「もうね、私ひっくり返りそう…」子連れ離婚で出戻った35歳娘が全く育児しない理由に絶句

2024年2月14日(水)22時5分 All About

夫のモラハラを理由に離婚した娘が、子ども二人を連れて実家に戻ってきた。仕事をしない上に育児も実母に押しつけてダラダラと過ごしているだけだ。このままだと、生活が崩壊してしまう。どういうつもりかと詰め寄ると……

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人生、いくつになっても苦労の連続。そう嘆く女性は少なくない。子どもが巣立ってホッとしたのも束の間、折り合いが悪くて離婚、孫を連れて戻ってくる。仕事もせずに孫の世話は祖父母に任せ放題……、世の中にはそんな家庭もある。

63歳、今さらながら後悔している

「この年になって、こんな大変な思いをするとは……」
辛そうにそう言うのはマサヨさん(63歳)。短大を出て25歳で結婚、26歳で長男を、28歳で長女を出産した。4歳年上の会社員の夫は定年になると同時に病に倒れ、入退院を繰り返して1年前に亡くなった。
「夫が亡くなってすぐでした。娘がふたりの子を連れて、突然、家に舞い戻ってきた。娘は28歳のときに結婚してふたりの子を授かったんですが、そもそも夫も私もその結婚には反対でした。相手は20歳年上で、当時は妻子がいたからです。
離婚して娘と一緒にはなったけど、今でいうモラハラがひどかったみたい。娘は私には何も言いませんでしたが、とうとう我慢しきれなくなってうちに逃げてきたんでしょう」

始まった出戻り娘との生活だが、話が違う?

幼い子を抱えた娘に、夫の元へ戻れとは言えなかった。娘は「とにかく別れたい」と養育費も決めずに離婚してしまったそうだ。
「しばらく置いてほしいと言われました。長男も家庭を持っていましたから、私はひとりで暮らしていた。部屋もあるし、娘も働くというなら、少し子育ての協力をしてもいいかなとは思っていました」
当時、娘の子どもたちは6歳と3歳。夫を亡くした寂しさもあって娘の同居を了承はしたが、娘は仕事もせず、子どもの世話をするでもなく、昼間まで寝てはぶらりと出かけていく。
「最初は、今まで夫に束縛されて自由もなかったんだろうから少し好きにすればいいと思ったんですが、数カ月たっても変わらない。いったい、どうなってるの、どうして子どもと向き合わないのと叱ると『私、子どもが好きじゃないんだよね』って。もうね、私はひっくり返りそうになりました。
娘は不倫相手だった彼を自分のもとに引き止めるために妊娠した、家庭をもったらもうひとりほしいと言われて生んだ。だけど子どもが好きになれない。めんどう見たくない、と」
私の教育が悪かったのかとマサヨさんは自分を責めた。あのとき、何があっても結婚させなければよかった。いくら後悔してもしきれない。マサヨさんの目に光るものがあった。

親としての責任を果たさない娘

子どもを生んでもなお、子どもが好きじゃないと思う女性もいるのだろう。好きではなくても親となったからには責任が伴う。
「無条件にかわいいじゃないですか、子どもは。もちろんわがまま言って困らせられることもあるけど、それも含めてやっぱりかわいい。私はそう思って育ててきましたが、娘は好き嫌い以前に、あまり興味も関心も持てないみたいなんです。そこが不思議なんですけどね。
だったらしょうがない、あなたは働きなさい。今後、うちは夫の遺族年金と私の国民年金しかないのだから、とても4人で暮らしていくのは無理。貯金だってないからと言い渡しました」
それでも娘は「35歳になる女を雇ってくれるところなんてないわよ」と言い放つ。仕事を探しにも行かないのだから、あるかどうかわからないのに。
「だんだん腹が立ってきて、『働かないなら、あんたの食べる分はないから』と怒ると、娘は数日間、行方をくらましたんです。帰ってくるなり、『私が再婚したら、おかあさん、子どもたちを預かってくれる?』ときた。再婚する予定があるのかと聞くと何も答えませんでしたが、その数週間後、妙に荒れていたからフラれたんでしょうね」
娘が母親としてどうしようもないなら、自分が責任をとるしかないとマサヨさんは言う。だが、今後、自分が体調を崩したら子どもたちはどうなるのか、子どもの教育費はどうするのか不安は増していくばかりだ。
「行政にも相談しましたが、娘自身がどうしたいのかがわからないから、どうしようもない。娘は4年制大学をいい成績で卒業して、有名企業に就職したんですよ。だけど上司と不倫のあげく、相手は離婚したことが社内で話題となり、娘は退職しました。
心から愛した人だから結婚に至ったのだと信じたかった。娘はモラハラといっていますが、相手に聞かないとそれが本当かどうかもわからないと私は感じています」

娘が長い間、抱えていた不信感が発覚

娘に何があったのか。メンタルがやられているなら医師に診てもらったほうがいいのだろうが、娘は病院に行くことも拒絶している。
「いったい、どうしたいの。このままだとこの家も崩壊だよと先日、私は泣きながら娘に訴えました。すると娘は『おかあさんさあ、私のことかわいいと思ってた?』と言いだしたんです」
どうやら娘は娘で、母への不信感を長い年月、抱えていたようだということがやっとわかった。子どもがかわいいと思えないのも、実家に戻ってきて子どもたちを母に押しつけたのも、娘なりの苦悩や反発の表れだったのかもしれない。
「娘が戻ってきて、そろそろ1年経ち、ようやく娘と話し合えるスタートに立てた気がします。娘がどうしてあんなふうになってしまったのか責めてばかりいたけど、もしかしたら私の娘への言動が彼女を苦しめたこともあったのかもと気づいて……。私がもっと老いる前にわかってよかった。
とにかく孫たちを育てなくてはいけないから、私も不満ばかり言わずに前向きになるしかないんですけど」
不安を抱えながらも、「祖母と娘と子どもたち」という形の家族をもう一度、考え直そうと思っているそうだ。

亀山 早苗プロフィール

明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。
(文:亀山 早苗(フリーライター))

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