「鶏の骨を投げられた」“暗黒期”の元助っ人にも届いた日本一の吉報 米メディアで語られた虎党の情熱「でも、愛してくれた」

2023年11月15日(水)6時0分 ココカラネクスト

引退後は指導者に転身したパウエル(左)とハンセン(右)。この元阪神助っ人が日本時代に想いを馳せた。(C)Getty Images

 去る11月5日、阪神は大勢の虎党に見守られ、38年ぶりの日本一を達成。パ・リーグ3連覇のオリックスとの死闘を制した精鋭たちは、勝利の美酒に酔いしれた。

 1935年に誕生した球団の歴史でも2度目の快挙だ。近年のドラフトで引き抜いた近本光司、大山悠輔、佐藤輝明、中野拓夢、村上頌樹、岩崎優ら生え抜きの選手たちが躍動し、セ・リーグで2位広島に11.5ゲーム差をつけた競争力を築いた。目立ったFA補強をせずとも生んだ快進撃は、地道な強化の賜物と言える。

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 そんな猛虎の躍進は、チームを知る助っ人たちにとっても吉報として響いたようだ。米メディア『The Athletic』の取材に応じたアロンゾ・パウエル氏とデーブ・ハンセン氏は揃って「信じられない」と38年ぶりの日本一に賛辞を送った。

 ともに球団史でも最悪と言える時を過ごした。両者が阪神に在籍した1998年は52勝83敗と大きく負け越して最下位に低迷。1997年から3度目の指揮を執っていた吉田義男監督が辞任するなど、まさに「暗黒期」だった。

 そんな時代でも熱心なファンの情熱は助っ人たちの心に強烈な印象を植え付けている。中日で3年連続首位打者になるなど6年間も活躍していたパウエル氏は「信じられない経験をさせてもらった」と強調。衝撃的なエピソードとともに、わずか1年で終わった阪神時代を振り返っている。

「長い間、私は敵チームにいて、彼ら(阪神)に対して成功を収めてきた。中日にいた時には、センターを守っていると、外野のスタンドから阪神ファンに鶏の骨を投げつけられたこともあった。でも、チームの一員になると阪神ファンは私を愛してくれた。暖かく歓迎してくれて、ずっとこのチームにいたような気にさせてくれだんだ」

 一方でハンセン氏にとっても阪神時代は思い出深い記憶だ。当時のチーム状況を「私もごく平凡な成績しか残せなかったし、監督とGMもクビになった。それほどひどい状態だった」と語る元助っ人は、「だけど、タイガースでの経験は素晴らしいものだった」と続けている。

「とにかくタイガースのファンはチーム状況なんて関係なくどこでも駆けつけてくれた。たとえ、試合会場が国の端から端まで離れていてもね。『ここにもタイガースのファンが来てるぞ』という感じだった」

 一部のメディアから“ダメ虎”とも揶揄された苦境にあった阪神。そんなチーム状況で阪神ファンの情熱は、明日を戦うための発奮材料になったという。

 そんなハンセン氏は今回の戴冠劇にこう言葉を寄せている。

「きっと信じられないようなお祭り騒ぎだろうね。オーマイゴッドって感じでね。想像もできないよ……いや、実際には想像できるんだけどね。間違いなく凄いことになっているよね」

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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