2019年WRC新チャンピオンのオット・タナクがトヨタ離脱。2020年からヒュンダイ陣営へ

2019年11月1日(金)8時22分 AUTOSPORT web

 2019年のWRC世界ラリー選手権ドライバーズチャンピオンに輝いたオット・タナクが、今季限りでTOYOTA GAZOO Racing WRTを離脱することが発表された。2020年、タナクはヒュンダイ陣営の一員としてシリーズを戦い、シリーズ連覇を目指す。


 2018年にトヨタへ加入後、これまでに通算10勝を挙げてきた32歳のタナク。先日行われた2019年シーズン第13戦スペインでは総合2位に入り、最終戦を待たずして自身初のシリーズタイトルを確定させたばかりだ。


 そのタナクはこれまで2020年の契約については固く口を閉ざしてきたが、10月31日にヒュンダイがリリースを発表。タナクと2年間の契約を結んだことが正式に発表された。


 ヒュンダイのリリースのなかで、タナクは「ヒュンダイモータースポーツの一員として、2020年のWRCを戦えることを楽しみにしている。(チーム代表の)アンドレア(アダモ)が示してくれたビジョンは、僕が思い描く未来の野望にマッチしていた」と語った。


「僕のキャリアにとって重要な時期を迎えたタイミングで、ヒュンダイに加わる機会を得られて光栄だ。これまで何シーズンにも渡り、勝負を繰り広げてきた間柄だから、チームの素晴らしさは痛感しているよ」


「外から見ていても、つねに競争力があるチームだったし、マシンもコンペティティブだったから、違う立場でそれを体験するのが楽しみだ。2020年のチームメイトも素晴らしいから、今後協力してどんな結果をもたらせるか、心から楽しみにしている」


 チーム代表のアダモも「オット・タナクと2年間の契約を交わしたことは、我々ヒュンダイが世界ラリー選手権での活動を継続していくこと、高い野望を抱いていることの表れだ」としている。


「2019年シーズン、我々はタナクと僅差のチャンピオン争いを繰り広げた。2020年、彼らがチームに加わることでその勢いを伸ばすことができるはずだ」


 チームに所属するティエリー・ヌービルは2021年までチームとの契約が残っているほか、ダニ・ソルド、セバスチャン・ローブも契約を有しており、そこにタナクが加わることで2020年のヒュンダイ陣営はさらに強力な布陣を敷くことになる。


 なお、2019年シーズンをヒュンダイとともに戦ったアンドレアス・ミケルセン、クレイグ・ブリーンについてもアダモ代表は「2020年のWRCでどういったコラボレーションができるか話し合いを続けている」として、チーム残留に向けた交渉を続けているとした。


 タナクを失う形となったトヨタは、公式ツイッターで「オット・タナクと(コドライバーの)マルティン・ヤルヴェオヤとともに素晴らしいシーズンを過ごすことができ、偉大なことを成し遂げることができた。彼らに素晴らしい将来が待っていることを願っている。そしてもうひとつのタイトル(マニュファクチャラーズタイトル)に向けて、最終戦オーストラリアを戦おう」とコメントを送っている。


 トヨタの2020年ラインアップについては、現時点でアナウンスされていない。


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