繰り下げ受給を考えています。65歳以降も厚生年金に加入して月額報酬額が60万円を超えている場合でも年間8%は年金に加算されますか?

2024年2月10日(土)6時10分 All About

年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。今回は、厚生年金に加入しながら年金を繰り下げ受給した場合について、専門家が回答します。

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老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。
今回は、厚生年金に加入しながら年金を繰り下げ受給した場合についてです。

Q:繰り下げ受給を考えています。65歳以降も厚生年金に加入して月額報酬額が60万円を超えている場合でも年間8%は年金に加算されますか?

「65歳以降も働いて厚生年金に加入していこうと思います。繰り下げ支給を考えていますが、月額報酬額が60万円を超えている場合でも年間8%は加算されますか?」(ココさん)

A:月額報酬額が60万円を超えていると、在職老齢年金制度によって老齢厚生年金は全額支給停止になります。支給停止されている年金は、繰り下げ請求しても、増額(加算)されません

60歳以降、厚生年金保険に加入しながら働いて給与収入を得る場合、おおよその給与収入(総報酬月額相当額)と基本月額(老齢厚生年金の報酬比例部分)の合計金額が、ひと月あたり48万円(令和5年度の支給停止調整額)を超えると、老齢厚生年金受給額の一部もしくは全額が支給停止となります。これを在職老齢年金制度といいます。在職老齢年金制度によって支給停止された年金は繰り下げ請求しても増えません。
相談者は、65歳以降の月額報酬額が60万円を超えているとのことですので、老齢厚生年金を請求しても在職老齢年金制度によって全額支給停止となります。繰下げすると8%ほど(1カ月あたり0.7%増額×12カ月=8.4%)増えるかというご質問ですが、老齢厚生年金を繰り下げ請求しても、在職老齢年金制度によって支給停止となった老齢厚生年金は加算(増額)されません。
詳細については年金事務所に確認してみましょう。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)

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