50代で貯金ゼロ!超崖っぷちの人のお金の貯め方

2024年2月9日(金)21時40分 All About

老後が近づいてきた50代、定年退職後の生活費確保へ向けて仕上げ段階に入っていますが、50代でも貯蓄なしという人もいるようです。貯金がない50代がこれから取り組むべきお金の貯め方を考えてみました。

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50代で貯金なし……老後のためにお金を貯める必要がある

老後が近い50歳代にもなると、老後へ向けて具体的な準備を始めていかなければならない頃です。老後の生活は、一般的には勤労所得がなくなり、公的年金や企業年金、退職金、今までの蓄え等で生活していくことになります。
50代になっても貯金はゼロで、退職金は期待できず、年金収入だけでは絶対やっていけないような人は、まさに「超崖っぷち」です。仮に貯蓄がゼロだとしても、将来高額な退職金を期待できるとか、年金収入だけで生活していけそうなら、あまり心配することはありません。
まずは超崖っぷちなのか心配無用なのか、はっきりさせることが大事です。

50代で貯金なし! 超崖っぷちが逆襲するには?

老後の生活を不安なく送っていくには、収入・貯蓄が支出・負債を上回ることが必須です。収入を増やす一番の近道は働く量を増やすことです。65歳までの収入で足りないなら65歳を過ぎても働き、週5日働いても足りないなら週6日以上働く。
1日8時間働いても足りないなら1日9時間以上働き、1人が働いても足りないなら2人以上が働く(2人以上の世帯の場合)ことです。そうすることで、今までより勤労収入が増え、貯めやすくなるはずです。資産運用も大事ですが、貯蓄ゼロの人は運用できる資産がないので、運用より収入を増やす方が先です。

貯金がない50代、支出を減らすためには覚悟が大事

支出を減らすことはお金を貯める大きな助けになります。支出を減らすには明確な目標を設定し、達成へ覚悟を決めて行動することです。目標の設定が難しい時は、一般的な平均値を見て現在との差異から実現可能な目標を設定するのも良いです。総務省の統計から50代の一般的な支出等の平均値を確認してみました。
最初の表は50代男女別単身世帯についてです。

50代単身の平均貯蓄額は男性が1477.0万円、女性が1110.7万円で男性の方が多く、40代(男性864.6万円、女性799.7万円)からは大幅に増えています。平均的には老後へ備えて貯蓄額が順調に増えているのでしょう。特に男性は612.4万円も増やしています。
収入は40代に比べて男性が2.9万円、女性が18.8万円減らしています。収入のピークは既に過ぎていると考えられ、50代は40代よりも貯蓄が難しくなっています。
50代単身世帯の消費支出を項目別にみると、男性は食料・保健医療・交通・通信等が目立って多く、女性は被服及び履物・保健医療・交通・通信・教育娯楽等が多くなっています。交通・通信は男女共に支出を減らす大きなチャンスと言えます。保健医療は年齢が上がるにつれて増える傾向にあります。
50代は全年齢と比べると男性で1万8440円、女性で1万9723円多く支出しているので、全年齢の支出額で生活することができれば、この差額は簡単に貯蓄へまわすことができます。
ただ、2014年の調査では全年齢との差が男性2万7241円、女性3万4716円あったので、5年間で全年齢平均へかなり近づいています。50代単身世帯の余裕がなくなってきているのかもしれません。

50代(50〜54歳と55〜59歳)の2人以上世帯について

2つ目の表は世帯主が50代(50〜54歳と55〜59歳)の2人以上世帯についてです。

世帯人数が多いので当然のことでしょうが、単身世帯と比べると収入も支出も全体的に大きな額となっています。貯蓄額は50代前半では全年齢平均以下の1267.3万円ですが、後半になると1607.3万円へ340万円も増やし、負債も819.3万円から547.2万円へ272万円も減らしています。年間収入が800万円以上あるので、老後へ向けて順調に準備を進められていると言えます。
消費支出を項目別にみると、交通・通信や教育が全年齢と比べて多く支出しています。住居は単身世帯よりも人数が多いのに支出が少なく、50代は全年齢も下回っています。その代わりに住宅土地の負債が単身世帯より多くなっています。2人以上世帯の方が単身世帯よりも持家の割合が高いと考えられ、そのことで月々の住居支出は抑えられています。
2人以上の世帯では、消費支出を全年齢並み抑えることができれば、月々4万〜5万円の貯蓄はすぐにできます。聖域を設けず交通・通信や教育を中心に支出を減らしましょう。
50代貯金ゼロ超崖っぷちの人は、たくさん働き、覚悟を決めて節約することができれば、まだ老後の生活が成り立つようにはなるはずです。お金を貯められるよう、今すぐにでも行動に移しましょう。
文:松浦 建二(ファイナンシャルプランナー)
大学卒業後、大手住宅メーカーから外資系生命保険会社勤務を経て、コンサルティング会社設立に参加。2002年からFPとして主に個人のライフプラン、生命保険見直し、教育費プラン、住宅購入サポート等の相談業務を行う。
(文:松浦 建二(ファイナンシャルプランナー))

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