激闘の王座争いを制したST1000渡辺一馬「今年が一番苦しく、長く感じた1年」/2023全日本ロード チャンピオン会見

2023年10月15日(日)22時34分 AUTOSPORT web

 10月15日、『2023年MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第8戦 第55回 MFJグランプリ スーパーバイクレースin鈴鹿』が三重県の鈴鹿サーキットで行われて、ST1000クラスでは渡辺一馬(Astemo HondaDream SI Racing)が3年連続チャンピオンを獲得した。レース後にはチャンピオン会見が開かれ、そこに出席した渡辺が今シーズンの振り返りと王座獲得の喜びを語った。


 毎戦激戦が繰り広げられたST1000クラスは、多くのライダーのチャンピオンの可能性が残されているまま、最終戦を迎えた。トップ3は非常にポイント差が接近している中で、渡辺が予選で堂々のポールポジションを獲得する。


 決勝はスタートで出遅れるも、徐々に挽回を図っていく。次々とチャンピオン候補が転倒していく激闘の中で、渡辺は落ち着いた走りで最後までマシンを走り進めていき、2位でチェッカーを受けた。


 渡辺は序盤は表彰台に上がるも、今季初優勝を掴めずにいた。第6戦オートポリスのレース2ではトップ独走も、終盤に痛恨の転倒でノーポイント。第7戦岡山ではようやく今季初優勝を手にし、そこから良い流れを掴み、ST1000クラスで悲願の3連覇を達成した。6レース中1度の優勝、2度の2位、1度の3位という内訳だ。渡辺は、チャンピオン獲得の喜びを次のように語った。

渡辺一馬(Astemo HondaDream SI Racing)/2023全日本ロード ST1000 チャンピオン


「ST600の時と合わせて4度目のチャンピオンですが、4つどれを思い返しても今年が一番苦しかったですし、長く感じた1年だったと思います。自分のレース内容も含めて、こんなことがあるんだなということが本当に続いたので、チャンピオンの獲り方としては、もっとかっこよく獲れたのではないかという思いも正直ありますが、やはり自分たちの力があったからこそ獲れたこの3連覇だと思います」


「ただ、こうやって3年続けてこの素晴らしいゼッケン(1)をもらえたのは今のチームがあってこそですし、そのチームを作ってくれた伊藤監督に、チーム、支え続けてくれたAstemoさん始め、スポンサーの皆様に何より感謝を伝えたいです。チームみんなで3連覇を成し遂げた結果をすごく今誇りに思って、いま喜び合いたいと思います」

伊藤真一監督、渡辺一馬(Astemo HondaDream SI Racing)/2023全日本ロード ST1000 チャンピオン


「(印象に残ったレースは)ひとつ、ひとつに内容がありすぎるので、出すのがすごく難しいですが、あえてあげるなら僕はオートポリスのレース2ですね。自分のミスで転倒してしまいましたが、自分のレース人生の中であの経験は初めてでした。ポケバイの時から考えてもあまり記憶がなくて、自分でも衝撃でしたし、あのレースに対しては転ぶほどのミスをしたとは思っていませんが、本当にこんなことがあるんだなという印象がすごく強いです」


「(辛かったことは)いろいろありますが、自分は去年が4連勝で2連覇を決めて今年を迎えましたが、ライバルが増えたことでなかなか勝てなくて、自分の仕上がりや走りに対しても100パーセント満足まで仕上げられないことが多かったです」


「オートポリスに関しては、ものすごく良い状態だと自分でも感じて迎えた2レースだったのですが、2レースともそこで結果が残せなくて……。それが調子が良くないから勝てなかったレースも続きましたし、良くても勝てなくて、自分の走りや結果に対しても辛い思いがありました」


「それ以外にも今年はレース界では事故も続いていましたし、そういったところでも思うところがたくさんあり、走らせてもらえることに感謝の気持ちはありますが、レースってやっぱり難しいものなんだなと感じた1年で、それでいて後半3戦は、自分のオートポリスでの転倒も含め、こんなことがあるんだということが続いて、今はチャンピオンを獲れた喜びはもちろん大きいですが、すごい辛い、疲れたなという思いはあります」

渡辺一馬(Astemo HondaDream SI Racing)/2023全日本ロード ST1000 チャンピオン
渡辺一馬(Astemo HondaDream SI Racing)/2023全日本ロード ST1000 チャンピオン

AUTOSPORT web

「馬」をもっと詳しく

「馬」のニュース

「馬」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ