60歳になってしまった。これから将来もらえる年金を増やすには?

2024年2月21日(水)8時10分 All About

年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。今回は、60歳になってしまったものの、65歳からもらえる年金が少なくて少しでも年金を増やしたいと思っている方からの質問です。

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老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。
今回は、60歳になってしまったものの、65歳からもらえる年金が少なくて少しでも年金を増やしたいと思っている方からの質問です。

Q:65歳からもらえる年金、今さら増やせますか?

「自営業として働いてきて、生活が苦しく、年金を支払っていなかった期間もあります。私も60歳になりました。65歳からもらう年金額を今から少しでも増やす方法はあるのでしょうか?」(60歳・フリーランス)

A:60歳から65歳まで国民年金に任意加入しましょう

老齢基礎年金の支給を受けるには、国民年金に20歳以上60歳未満の40年間(480カ月)加入し、保険料を支払う必要があります。480カ月の間に、未納期間(支払っていない期間)がある人は、満額の79万5000円(令和5年度、新規裁定者)をもらうことができません。したがって、支払っていない期間分、もらえる年金が少なくなってしまいます。
支払っていなかった年金保険料は、過去2年前までさかのぼって支払うことができますが、2年以上経過した保険料を支払うことができません。通常、年金保険料を支払うことができるのは、60歳未満の人までとなりますが、480カ月のうち、支払っていない期間がある人は、60歳以上65歳未満の人まで、国民年金に任意で加入することができます。
この期間、年金を支払う人を「任意加入被保険者」といいます。1カ月、保険料を支払うと、年額で約1650円(79万5000円÷480カ月×1カ月)、もらえる年金が多くなります(令和5年度の老齢基礎年金等の満額での計算)。相談者の方も、国民年金に任意加入することで年金を増やしてみてはいかがでしょうか。
また、厚生年金にも会社員等は老齢厚生年金などが上乗せされるので、それに比べると国民年金のみに加入する自営業者やフリーランス等の人がもらえる年金は少なくなってしまいます。それを補う制度として「付加年金制度」というものもあります。
この制度では、国民年金の第1号被保険者・任意加入被保険者が、毎月の保険料に加えて月額400円の付加保険料を納めると、老齢基礎年金とあわせて付加年金がもらえます。付加年金額(年額)は「200円×付加保険料納付月数」で計算します。2年以上受け取ると、支払った付加保険料以上の年金をもらうことができます。国民年金の任意加入とあわせて、付加年金制度の利用も検討してみましょう。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)

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