F1第23戦水曜会見:「チームにとって、フランツはすべてと言っていい存在」退任するトスト代表をリカルドが労う

2023年11月24日(金)17時9分 AUTOSPORT web

 今季最終戦アブダビGPのドライバー会見。集まった面々は、とりあえずは元気そうだ。しかし1週間前のラスベガスからここにやって来るために、彼らは地球半周もの距離を、16時間かけて移動してきた。


Q:終盤の2戦、移動だけでも大変だったと思います。前戦ラスベガスGPについての感想、そして時差ボケの問題について、考えを聞かせてください。
シャルル・ルクレール:ベガスは大好きだったよ。最初に思っていたよりもずっとサーキットを楽しめたし、レースも本当に面白かった。一方で時差ボケに関しては、いつものレースではほとんど平気なんだけど、今回はまったく違ったね。16時間のフライトでここに着いた時は、とても疲れていた。でも赤ん坊のように眠ってから、体調はずいぶんいい。だから結果的に、時差ぼけにはなっていないみたいだ。ただメカニックやエンジニアたちの話を聞いていると、みんな本当に疲れていて、相当苦労しているようだ。今後はシーズン終盤の戦い方を、少し見直すべきだろうね


バルテリ・ボッタス:スケジュールを改善する余地があるのは確かだし、来年のカレンダーにはすでにいくつかの措置が取られていると思う。ラスベガスGP自体も、初日を除けばすべてがスムーズに進んだと思う。ただ僕はあまりいい経験ができなかった。週末を通して、ずっと胃の調子が悪かったんだ


Q:今も?
ボッタス:いや大丈夫。すべて順調だよ

2023年F1第23戦アブダビGP FIA会見 バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)&シャルル・ルクレール(フェラーリ)


 角田裕毅とともにアルファタウリの戦闘力不足に苦しんだダニエル・リカルドも、ラスベガスの週末には及第点を与えていた。


リカルド:まだ決勝レース自体は、見直していないんだ。ハイライトを見たぐらいでね。いいレースだったみたいだ。市街地レースのほとんどは、オーバーテイクが難しい。その点、ラスベガスは、とても新鮮だった。確か今年2番目にオーバーテイクが多かったレースだったかな? そこは本当にクールだった。あとは開催にこぎつけるまでの、主催者の努力だね。それには心から敬意を表したい。初めての試みを完璧に行うことなんて不可能だ。確かに木曜日は、厳しい1日だった。でもそこからよく立ち直って、金曜、土曜と完璧な週末を過ごすことができたのは素晴らしかった


 ジョージ・ラッセル(メルセデス)も肯定派だが、サポートレース併催の必要性を求めていた。


ラッセル:正直、とても楽しめた。最初の予想よりも、ずっといいコースだったと思う。ただできれば、他のフォーミュラのレースが見られるといいね。このコースはもともとすごく汚れていて、レースをするのがとても難しかったからね


 ラスベガスでのF1開催に批判的だったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)も、優勝直後には「大いに楽しんだ」とコメントしていた。しかしアブダビに移動してきた間に、少し考え直した部分もあったようだ。


フェルスタッペン:レース自体がどうこうというより、スケジュールの話だね。地球の反対側から、一気に移動する。それって持続可能性の点では、CO2排出量だけじゃなく人体にとっても、あまりいいことじゃない。だから僕たちドライバーも、年間スケジュールの変更を含めて、これから積極的に議論に加わるべきだと思う


 フェルスタッペンはこの最終戦に勝てば通算勝利数を54に伸ばし、セバスチャン・ベッテルを抜いて歴代3位になる。これだけ圧倒的に勝ち続けても、モチベーションが低下することはないのだろうか。


Q:F1ドライバーに限らず、すべてのアスリートはある時期にやる気を失います。あなた自身はこれほど圧倒的な存在であるにもかかわらず、なぜモチベーションを維持できているのでしょう?
フェルスタッペン:モチベーションとか、あまり深く考えたことはないし、特に他のスポーツと比較することもないね。僕自身で言えば、運転そのものが大好きなんだ。それが何よりも、ここにいるために最も重要なことだと思う。そしてもちろん、勝つこともね。そのふたつが、僕にとってのモチベーションになる。たとえば今年は、ほとんどのレースで勝てる可能性がある。だったらそれをぜひ実現したい。勝ち過ぎてモチベーションが低下するとか、そんなことはない。そしてもちろん上位にいる方が、中団にいるよりおそらく(モチベーションの維持は)簡単だと思う

2023年F1第22戦ラスベガスGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が優勝


 最後に、フランツ・トストにとってはこの週末のレースが、チーム代表として最後のグランプリになる。トスト代表に才能を見出されたリカルドが、彼への想いを語った。


リカルド:チームにとって、フランツはすべてと言っていい存在だった。オフィスで初めて会ったときのことは鮮明に覚えている。笑顔で入っていった僕に、フランツはこう言った。「F1は真剣なスポーツだし、厳しい世界だ」とね。何もわからない20歳そこそこの青年に、これから立ちはだかるものについて教え、諭してくれたんだ。そのおかげで僕はより早く成熟し、成長することができた。フランツは今もあらゆるチームミーティングに出席するし、発言し、分析し、アドバイスする。それが彼の情熱なんだ。でも来年は、少し足を上げて楽しめることを願っているよ。フランツのチームに戻って、お別れに直接立ち会えたことは、僕個人にとっても本当によかった

2023年F1第23戦アブダビGP FIA会見 ダニエル・リカルド(アルファタウリ)&ジョージ・ラッセル(メルセデス)

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