シーズン終盤戦に向け注目されるトップ3の戦い「2020年F1タイトル争いの前哨戦」とロス・ブラウン

2019年9月26日(木)17時35分 AUTOSPORT web

 F1のモータースポーツ担当マネージングディレクターを務めるロス・ブラウンは、この数週間におけるフェラーリの復活は、F1の先頭集団内の序列を大きく変えるものとまではいかないが、2020年のタイトル争いを占う上で非常に興味深い動きであると考えている。


 2019年シーズン前半では、何度か勝利に近づいたものの優勝が叶わなかったフェラーリだが、F1のサマーブレイク後のベルギーGP、イタリアGP、シンガポールGPで3連勝を成し遂げた。


 マリーナベイはデータ上、低ドラッグのフェラーリのSF90とは相性が良くないとみられていたが、予想外の勝利を飾ったため、フェラーリはついにすべてのタイプのコースで高い性能を発揮できるマシンを作り上げたとライバルたちは考えている。ルイス・ハミルトンは現時点ではフェラーリがメルセデスより優位にあると語った。


 しかし、かつてフェラーリでテクニカルディレクターを務めたブラウンは、古巣フェラーリの勝利を喜んではいるが、同チームがF1のトップの座を奪ったとまでは考えていない。

2019年F1第15戦シンガポールGP 表彰台でのセバスチャン・ベッテル、シャルル・ルクレール、マックス・フェルスタッペン

「シーズンの3分の2におけるトップ3チームについて簡単に言えば、フェラーリはエンジンが違いを生み出すコースでは強力だったし、レッドブルには空力が最も重要なコースでチャンスがあることが知られていた。一方でメルセデスはより完成されたパッケージを持ち、優れたタイヤマネジメントを行うことができていた。こうしたことはほぼ誰もが意見を同じくするだろう」とブラウンはシンガポールGP後のレビューで語った。


「しかし、シンガポールでのレースが終わってみれば、フェラーリが1-2フィニッシュを達成し、メルセデスドライバーが表彰台に不在だった。それが大きな話題となっている」


「それでは我々は2週間の間に大変革を目撃したのだろうか? そのようなことはまったくない。メルセデスはあらゆるレースで今も最強であり、ライバルチームが彼らに勝つためには、すべてを完璧にこなさなければならない」


■「メルセデス、フェラーリ、レッドブルは来季を見据えて最後まで戦い続ける」とブラウン


 メルセデスとハミルトンは第15戦終了時点で両選手権でそれぞれトップに立っており、最終的には2019年タイトルをつかむことがほぼ確実であると考えられている。


 けれどもブラウンは、シーズン終盤戦にライバルチームらが勝負を諦める兆しが見られることはないだろうと主張する。


「来年は大幅なルール変更がないため、タイトル争いの行方がおおよそ見えてきたとしてもマシン開発は続けられる。それには大きな意味があるし、2020年に向けて価値を高めることができる」とブラウンは語った。


「だからフェラーリにとって、シンガポールのようなコースで競争力を発揮するのは重要なことだ。ある一面では、そのことがメルセデスを助けることになるだろう。なぜならハイブリッド時代の支配を続けたいのなら、のんびりしている暇などないことを彼らは今、気付かされたからだ」


「その戦いにレッドブルも加わり、シーズンの最後までエキサイティングな展開になるだろう。3チームがチャンピオンシップへの影響に関係なく、各グランプリを全力で戦うことになるからだ」


「競争や名声のためだけでなく、2020年に向けて最高のポジションにつくためでもあるのだ」


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