マラソンランナー向きの遺伝子タイプが多い都道府県、1位は? - 5.7万人のゲノムデータから解析

2024年2月19日(月)10時23分 マイナビニュース

ユーグレナはこのほど、「マラソンランナー向きの遺伝子タイプが多い都道府県ランキング」を公開した。調査は2024年2月、「ユーグレナ・マイヘルス 遺伝子解析サービス」、「ジーンクエストALL」の利用者の中から57,449人のゲノムデータを用いて行われた。
○解析した遺伝子項目は「短距離ランナータイプ」と「持久力」
今回の調査における「マラソンランナー向きの遺伝子タイプ」を定義するにあたり、短距離ランナータイプ(SNP:rs1815739)と持久力(SNP:rs4343)の2つの遺伝子項目を解析した。
短距離ランナータイプは、速筋線維と遅筋線維のどちらが多いかに関する項目。速筋線維は、酸素を用いずに糖質を分解してエネルギーを産出する解糖系代謝が発達していて、短距離ランナーなど瞬発力が必要なスポーツ選手は速筋線維が多いといわれている。一方、遅筋線維は、酸素を用いて糖質や脂質を分解してエネルギーを産出する酸化系代謝が発達していて、マラソンランナーなど持久力が必要なスポーツ選手は遅筋線維が多いといわれている。この遺伝子解析項目には、若干マラソンランナーに多く、短距離選手に少ないタイプ(遺伝子型:TT)、短距離ランナーに多いタイプ(遺伝子型:CT)、短距離ランナーに多いタイプ(遺伝子型:CC)の3タイプがある。このうち、遺伝子型TTが、速筋線維が少ない遺伝子タイプに該当する。
持久力は、運動時の持久力と遺伝子に関する項目。酸素の消費量が多いほど、体内で多くのエネルギーが作り出され、エネルギーの生産量が多いほど長く身体を動かすことができるため、持久力の評価は「最大酸素摂取量」という「1分間に体内に取り込まれる酸素の最大量」を指標として行われる。最大酸素摂取量には心臓のポンプ機能や血液運搬、骨格筋、肺拡散能力などが関与しており、身体能力の総合力ともいえる。この遺伝子解析項目には、最大酸素摂取量が多く、持久力が高めのタイプ(遺伝子型:AA)、持久力が一般的なタイプ(遺伝子型:AG)、最大酸素摂取量が少なく、持久力が低めのタイプ(遺伝子型:GG)の3タイプがある。
○「マラソンランナー向きの遺伝子タイプ」とは
今回の調査における「マラソンランナー向きの遺伝子タイプ」とは、短距離ランナータイプ(SNP:rs1815739)で、若干マラソンランナーに多く、短距離選手に少ないタイプ(遺伝子型TT)に該当し、かつ、持久力(SNP:rs4343)で、最大酸素摂取量が多く、持久力が高めのタイプ(遺伝子型:AA)に該当する人のことを指す。つまり、「速筋線維が少ないタイプで、持久力が高めのタイプ」に該当する人の割合を都道府県別に算出し、数値化した。
○マラソンランナー向きの遺伝子タイプが多い都道府県は?
解析の結果、マラソンランナー向きの遺伝子タイプの人の割合が相対的に高い都道府県は、1位鳥取県、2位沖縄県、3位富山県、4位香川県、5位石川県、6位福島県、7位青森県、8位神奈川県、熊本県、10位奈良県となった。オリンピックや箱根駅伝などで活躍する名ランナーを多く輩出することから「長距離大国」と呼ばれる福島県は6位で、5位の石川県とは0.01%差だった。

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