【東山】悲願の選手権勝利へ…注目は2年生のホットライン<第100回高校選手権>

2021年12月24日(金)19時43分 サッカーキング

東山の2年生、阪田澪哉(左)と真田蓮司(右) [写真]=安藤隆人

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 今年度の東山はGK佐藤瑞起、CB新谷陸斗、左SB仲里勇真、松橋啓太と真田蓮司のダブルボランチ、右アタッカーの阪田澪哉、181センチのFW中野翔真と、実に7人もの2年生レギュラーが顔を揃える。

 特に注目が真田と阪田だ。真田は簡潔に言うと“落ち着いた選手”。足元の技術に長け、戦況を見ながら的確なポジショニングで相手の逆を突くパスを披露したかと思えば、相手に流れがある時に自らボールを奪い取って、じっくりとキープしながら長短のパスを送り込むなど、リズムチェンジャーとしても機能する。運動量も豊富で、まさに『いてほしい場所にいてくれる』存在だ。

 阪田の武器は爆発的なスピードと突破力だが、今年に入って守備力が格段に向上をした。ボールを持ったら負けん気の強い表情でアグレッシブに仕掛ける一方で、帰陣のスピードも早く、中央でもサイドでも相手FWの動き出しを見逃さず、猛烈なプレスバックとフィジカルコンタクトでボールを奪い取る。

 2人のホットラインが機能すれば、東山は攻守において抜群の安定感が生み出される。

 インターハイ2回戦で優勝候補の前橋育英を1−0で撃破した後、阪田が「チームとしてどう戦うかが明確であれば、強豪相手でもしっかりと戦えると思ったし、もっと自分の突破力や前への推進力を出して、攻撃で凌駕できるチームにしたいと思うようになりました」と語っていたように、2年生の個性に対して、CB井上蒼太、空中戦に強い右SB夘田大揮、左サイドから切れ味の鋭いドリブルを見せる李隆志、そしてチームのナンバー10を背負うFW藤枝康佑と脇を固める3年生がリーダーシップを発揮。この組織力こそが今年のチームの武器とも言える。

「総合力ではおもしろいものがある。もっと選手の個性を生かしてチームを強化して行きたい」と話す福重良一監督をはじめ、選手たちには達成したい目標がある。それは悲願の選手権初勝利と、青森山田ともう一度対戦することだ。

 インターハイ準々決勝に進出をした東山は、青森山田と対戦して2−5と敗れた。しかし、青森山田から2得点以上を奪ったのはインターハイはもちろん、今年の公式戦では清水エスパルスユースと柏レイソルU−18、そして東山のみ。福重監督と青森山田の黒田剛監督は大阪体育大の同期という縁もある。

「青森山田はやっぱり強かった。圧倒された部分もありましたが、攻め切る気持ちを持って選手は戦ってくれた。あの試合で選手たちは日本のトップレベルを相手にした経験と手応えを得ることができてくれたからこそ、冬につなげていきたいし、もう一度戦いたい」(福重監督)

 勝ち進めば青森山田とはインターハイ同様にベスト8で激突する。その時まで絶対に負けられないと、チームのモチベーションは高く、歴史を塗り替える準備はできている。

取材・文=安藤隆人

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