F1、コロナ禍の2020年第3四半期に約107億円の損失。レース開催も無観客が響く

2020年11月8日(日)7時35分 AUTOSPORT web

 フォーミュラワン・グループは、2020年第3四半期に1億400万ドル(約107億5000万円)の損失を計上したと発表した。新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響を引き続き受けているためだという。


 F1にとって厳しい2020年シーズンは、第3四半期の始まりと同時に開幕し、7月から9月の3カ月で計10戦が行われた。


 しかし限定された人数のファンが観戦した第10戦ロシアGPを除き、基本的にすべてのレースが無観客で行われ、さらにヨーロッパでの集中開催を促進するために主催者側と特別な取り決めを交わしたことも手伝って、第3四半期の収益は2019年同期と比べて3600万ドル(約37億2000万円)減少した。


 ただし、7月から9月までのグランプリ開催数が昨年よりも増えており、テレビ放映権料、広告料、スポンサー料の増加にはつながった。


 全体として、F1の収益は、2019年第3四半期の6億3300万ドル(約654億2000万円)に対して、2020年第3四半期は計5億9700万ドル(約617億万円)だった。


 リバティ・メディアは「2020年第3四半期の決算は、無観客での開催、レースカレンダーの改定に伴う開催地と時期の変動、それらに比例するかたちでいくつかの収益要素が変動したことに影響された」とする声明を出した。


「F1の主な収益のひとつが減少した。第3四半期には、1戦を除いてすべてのレースが無観客で開催されたため、プロモーション収益が限定的だったためだ」


「これは、放映権料、広告料、スポンサー料の増加によって、ある程度相殺された。この四半期に3戦が増えたため、シーズン全体の収益認識に基づいて高額の配分が行われたためだ。ただし、2020年のレース数は昨年より少ないため、収益認識が下がったことも影響している」


「また、放映権料、広告料、スポンサー料の収益については、それぞれ当初の契約よりも低くなっている」


「スケジュールが変わったため、いくつかのテレビ放送契約における条項に基づいて放映権料が下がる要因となった。また、他のいくつかの放映権料についても今年の分について再交渉が行われ、今年かぎりの放映権料変更につながった」

2020年F1第1戦オーストリアGP 『We Race As One』のロゴ

 リバティ・メディアは、第3四半期にF1の全10チームに対して計4億4000万ドル(約454億7000万円)が支払われたことを明かした。これは昨年の3億3500万ドル(約346億2000万円)と比べて相当増えているが、新コンコルド協定に各チームが署名したことに対する1度限りの措置だという。


「我々は、F1コミュニティが団結してこの困難に立ち向かい、安全なやり方でレースに戻れたことを非常に誇らしく思っている。コースの内外でも、レース再開に興奮する人たちの姿を多く見聞きしている」とF1のCEOチェイス・キャリーは語った。


「この成功をもたらすために主たる役割を担ってくれたF1、FIA、各チーム、主催者、その他パートナー全員に感謝を表したい」


 リバティ・メディアのCEOを務めるグレッグ・マフェイは、退任が決まったキャリーに敬意を表した。キャリーは今シーズンの開幕に向けて努力してきたほか、新コンコルド協定に全チームの署名を集めるために奔走した。

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