WRC:エバンス初優勝、オジエWRC5連覇でMスポーツがラリーGB制圧。トヨタは総合5位

2017年10月30日(月)11時46分 AUTOSPORT web

 WRC世界ラリー選手権は10月29日、第12戦ラリーGBのSS17〜21が行われ、エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)がホームイベントで自身初のWRC総合優勝を飾った。また、総合3位を獲得したセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)が最終戦を残して、シリーズチャンピオンに輝き、WRC5連覇を達成した。ふたりを擁するMスポーツも2007年以来となるマニュファクチャラーズタイトルを手にしている。


 地元イギリス出身で現在28歳のエバンスは競技2日目に行われたSS2で総合首位に浮上。このラリーGBに焦点をあわせて開発したというDMACKタイヤが滑りやすいラリーGBの路面にマッチし、その後は一度も総合首位を譲ることなく最終日を迎えた。

エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)


 SS16終了時点で53.1秒のリードを築いていたエバンスは、リスクを避けた走りに徹して最終日を走破。自身だけでなく、コドライバーのダニエル・バリット、チームにとってもホームイベントとなる1戦で、2014年のWRC最上位クラスデビュー後、初のWRC総合優勝を飾った。


 イギリス出身のドライバーがラリーGBを制したのは、2000年のリチャード・バーンズ以来のこと。またエバンスは2017年シーズン7人目のウイナーとなった。


「今朝は難しいコンディションだった。グリップを感じられる場所もあったけど、本当に滑りやすい場所も多かったんだ」とエバンス。

ホームイベントのラリーGBで自身初のWRC優勝を飾ったエルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)


「これまで僕を支え続けてくれたすべての人に感謝したい。本当にいろいろな人に助けてもらったし、この勝利は彼らに捧げたい」

ホームイベントのラリーGBで自身初のWRC優勝を飾ったエルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)


 今大会でのシリーズチャンピオン獲得に王手をかけていたオジエは、ボーナスポイントが与えられるパワーステージのSS21で4位に入り、シリーズ5連覇が確定。総合ではトップと45.2秒差の3位を手にしている。


 走行後、オジエは「フィニッシュした後、感情が大きく揺れ動いたよ」と5連覇の喜びを語っている。

走行後、オジエは頬をぬぐう仕草も見せた


「今年はタフな1年だったし、誰もが全力を注いでいた。Mスポーツでシリーズチャンピオンを獲得できて最高の気分だよ」


 コドライバーズタイトルはオジエのパートナーを務めるジュリアン・イングラシアが獲得。また、エバンスとオジエが表彰台を獲得したことで、WRC最上位クラス唯一のプライベートチームであるMスポーツが、マニュファクチャラーズタイトルを獲得した。


 Mスポーツはシトロエン、ヒュンダイ、トヨタという自動車メーカーを相手に12戦中5勝を挙げたほか、全戦で表彰台を獲得する盤石な戦いで2007年以来の栄光を手にした。

総合2位につけたティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)


 総合2位はSS21を制したティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)が獲得。総合4位には、ハンドリングに苦しんだラトバラを0.5秒差で退けたアンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)がつけた。


 トヨタ勢最上位は総合5位のラトバラ。チームメイトであるエサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合9位でフィニッシュしている。ユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)は競技3日目にクラッシュして競技全体をリタイアしたため、最終日は走行せず。シトロエン勢は前戦スペインを制したクリス・ミーク(シトロエンC3 WRC)の総合7位が最上位だった。


 2017年のWRCは11月16〜19日にオーストラリアでシリーズ最終戦が行われる。


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