岩渕、長谷川、熊谷らスタメン入りのなでしこ、“欧州王者”イングランドに完敗

　国際親善試合が11日に行われ、日本女子代表（なでしこジャパン）とイングランド女子代表が対戦した。

　2023年7月20日から8月20日にかけて行われるFIFA女子ワールドカップオーストラリア＆ニュージーランド2023に向けて、なでしこジャパンは着々と準備を進めている。なお、本大会でなでしこジャパンはグループCに入っており、スペイン代表、コスタリカ代表、ザンビア代表と対戦予定だ。

　今回のスペイン遠征ではイングランド、そしてスペイン女子代表との試合が予定されている。1試合目の対戦相手であるイングランドは、7月に開催されたUEFA欧州女子選手権（EURO）2022で初の大会制覇を成し遂げた現在の“ヨーロッパ王者”。FA女子スーパーリーグ（FAWSL）でプレーする選手を多数擁する、ヨーロッパの強豪国だ。

　この一戦に向けて、なでしこジャパンのスターティングメンバーにはキャプテンを務めるバイエルン所属の熊谷紗希、マンチェスター・Cでプレーする長谷川唯、アーセナルに在籍する岩渕真奈らが並んだ。先発8名を海外組が占めている。

　試合は序盤から激しい展開となる。なでしこジャパンにとって最初のチャンスは20分、敵陣でクリアボールを拾った長谷川がペナルティエリア外からミドルシュート。この一撃はGKにキャッチされた。しかし、徐々に自陣でのミスからピンチを招くと、38分には高い位置で奪われたボールをレイチェル・デイリーに決められた。イングランドが先手を取ってハーフタイムに突入している。

　後半に入っても先に試合を動かしたのはイングランド。53分、スルーパス1本で右サイドを破ると、中央への折り返しをクロエ・ケリーが流し込む。イングランドがリードを広げた。

　なんとか1点を返したいなでしこジャパンは58分、ペナルティエリア左でパスを引き出した遠藤純がフィニッシュまで持ち込むも、ゴールには至らない。75分にはペナルティエリア手前で得たフリーキックで、長谷川がクロスボールを狙うも、わずかに味方には合わなかった。

　すると77分には守備時の連携の乱れから、イングランドのエラ・トゥーンに3点目を奪われる。対するなでしこジャパンは86分、途中出場の藤野あおばが積極的な仕掛けからフィニッシュまで持ち込む。こぼれ球を拾った長谷川が右足で狙うも、GKの正面へ。しかし、90分には再びイングランド。自陣左サイドでのルーズボールをエボニー・サーモンに先に触られると、最後はジェス・パークが流し込んだ。

　試合はこのままタイムアップ。なでしこジャパンはスペイン遠征の1戦目で、“ヨーロッパ王者”に力の差を見せつけられる結果となった。この後、なでしこジャパンは15日にスペイン女子代表との一戦に臨むスケジュールとなっている。

【スコア】
イングランド女子代表　4−0　なでしこジャパン

【得点者】
1−0　38分　レイチェル・デイリー（イングランド）
2−0　53分　クロエ・ケリー（イングランド）
3−0　77分　エラ・トゥーン（イングランド）
4−0　90分　ジェス・パーク（イングランド）

【スターティングメンバー】
なでしこジャパン
GK：山下杏也加
DF：清水梨紗、南萌華、熊谷紗希、三宅史織（71分　宝田沙織）
MF：長野風花、宮澤ひなた（71分　藤野あおば）、遠藤純、長谷川唯、杉田妃和
FW：岩渕真奈（58分　田中美南）