ3事前に試して、やはりトヨタが推奨してくれた位置で推したほうが良いことがわかっていたので、その通りに押しました。最終コーナーで押して、2コーナー立ち上がりで押しました」


「とにかく今シーズン、速さはあっても不運によって獲得できるはずのポイントを失ってきているので、ポールポジション獲得での1ポイントはとても嬉しかったですし、自分でもいい仕事ができたと満足した予選でした」


「決勝レースは、誰にとっても難しいコンディションのレースでした。最後までミスなく走ることは不可能なほど、目まぐるしく状況が変わりました。レース再開の直後は可夢偉選手が凄く速くて、ちょっと厳しい展開でしたが、それでも彼のタイヤがタレてきたので追いつき始めたら、セーフティカーが出ました」


「その後、彼がミスをしたのでトップに立ったのですが、僕も第2コーナーでアクセルを早く開けすぎてしまうミスをして、コースオフしそうになって追いつかれて、ラストはセーフティカーのおかげで助かったという気分でした。ここまで苦しい流れでしたが、優勝できたことでまだチャンピオンの可能性は残されています、最後まで諦めずに頑張りますので、応援宜しくお願いします」

レース後小林可夢偉と会話をする関口雄飛


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