小銭を借りて返さない50代女性上司。権力を振りかざしやりたい放題の彼女に、泣き寝入りしたくないと、直接対決へ!

2025年1月24日(金)12時30分 婦人公論.jp


あらゆる言動から彼女の卑しさが感じられ…

断りづらい相手からの「ちょっと貸して」。積もり積もれば、いずれ山となり……。本誌で人気の読者手記を、さえじまゆうさんが漫画化!中嶋智子さん(仮名・福岡県・無職・73歳)は、損害保険会社に勤めていた頃、お金にセコい上司がいたそうで————

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ゴマすり課長と猫かぶりの女性がやってきた


新たに赴任した課長は、この部署の業務に詳しくなく、私たちに注意することといえば「スカートを着用しなさい」とか、「丈が短い」など仕事以外のことばかり。

この情けない課長にも嫌気がさしていたが、それ以上に問題なのは新しくやってきたAさんであった。

課長に次ぐ役職であるという権力を振りかざし、やりたい放題。それでも彼女に言わせれば「前は次長待遇だったのに! 給与も大幅にダウンしてがっかり」とのことらしい。

不機嫌な表情で私に……


思えば、以前いた生え抜きの社員さんは、何て優しかったのだろう。ボーナス日には、支給されない非正規雇用の私たちに、近くのホテルで慰労を兼ねて美味しいランチをご馳走してくれた。

ほかにも、年末に取引先からカレンダーをいただくと、まず私たちから選ぶよう段取りをしてくれ、残りを自分たち社員が持ち帰った。ひとつひとつは些細なことでも、その細やかな気遣いがどれだけ嬉しかったか。

一方Aさんはというと、当然のようにいただき物は自らがまっ先に選び、残りを私たちへ与える。あらゆる言動から彼女の卑しさが感じられ、職場の空気は悪くなるばかりだった。

借りたお金にルーズで


何度も頭を下げて、その場を離れた彼女の様子に違和感を覚えたが、何とものの15分も経たないうちに戻ってきたのだ! Aさんは運転手さんに返金して丁寧にお礼を述べ、そそくさと去っていった。

その姿を見て私は気づいた。彼女は私が運転手さんに、自分の日頃の行いについて告げ口していると思ったのだ。

彼を通し課長の耳に入ったら大変と警戒し、今の一連のやりとりで几帳面さをアピールしたということだろうか。

私はあ然とした。あからさまに人を立場で差別するとは……。

貸さないと決めていたのに


同僚に事情を話すと、「彼女のことだから、借りてないわ、ととぼけるかもしれないわよ。返してもらいに行ったほうがいい」と背中を押され、すぐ彼女の席へ。

Aさんは電話中だったので、私はそばで立って待っていた。

電話が済むと、Aさんは私の顔をチラッと見て、「何の用?」と平然と言い放ったのだ。

100円だったわね


こんな貸し借りのバトルは3〜4年ほど続いたが、ゴマすり課長から本社生え抜きの課長に代わると、Aさんはあっさり左遷された。

悪評が広まり、周囲の視線に耐えかねたのか定年前に退職した。たった数百円でも、その積み重ねで失った信頼は、お金には換算できないほど大きいものだったのだろう。

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