行くなら今! サラリーマンの聖地「ニュー新橋ビル」の行列店で食べたい絶品オムライス&炒飯

2020年1月30日(木)12時0分 食楽web


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 東京・新橋駅前にある「ニュー新橋ビル」といえば、食堂、居酒屋、喫茶店といった飲食店をはじめ、金券ショップ、マッサージ店などがひしめく、非常に昭和感の漂う雑居ビルです。戦後の闇市があったエリアに昭和46年(1971年)に開業。“ニュー”と付くくらいなので、当時は高度経済成長期のやる気満々働きマンたちのエネルギー補給所となっていたことは想像に難くありません。しかし50年を経て、経済成長も滞ったままの今、ニュー新橋ビルは、レトロな雰囲気も相まって、実にのんびりムード。「おやじビル」という愛称まで付いているとか。

 そんな新橋サラリーマンに愛されるシンボリックなビルも、再開発の波には逆らえず、2022年には解体が予定されています。残念極まりないことではありますが、とにかく今のうちにニュー新橋ビルの存在をしっかり記憶すべく、観光しておくのがおすすめです。そこで今回、ニュー新橋ビルの代表的な味を記憶すべく、ランチに行ってきました。

行列必至の老舗洋食『むさしや』のオムドライは必食


明治18年創業の老舗洋食屋さん

 まず、ニュー新橋ビルの1Fでひときわ長い行列が目を引くのが、洋食の老舗『むさしや』です。ここの「オムライス」(800円)は数々のメディアに紹介されるほど有名なのですが、常連にとっては、ナポリタンやハンバーグ、カレーなど洋食メニューの種類が豊富なので、毎日、いろんな種類のランチを食べられるのも魅力。


『むさしや』は、白紐のすだれ暖簾が特徴的。その前に列ができ、そこでメニューを注文します。順番が来ると、そのすだれをくぐってカウンター席に着き、オーダーした料理の料金を先払いするスタイル

 今回、筆者がより鮮明な記憶を残すべく注文したのは「オムドライ」(800円)。オムライスよりスパイスが効いていて、しかも他ではなかなか味わえない一品です。

 登場したのは、ドライカレーを薄〜い玉子焼きでくるんだタイプ。最近のオムライスは、ふわとろ系も人気ですが、こちらはあくまでライスをがっちりホールドする風呂敷系。しっかり火が通っています。こういうのでいいんだよ、こういうので。

 真ん中からスプーンでザクッと割ると、スパイシーな香りのドライカレーが登場。しっかり辛めで、想像よりもかなりスパイシーで本格的。このピリリとスパイシーなドライカレーと、バターの風味が効いた卵の相性がとにかく抜群なのです。「今では割とありそうな組み合わせだけど、昔はハイカラな食べ物だったんだろうな」などと思いつつ、ケチャップを絡めて食べていきます。


スパゲティ、オムドライ、キャベツが1皿に載って登場。お味噌汁も付きます

 さらに付け合わせのナポリタン風スパゲッティ、千切りキャベツ、ワカメの味噌汁を交互にいただきました。ドライカレーの辛さを脇役たちがほどよくなだめてくれて、安定&安心の美味しさ。食べ終わると、なぜか「ありがとう!」と感謝したくなる味わいでした。

『チャーハン王』で究極のチャーハンを食べる

 続いて、ニュー新橋ビルの行列店といえば、『チャーハン王 新橋店』を外すわけにはいきません。博多の人気焼き肉店『たんか』のチャーハンがあまりにも美味しいと評判になり、こちらのオーナーが看板メニューにしたチャーハン店。2012年にオープンして以来、行列が階段の下まで続く名物店です。メニューはチャーハンと鶏スープの「チャー王セット」(1000円)のみで、1日150食限定。

 チャーハンといえば、冷やごはんに溶き卵などの具材を適当に入れてチャッチャと炒めて瞬時に完成。やっぱり中華屋のチャーハンには勝てないね、などと言いつつ食べる手抜きメニューの代表格ですが、ここのチャーハンは、なんと3日もかけて作る“誠実”の塊のような逸品なのです。


とにかくこだわりがスゴいチャーハン

 見た目は、お米と卵と刻みナルトとネギだけ。一体、何に3日もかかるの? と一瞬、不審に思いますが、食べてみればわかります。数十種類の野菜や九州産の黒毛和牛をペースト状にして、このチャーハンに加えているとのことで、軽快ながらすごく深い。さらにごはんの炊き方、卵の味つけもチャーハンの理想形。こだわりまくっているんです。だから、食べた瞬間、香りが違います。しっとりしたお米1粒1粒に旨味がしみ込んでいて、噛みしめるとポクポクッとした食感。なんだろう、このチャーハンの新食感。


お米1粒1粒に注目して欲しいくらいのチャーハンです

 それだけじゃありません。チャーハンについてくるスープも、鶏の旨味を2日間かけてコラーゲンたっぷりの味わい。

 さらに、テーブルには、美味しい食べ方指南も書かれており、スープとチャーハンを半分くらいまで楽しんだら、テーブルに置いてある特製のタレ(酢醤油)をかけて食べるのがオススメだそう。酢醤油は、九州の甘い醤油がベースで、コクの深い甘さとまろやかな酸味があって、チャーハンの味わいを爽やかにしてくれる優秀調味料。とにもかくにも、ここまで客にチャーハンと向き合わせるのがスゴいです。新橋のサラリーマンたちが並んでまで食べたいと思う気持ちもわかります。


特製ラー油と特製酢醤油をかけてみました

 というわけで、ニュー新橋ビルを知らない人も、ぜひ、この2つの行列店に行って欲しいと思います。実は、まだまだほかにも行列店やいいお店があります。それは、残り少ない2年の間に制覇したいものです。皆さんもぜひ、記憶に残しておいてください。

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

店名:むさしや
住:東京都港区新橋2-16-1新橋ビル1F
営:月〜金10:30〜20:00頃、土11:00〜15:00頃
  ※売り切れ次第終了
休:日・祝
店名:チャーハン王 新橋店
住:東京都港区新橋2-16-1新橋ビルB1
営:月〜金:11:00〜15:00(LO)、18:00〜21:00(LO)
土・祝:11:00〜15:00(LO)
休:日

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