豪州SC:プロドライブが新生「ティックフォード」に改名。スタナウェイを起用

2017年12月21日(木)10時30分 AUTOSPORT web

 VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーでフォード陣営のトップチームとして活動してきたプロドライブ・レーシング・オーストラリア(PRA)が、2018年シーズンから新たに『Tickford Racing(ティックフォード・レーシング)』に改称。4人目のレギュラードライバーに、2017年の耐久カップで快走を見せたリッチー・スタナウェイを迎えると発表した。


 この新チーム名採用の背景には、同チームが2016年10月に立ち上げた高性能ロードカー部門である『Tickford(ティックフォード)』と、レースチームをより緊密に連携させる狙いがある。


 PRAは2003年にイギリスの巨大モータースポーツ企業、プロドライブを率いるデビッド・リチャーズがグレン・ストン・レーシングを買収したことで誕生。以降、2015年にフォードがシリーズへのファクトリーサポート活動から公式に撤退するまで“フォード・パフォーマンス・レーシング”のサブネームを掲げて戦ってきた。


 その最中、2012年にはリチャーズがチーム運営から手を引き、地元オーストラリアのビジネスマンであるロッド・ナッシュとラスティ・フレンチに株式を売却するも、チームはライセンスに基づきプロドライブの名称を継続使用してきた。


「我々はイギリス(プロドライブ)との技術的リンクが途絶えた後も、引き続き同じチーム名で戦ってきたが、つねに名称変更の議論が続いていた。2018年以降、我々の活動に紐付いたティックフォード・レーシングの名を使用すると発表できて、本当に光栄だ」とナッシュ。


「この変化は、急速に成長しているパフォーマンス・ロードカー事業とレース部門との間の強力なつながりを作り出している。この新ロゴは、レーストラックと一般道の双方で、ティックフォードにとって非常に明白なブランドアイデンティティを示すことになる」


「一方で、PRAの名はVASCのチャンピオンシップと(下部組織である)スーパー2、そしてバサーストでも成功を収めた由緒ある名称でもあり、我々のファンとメンバーがその変化をどう感じるか、常に意識してきたことも事実だ」と、ナッシュ。


 2013年にはマーク・ウインターボトム/スティーブン・リチャーズ組が、2014年にはチャズ・モスタート/ポール・モリス組がそれぞれバサースト1000を制したPRAは、2015年にウインターボトムがシリーズタイトルを獲得。その下部組織となるダンロップ・スーパー2選手権でも、16年に王座を獲得している。

市販ロードカーの高性能バージョンを手がける「ティックフォード」と名称を統一
Gen2規定に従い、ファルコンの次期モデルには『マスタング』投入も噂されるフォード
2017年も通算5勝を挙げるなど、フォード陣営のエースチームとして活躍したPRA


 そんな名門チームの名称変更に伴い、ウインターボトム、モスタート、キャメロン・ウォーターズと並ぶ2018年VASCシリーズのレギュラードライバーに、若手ニュージーランド人のリッチー・スタナウェイを起用することも明らかにした。


 同チームで2017年のエンデューロ・カップ戦に起用されたスタナウェイは、ウォーターズとともに、その開幕戦となるサンダウン500で鮮烈な走りを見せ、見事に勝利。その後の数戦でも、自らのスティントで何台もオーバーテイクを披露するなど印象的なパフォーマンスを示し、3度の3位表彰台を獲得。晴れて2018年のシリーズ・レギュラーシートを射止めた。


 現在26歳のスタナウェイ自身も、2018年のVASCレギュラー獲得に全力を挙げるため、10年ほど過ごした欧州を離れ、故郷のオークランドに拠点を移している。


 2010年にドイツ・フォーミュラ・マスターズ、2011年にドイツF3で王座を獲得し、2012年にはGP3、GP2でも勝利。その後、クラッシュによる怪我を経て、2013年にはスポーツカーに転身し、2015、2016年にはWEC世界耐久選手権のル・マン24時間に参戦。アストンマーティンとともにGTE-proクラスで2年連続6位のリザルトを記録している。


「僕の準備が整っているのは明らかだよ」と、新たに56号車のフォード・ファルコンFG-Xをドライブすることになったスタナウェイ。


「長らく交渉期間が続いたが、最終的に契約が結べて本当にうれしい。スーパーカーでレースするのは子供の頃からの夢だったので、こうして自分の名前がリストに載っているのは最高の気分だよ」


「最初の目標はつねに上位集団に絡むレースをすること。ただ参加するのと、成功を収めるのとでは大きな違いがあるからね。僕にとっては2014年のGP3以来のフルシーズン・シートになるんだ。これは大きな違いを生み出すと思う。長い時間をかけて自分にコミットし、ルーキーシーズンに多くのことを学びたい。僕を信じてくれたチームのためにもね」


 新生ティックフォード・レーシングも、いまだメインスポンサーの発表はないものの、昨季までのPRA同様ボトル・オー・レーシング、スーパーチープ・オート、モンスターエナジー・レーシングと、タイトルバナーに沿ったエントリー名を採用する予定で、開幕戦アデレードに向けチームは2台のニューシャシー製造を予定している。

2017年VASC本格デビュー前にSuper2にスポット参戦。いきなり勝利を挙げたリッチー・スタナウェイ
ホールデンの元ワークス指定チームのウォーキンショーもアンドレッティとジョイント。新ロゴを発表した
チームは2018年開幕に向け、ウインターボトムとモスタート車を新車に更新する予定だ


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