下部組織出身の有望株たちの今 ~レアル・マドリード編~

2018年11月27日(火)18時34分 サッカーキング

レアル・マドリードの下部組織で育った選手たち [写真]=Getty Images

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 欧州トップクラブの下部組織で育ち、“期待のホープ”と称された選手たちの現況を紹介するシリーズ。第2回目は、世界選抜と言っても差支えのないスーパースター軍団でありながら、「ラ・ファブリカ(工場の意味)」と呼ばれる優秀な育成組織も持つレアル・マドリード編をお届けする。

*2011年にクラブの下部組織に在籍し、今も現役を続けている選手を対象とした
*カッコ内は(生年月日/国籍/所属クラブ/ポジション)

写真=Getty Images

■トマス・メヒアス

(1989年1月30日/スペイン/オモニア・ニコシア/GK)
経歴:レアル・マドリード→ミドルズブラ(レンタル→完全)→ラージョ・バジェカーノ(レンタル)→オモニア・ニコシア

ジョゼ・モウリーニョが監督を務めていた2011年5月のヘタフェ戦で、アントニオ・アダン(現アトレティコ・マドリード)に代わって試合終盤に登場し、念願のトップチームデビューを飾った。しかし、その後再びサンティアゴ・ベルナベウのピッチを踏むことはできず、2014年からはイングランドのミドルズブラに在籍した。今夏からは活動の場をキプロスに移し、オモニア・ニコシアでプレーしている。

■ヘスス・フェルナンデス

(1988年6月11日/スペイン/CFRクルージュ/GK)
経歴:レアル・マドリード→レバンテ→グラナダ→カディス→クルトゥラル・レオネサ→CFRクルージュ

2010−11シーズンにトップチームデビューを果たすと、その後は第3GKとしてトップチームに帯同。生え抜きのGKとしては、かなり評価の高い選手であった。しかし、イケル・カシージャスやディエゴ・ロペスの牙城を脅かすことはできず、2014年に退団。以降はスペイン国内のクラブを転々とするも目立った活躍はできず、今夏からルーマニアのCFRクルージュに籍を置くこととなった。

■フェルナンド・パチェコ



(1992年5月18日/スペイン/アラベス/GK)
経歴:レアル・マドリード→アラベス

2011−12シーズンにトップチームデビュー。2014年のFIFAクラブワールドカップでは、第3GKとしてモロッコ遠征にも帯同した。しかし出番が訪れる気配がないと見るや、当時2部に在籍していたアラベスに完全移籍を果たす。これが賢明な選択だったのは明らかで、1年目からレギュラーとして活躍すると、チームは1部昇格を達成。現在も正GKの座を譲ることなく、不動の地位を築いている。

■ダニエル・カルバハル



(1992年1月11日/スペイン/レアル・マドリード/DF)
経歴:レアル・マドリード→レヴァークーゼン→レアル・マドリード

アルバロ・アルベロアの牙城を崩せず、2012年夏にレヴァークーゼンと5年契約を締結。最初の3年間はレアルが買い戻しオプションを保有するという条件で、海外挑戦を決断した。すると1年目からリーグ戦32試合に出場して1得点をマーク。自らの“足”で実力を証明し、早々の古巣復帰を叶えた。このドイツ移籍がなければ、今のカルバハルはなかったかもしれない。

■ナチョ・フェルナンデス



(1990年1月18日/スペイン/レアル・マドリード/DF)
経歴:レアル・マドリード

11歳で入団して以降、レアル・マドリード一筋を貫く「カンテラの鑑」。過去にはビッグクラブ特有の選手層の厚さから他クラブへの移籍を検討したこともあったそうだが、今となっては「残留は最高の決断だった」と語る。糖尿病を患いながらも努力を絶やさず、ピッチに立てば全力を尽くす。サッカー少年にとって最高の手本となる選手だ。

■マリオ・エルモソ



(1995年6月18日/スペイン/エスパニョール/DF)
経歴:レアル・マドリード→バジャドリード(レンタル)→エスパニョール

10歳でレアルの下部組織に入団。Bチームでは、サンティアゴ・ソラーリ監督(現トップチーム指揮官)のもとでチームキャプテンも経験した。昨夏エスパニョールに完全移籍を果たすと、リーグ戦22試合に出場。迎えた今季、ついにブレイクスルーを果たし、11月のボスニア・ヘルツェゴビナ戦でスペイン代表デビューを飾った。希少価値の高い左利きのセンターバックとして、レアル復帰が噂されている。

■ディエゴ・ジョレンテ



(1993年8月16日/スペイン/レアル・ソシエダ/DF)
経歴:レアル・マドリード→ラージョ・バジェカーノ(レンタル)→マラガ(レンタル)→レアル・ソシエダ

2013年6月にトップチームデビュー。当時チームを率いていたジョゼ・モウリーニョ監督もその能力を高く評価したひとりだった。昇格は叶わなかったが、レンタル先のラージョ・バジェカーノやマラガでは主力として活躍。その間には、スペイン代表デビューも飾った。昨季、完全移籍を果たしたレアル・ソシエダでも不動の地位を築き、今月18日には2年ぶりに代表のピッチに立っている。

■セルヒオ・レギロン



(1996年12月16日/スペイン/レアル・マドリード/DF)
経歴:レアル・マドリード→ログロニェス(レンタル)→レアル・マドリード

今季晴れてトップチーム昇格を果たすと、10月2日のCLグループステージ第2節CSKAモスクワ(ロシア)戦でデビュー。苦戦が続くチームにあって、数少ない“希望”となっている。カスティージャ(Bチーム)時代には、ソラーリ監督のもとでチームキャプテンを経験。リーダーシップを備えており、次世代のレアルを背負って立つ存在と期待されている。

■アレックス・フェルナンデス

(1992年10月15日/スペイン/カディス/MF)
経歴:レアル・マドリード→エスパニョール→リエカ(レンタル)→レディング(レンタル)→エルチェ→カディス

ナチョの弟として、2005年にレアルの下部組織に入団した。早くから際立った才能を披露し、2011年に開催されたU−19欧州選手権ではスペイン代表の優勝に貢献。大会MVPも受賞した。しかし、各国代表のレギュラークラスがひしめくレアルのトップチームに居場所はなく、2013年にエスパニョールへ完全移籍。現在は2部カディスで主力として活躍する。

■オマール・マスカレル



(1993年2月2日/スペイン/シャルケ/MF)
経歴:レアル・マドリード→ダービー・カウンティ(レンタル)→スポルティング・ヒホン(レンタル)→フランクフルト→シャルケ

2013年6月に行われたオサスナ戦で、ディエゴ・ジョレンテと共にトップチームデビューを果たす。しかし分厚い選手層に阻まれ、2016年夏に完全移籍でフランクフルトに加入した。するとドイツの水が合ったのか、1年目からリーグ戦28試合に出場。昨季は9試合の出場に留まったが、今季から在籍するシャルケではチャンピオンズリーグ出場を果たすなど、順調にステップアップを遂げている。

■ホセ・ロドリゲス



(1994年12月16日/スペイン/フォルトゥナ・シッタート/MF)
経歴:レアル・マドリード→デポルティーボ(レンタル)→ガラタサライ→マインツ→マラガ(レンタル)→マッカビ・テル・アヴィヴ(レンタル)→フォルトゥナ・シッタート(レンタル)

2012年12月4日に行われたアヤックス戦に17歳と354日で出場。CLデビューのクラブ最年少記録を樹立した。しかし“恩師”モウリーニョの退団もあって、トップチーム定着は叶わず、2015年に退団。その後は、トルコ、ドイツ、イスラエルと欧州を転々とし、今季からオランダ1部のフォルトゥナ・シッタートに在籍する。

■パブロ・サラビア



(1992年5月11日/スペイン/セビージャ/MF)
経歴:レアル・マドリード→ヘタフェ→セビージャ

モラタやカルバハルと共に、2011年のU−19欧州選手権で優勝。サラビア自身はキャプテンマークを巻き、10番をつけるなど同世代屈指のタレントだった。しかしモウリーニョ体制下のレアルでは、2010年12月のCL1試合に出場しただけ。トップチーム昇格は叶わなかった。ただヘタフェを経て加入したセビージャでは常時好パフォーマンスを見せており、A代表招集の噂が絶えない。

■エンツォ・ジダン

(1995年3月24日/フランス/ラージョ・マハダオンダ/MF)
経歴:レアル・マドリード→アラベス→ローザンヌ→ラージョ・マハダオンダ(レンタル)

父親であるジネディーヌ・ジダン氏がレアルに在籍中だった2004年に下部組織に入団。その後、カスティージャデビューを果たしたときも、トップチームデビューを果たしたときも、ベンチには父がいた。しかし偉大な選手だった父ほどの実績は残せておらず、今季はスイス1部ローザンヌからのレンタル移籍という形でラージョ・マハダオンダに在籍。スペイン2部リーグで日々奮闘している。

■フアン・カルロス

(1990年3月30日/スペイン/マラガ/MF)
経歴:レアル・マドリード→ブラガ→サラゴサ(レンタル)→ベティス(レンタル)→グラナダ(レンタル)→マラガ(レンタル→完全)

カスティージャ在籍時代の2010年10月にトップチーム初出場。モウリーニョ監督が最初にデビューさせたカンテラーノとしても知られている。しかし、同シーズン終了後にブラガが保有権を取得。その後は、スペイン国内のクラブへレンタル移籍を繰り返した。通算4クラブ目となったマラガで完全移籍を果たし、今は“定住生活”を送っている。

■デニス・チェリシェフ



(1990年12月26日/ロシア/バレンシア/MF)
経歴:レアル・マドリード→セビージャ(レンタル)→ビジャレアル(レンタル)→バレンシア(レンタル)→ビジャレアル→バレンシア(レンタル)

今夏のワールドカップでの活躍が印象深いロシア代表MFは、2002年からレアルの下部組織に在籍。順調にステップアップを果たし、2012年にトップチームデビューを飾った。ただ、彼もまた激しいポジション争いを勝ち抜くことはできず、3度のレンタル移籍を繰り返したあと、2016年にビジャレアルに完全移籍。今季はかつてのレンタル先であるバレンシアでプレーしている。

■ルーカス・バスケス



(1991年7月1日/スペイン/レアル・マドリード/FW)
経歴:レアル・マドリード→エスパニョール(レンタル)→レアル・マドリード

スペイン西部のガリシア州出身で、レアル入団は16歳のときだった。転機となったのは、2014年のエスパニョール移籍。トップリーグ初挑戦ながら、33試合出場3得点という立派な成績を残し、わずか1年での首都凱旋を果たした。復帰後は、定位置を奪うまでには至っていないが、献身的なプレーの数々でCL3連覇にも貢献した。

■アルバロ・モラタ



(1992年10月23日/スペイン/チェルシー/FW)
経歴:レアル・マドリード→ユヴェントス→レアル・マドリード→チェルシー

2010年12月にトップチームデビューを果たしたが、カリム・ベンゼマやゴンサロ・イグアインからレギュラーの座を奪うことは簡単ではなく、2014年にユヴェントスへ移籍。すると2シーズンで公式戦27得点を挙げる活躍を見せて、レアル復帰を果たした。2016−17シーズンは自己最多となる公式戦20得点を挙げるなど、成長ぶりを披露。しかし、“プランB”の扱いに満足できず、わずか1年でチェルシー移籍を決断した。

■ホセル



(1990年3月27日/スペイン/ニューカッスル/FW)
経歴:セルタ→レアル・マドリード→ホッフェンハイム→フランクフルト(レンタル)→ハノーファー→ストーク→デポルティーボ(レンタル)→ニューカッスル

セルタでトップチームデビューを果たしたあと、2009年にカスティージャに移籍。モラタと共に得点を量産すると、2011年5月にベンゼマとの交代でリーガ・エスパニョーラデビューを飾った。しかし、トップチームの壁は厚く、2012年に退団。出生地であるドイツでプレーしたあと、イングランドに拠点を移し、現在はニューカッスルに在籍する。

■ヘセ・ロドリゲス

(1993年2月26日/スペイン/パリ・サンジェルマン/FW)
経歴:レアル・マドリード→パリ・サンジェルマン→ラス・パルマス(レンタル)→ストーク(レンタル)→パリ・サンジェルマン

カスティージャ時代には「クリスティアーノ・ロナウド2世」と称され、2013−14シーズンにトップチーム昇格を果たす。しかし、当時結成されたばかりの“BBC”に出場機会を阻まれると、2014年3月のCLシャルケ戦でひざの前十字じん帯を断裂。長期離脱を強いられた。これ以降、私生活の乱れも重なって、トップフォームを取り戻せずにいる。

■マリアーノ・ディアス



(1993年8月1日/スペイン/レアル・マドリード/FW)
経歴:レアル・マドリード→リヨン→レアル・マドリード

スペイン人の父親とドミニカ人の母親のもと、カタルーニャ州のバダロナで生まれた。エスパニョールの下部組織からキャリアをスタートさせ、2011年にレアルの下部組織に入団。カスティージャ時代には当時監督を務めていたジダン氏からも高い評価を得た。出場機会を求めて2017年にリヨンへ移籍すると、1年目からリーグ戦18得点をマーク。高い決定力を見せつけ、今夏の復帰が決まった。

(記事/Footmedia)

記事中のアレックス・フェルナンデスの写真に誤りがございましたので、訂正いたしました(27日22時26分)。

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