“最強の切り札”、44本のパス繋いでゴール…先週末のビッグマッチを振り返る

2018年11月12日(月)18時53分 サッカーキング

複数のビッグマッチが先週末に開催された [写真]=Getty Images

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 10日と11日に、スペインを除く欧州5大リーグで複数のビッグマッチが行われた。ブンデスリーガでは、ドルトムントとバイエルンによる“デア・クラシカー”。プレミアリーグでは、マンチェスター・Cとマンチェスター・Uによる“マンチェスター・ダービー”。そしてセリエAではミランとユヴェントス、リーグ・アンではモナコとパリ・サンジェルマンの名門対決が実現した。ドローゲームはひとつもなく、各試合でドラマが生まれている。そこで今回は、4つの大一番を主な記録とともに振り返ってみた。

*記録の参照元はすべて、データ会社『Opta』とイギリスのサッカーサイト『Squawka』。

■クレイジーな試合に決着をつけた“最強の切り札”
ドルトムント 3−2 バイエルン

 「クレイジーな試合だった」。ドルトムントを率いるリュシアン・ファーヴル監督が試合後にそう振り返ったように、伝統の一戦は互いに点を奪い合う激しい展開となった。

 シーソーゲームに決着をつけたのは、ドルトムントの“最強の切り札”パコ・アルカセルだった。59分からピッチに立つと、14分後に決勝点を奪った。今季バルセロナからやってきたスペイン人ストライカーは、9月のデビュー以降、ブンデスリーガ6試合の出場で8得点をマーク。驚くべきは、6試合のうち先発したのはわずか2試合で、8得点のうち7得点は途中出場時に記録していることだ。

 デビューからの6試合で8得点を叩きだしたのは、ブンデスリーガ史上2人目となる。過去には、ハンブルガーSVでプレーした元西ドイツ代表FWゲルト・デェルフェル氏が1963年に達成していたのが唯一の例だ。ただ、同氏の出場時間は「519分」だったのに対して、P・アルカセルの出場時間は半分以下の「238分」。実に29分の出場につき1ゴールを奪っている計算になる。

 今後どこまで得点数を伸ばしていくのか。「チームのエースはジョーカー」という不思議な立ち位置にある背番号9にこれからも注目だ。

■44本のパスがつむいだ美しいゴール
マンチェスター・C 3−1 マンチェスタ−・U

 マンチェスター・Cは、ホームで宿敵を撃破。プレミアリーグでは開幕12試合無敗をキープし、首位の座を守った。

 なかでも称賛を浴びているのは、ダメ押しとなった3点目のゴールだ。フィールドプレーヤーが計44本ものパスを繋ぎ、最後はイルカイ・ギュンドアンが左足で決めた。時間にして1分55秒——90分のうちの2.13%をマンチェスター・Cの選手たちが占有し、流れるようなパスワークから美しい得点を決めてみせた。

 もっとも、マンチェスター・Cの“完勝”とは言い切れない。2015年9月のサウサンプトン戦で、フアン・マタが決めた3点目のゴールは、マンチェスター・Uの選手たちが45本のパスを繋いだすえに生まれたものだった。もちろん、パス本数の多さによってゴールの優劣が決まるわけではなく、この日のダービーの敗戦は屈辱的なものだったが、“赤い悪魔”は1本差で記録を守り抜いた。

■絶対王者はどこまで強くなる?
ミラン 0−2 ユヴェントス

 ユヴェントスは一体どこまで強くなるのか。4位ミランと敵地で対戦した今節も、マリオ・マンジュキッチとクリスティアーノ・ロナウドのゴールで2−0と勝利。今季リーグ戦無敗を継続した。

 セリエA7連覇中の絶対王者は、開幕12試合で34ポイントを獲得。新たなリーグ記録を樹立している。さらに2018年はここまで、公式戦のアウェイゲームに負けがない(18勝3分け)。これは欧州5大リーグで唯一の記録になる。

 イギリスの大手ブックメーカー『ウィリアム・ヒル』は、ユヴェントスのセリエA優勝オッズを「1.1倍」に設定(日本時間12日17時現在)。リーグ優勝のオッズとしては、“元返し”の「1倍」がついているパリ・サンジェルマンを除けば、マンチェスター・C(プレミアリーグ)の「1.28倍」、バルセロナ(リーガ・エスパニョーラ)の「1.36倍」、そしてドルトムントとバイエルン(ブンデスリーガ)の「1.91倍」をすべて下回っている。それだけユヴェントスの優勝が濃厚であり、8連覇はもはや義務となっている。

■39年ぶりのハットトリック/17年ぶりの就任4戦未勝利
モナコ 0−4 パリ・サンジェルマン

 一昨季の王者と昨季の王者が激突したゲームは、“現王者”パリ・サンジェルマンの圧勝に終わった。勝利の立役者となったのは、エディンソン・カバーニ。ウルグアイ代表FWは大一番でハットトリックを達成した。

 パリ・サンジェルマンの選手がリーグ・アンのモナコ戦で3得点以上を記録するのは、39年ぶりのこと。ボカ・ジュニオルスで監督を務めたこともある元アルゼンチン代表FWのカルロス・ビアンチ氏が、1979年5月の一戦でハットトリックを決めたとき以来の快挙だった。

 一方、“敗軍の将”となったティエリ・アンリ監督は泥沼に陥っている。10月13日の就任から、これでリーグ戦4試合連続未勝利(1分け3敗)。モナコの指揮官としては、2001年夏の就任から5戦連続で勝利を逃した(2分け3敗)元フランス代表MFディディエ・デシャン氏以降でのワースト記録となった。

 なお、当時のデシャン氏もモナコで監督デビューを果たしたばかり。いきなり厳しい現実を突き付けられたが、就任2年目には2位と大躍進を果たし、3年目にはチャンピオンズリーグ準優勝を成し遂げた。今ではフランス代表監督を務めるなど、大出世を遂げており、アンリ氏のこれからの逆襲に期待したい。

(記事/Footmedia)

ドルトムント対バイエルンのスコアに誤りがございましたので、訂正いたしました(12日20時32分)。

サッカーキング

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