成績抜群なのになぜ懐疑論? 大谷翔平のMVP受賞が「再考する必要がある」と論じられる事情とは

2023年9月29日(金)17時0分 ココカラネクスト

今季のMVP獲得は間違いなしと見られてきた大谷。しかし、彼の受賞に反発する声も上がっている。(C)Getty Images

 とあるアメリカ人コメンタリーの放った一言が物議を醸している。キッカケとなったのは、MLB公式ネットワーク局『MLB Network』の人気番組「High Heat」に出演するクリス・ルッソ氏による今季のMVPに対する意見だ。

「私は彼を絶対にMVPにはしない」

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 そう断言するルッソ氏は、アメリカン・リーグのMVPが確実視されている大谷翔平(エンゼルス)の受賞を真っ向から否定。さらに「絶対に」と強調する理由として「チーム(エンゼルス)は大きく負け越しています。『最も価値のある選手(Most Valuable Player)』とは、一番優れた選手という意味ではありません、『価値のある』選手という意味です」と続けた。

 いささか“暴論”なようにも思える。なにせ今季の大谷は近年のMVP選出で重要視されている指標「WAR」でもリーグダントツの10.0を記録。さらに史上初の「シーズン40本塁打以上&2桁勝利」の金字塔を打ち立てるなど、「価値のある」働きを見せていた。

 もっとも、ルッソ氏が指摘した通り、エンゼルスは8年連続でのシーズン負け越しが決定。充実の戦力を整えながらも、またも悲願のポストシーズンを逃していた。これも紛れもない事実である。

 こうしたチーム状況をふまえ、大谷のMVPに懐疑的な意見を呈する論調は意外に少なくない。現地9月25日には、『MLB Network』の解説者で、今春に開催されたWBCのアメリカ代表監督でもあるマーク・デローサ氏は「MVPの議論を再考する必要がある」と断言。そして、こう持論を説いていた。

「最高の成績=MVPという考え方は違うと思っている。皆さんは『エンゼルスでプレーしているから、彼のせいではない』と言うかもしれないが、たしかにチームは低迷しているんだ。ショウヘイ・オオタニは寝そべってMVPを獲得すべきじゃない。もちろん、怪我は過失で起きてしまったことではないが、純粋な成績を評価するために、ハンク・アーロン賞やサイ・ヤング賞やその他の賞がある」

 圧倒的な個人成績を見る限り、やはり大谷のキャリア2度目となるMVP受賞は揺るぎない。しかし、あまりに競争力のないパフォーマンスに終始したエンゼルスのチーム状況が原因で、受賞に一部の関係者からケチがつけられる可能性はゼロではなさそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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