「他に乗客のいないバスで小学生が大はしゃぎ。目的地で降りようとすると、運転手がそっぽを向いて...」(福島県・70代女性)

2024年2月12日(月)18時0分 Jタウンネット

シリーズ読者投稿〜あの時、あなたに出会えなければ〜 投稿者:「ばあば」さん(福島県・70代女性)

東日本大震災の後、投稿者「ばあば」さんの小学生の孫たちは、めいっぱい外で遊ぶことも出来ないでいた。

そんな中でやって来た夏休み。ばあばさんと孫たちは、数か月ぶりに外出することになり...。

<ばあばさんの体験談>

東日本大震災から数か月過ぎた夏休みのある日のこと。

その日、私は小学生の孫たちを連れてバスに乗り、近くのショッピングセンターへ行くことにした。

料金を入れようとしたら...

放射性物質汚染の影響で、孫たちには伸び伸びと外で遊ぶこともさせてあげられていなかったので、数か月ぶりの外出。

私たち以外の乗客がいないバスの中で、孫たちははしゃいでいた。

私はと言えば、席は立たないように注意だけして、申し訳ないけれど、はしゃぐままにしてしまった。

孫たちの姿に胸が熱くなったからだ。震災のせいで、登校には暑くても長袖長ズボンに帽子を被り、その後ろ姿がとても切なかった。芝生に座ることも、草花を摘むことも、外で遊ぶことも無かった孫たちだから。

10分もすると目的地に着いた。私が最初に料金を入れ孫達も入れようとした。

その時、運転手さんが突然そっぽを向いて口を開いた。

「おじさんにはみんなの事が見えないなあ、見えないんだよなあ」

「ありがとう」と言いたかったけれど...

孫達は理解したのかしないのか、「ありがとうございましたー」と言って降りていく。

私も、ありがとうございましたと言いたかった。

でも、今、声に出したら今までの思いが溢れ出しそうで......笑顔の運転手さんに頭を下げる事しか出来なかった。

運転手さん、あの時の孫達は立派に社会人をしています。

あの時本当にありがとうございました。

あの時の整理券、いまだに財布に入っています。

孫の中の一人の誕生日でした。

誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!

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(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)

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