大阪からの旅行者が体験した「冬の札幌の温かさ」 届け、あの時の「ありがとう」

2024年2月20日(火)11時0分 Jタウンネット

シリーズ読者投稿〜あの時、あなたに出会えなければ〜 投稿者:Tさん(大阪府・40代女性)

2017年の冬、Tさんは68歳の母と札幌に旅行へ出かけた。

旅を満喫した最後の夜、ホテルに帰ろうとTさんたちが歩いていると......。

<Tさんの体験談>

2017年12月、68歳の母と二人で札幌旅行に行ったときのことです。

最後の夜、おいしいお寿司を堪能し、大通公園のライトアップを楽しみ、「お寿司も美味しかったし楽しかったねー。さぁ、ホテルへ帰ろうか」と話し、歩いていたら、後ろからドサッと音がしました。

音がして振り返ると...

振り返ると、母がマンホールの周りに出来ていた氷に足を滑らせ、転んでいました。

「大丈夫?」と立ち上がらせようとしましたが、「足が動かない」と言います。焦った母は、通行の邪魔になるからと這いながら端へ移動。何が起こっているのか、私には分かりませんでした。

救急車を呼ぶしかないと思い119番通報しましたが、住所を聞かれても旅行先のため分からず、あたふた。すると、すぐに横断歩道の向こうから若いお兄さんが駆けつけ、こう教えてくれました。

「すすきのの赤い鬼さんの前って言ったら分かるから!」

その通り告げると、救急隊の人は「分かりました、すぐに向かいます」と来てくれることになりました。

ところで、この時に駆けつけてくれたお兄さんは実は、居酒屋のビラ配りをしていた人でした。

母が転倒する直前、横断歩道で配っていた時、私は彼に冷たく「結構です」と返答していて、「こんなにすぐに駆けつけ、助けてくれた人になんて冷たい言い方をしてしまったんやろ......」と反省しました。

札幌の皆さんの温かさに...

ビラ配りのお兄さんだけでなく、状況を察した会社員の男性の方が「寒いからこれ使って」とわざわざ向かいのコンビニでカイロを買ってきて渡して下さいました。何人もの方が声を掛けて下さいました。札幌の皆さんのあたたかい気持ちに、胸がいっぱいになりました。

あの時、充分にお礼を伝えることもできませんでした。本当にありがとうございました。

母を救急車に乗せ、私がホテルに戻ったのは23時近く。それなのに、事情を説明すると延泊の手続きに加え、終了間際だった温泉に「お一人今から入られるので閉めないように」と連絡してくださいました。そして、「大変でしたね、ゆっくり温泉に入って休んで下さい」と......。

母は大腿骨骨折で入院し、翌日手術することになったのですが、病院の先生や看護師さんからも、

「旅行に来たのに大変やったね。お母さんは病院が見てるから、せっかく来たんだから、札幌観光しておいで、美味しいお寿司でも食べてきな」

と声をかけて頂きました。本当に本当に、心の優しい方々に助けられました。

あの時の経験があり、私も見てみぬふりをせず、困っている人がいたら自分から声掛けして、自分にできることをしようと心に誓いました。

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(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)

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