RIZINバンタム級王者・朝倉海が『UFC』参戦に意欲! 実現濃厚─。

2024年2月22日(木)7時30分 マイナビニュース

昨年大晦日『RIZIN.45』のメインエベントでフアン・アーチュレッタ(米国)から2ラウンドTKO勝利を収めバンタム級王座を奪回した朝倉海(JTT)は、その直後に、こう口にした。
今後のことを社長(RIZIN榊原信行CEO)と話し合いたい。個人的には海外の舞台に挑戦したい気持ちが強くある。目指したいのはUFCです」 そして、ここに来て朝倉海の夢舞台進出が現実味を帯びてきている。
○■「UFCから声はかかっている」
2月20日に朝倉海は日本を発ち、米国ラスベガスにあるジム『シンジゲートMMA』へと向かった。
信頼を置くコーチ、ビリー・ビゲロウ、エリー・ケーリッシュの下でトレーニングを積むためだが、その直前に自身のYouTubeチャンネルで彼はこう話している。
「言っていいのかどうか分からないけど、UFCから声はかかっている。だから出られるんじゃないですか。あとは色々な契約とか、RIZINのこともあるので(榊原信行CEOとも)話をしていて良い方向に進んでいます。いつから出るか、対戦相手、階級とかは決まっていないけど、近々発表できるんじゃないかな」
朝倉海の視線は、明らかにUFCへと向いている。
RIZINバンタム級王座に返り咲いたことで、今年は防衛戦を行っていくという選択肢もあったが、やはりさらなる高みを目指したいとの気持ちが強いのだろう。
さらに朝倉は、こうも話す。
「次の試合は、多分だいぶ先になると思うので、その間に新しい技術をたくさん採り入れたい。ラスベガスでは凄いコーチや選手たちと練習することが決まっている。いまの自分の実力を確かめたいし、揉まれながらもっと成長したい」と。
そして、練習相手の名も挙げている。
元RIZINバンタム級王者で2度闘っている(1勝1敗)マネル・ケイプ(アンゴラ)、UFCフライ級ランカーのアレックス・ぺレス(米国)、Bellator世界バンタム級王者のパトリック・ミックス(米国)、そしてUFCバンタム級1位のメラブ・ドバリシビリ(ジョージア)。錚々たるメンバーだ。
○■フライ級に下げて闘うのか
RIZINにとっては、人気選手である朝倉海が抜けることは大きな痛手だろう。
それでも「競技者として上を目指したい」との強い想いを尊重する意向をRIZIN 榊原信行CEOは示している。
「海がファイター個人としてやりたいこともあるでしょう。ファイトマネーが下がるかもしれないし、アテンション(注目度)が取れないかもしれないけど、競技者としてUFCにチャレンジしたいなら止められないし止めるべきじゃない。行けるなら行って来いって感じです。
でもそれは永遠のチャレンジでもないだろうし、日本に戻ってくる舞台がRIZINでもいい。その時点で彼にポジションがあるなら相談したいとフレキシブルに考えている」
想いはファンも同じだ。
やる気になっている朝倉が、世界を舞台にどこまで闘っていけるのかを観たい気持ちが強い。
おそらくは、階級を一つ下げてフライ級で挑むことになろう。
現在のUFCフライ級王者は、アレクサンドル・パンドーハ(ブラジル)。トップランカーがブランドン・モレノ(メキシコ)、2位はアミル・アルバジ(イラク)で、日本人では元修斗フライ級王者でUFC5連勝中の平良達郎(パラエストラ沖縄)が15位にランクされている。
また大晦日にRIZINフライ級の初代王者となった堀口恭司(ATT)もUFC再挑戦を匂わせる。
朝倉のUFC挑戦が叶ったとしても、いきなり王座への挑戦、トップランカーとの対戦とはなるまい。実績を積む段階で、もしかすると平良との対峙、堀口との3度目の対決(過去1勝1敗)が実現するのかもしれない。
ならば面白いことになりそうだ。
「格闘技で強い奴と練習できるのが、いま一番の楽しみ、ワクワクする。2024年、いよいよ動き出します。朝倉海の第2章に注目してください!」
そう目を輝かす彼は、兄・朝倉未来とは別の道を歩む。三十路に突入し、なお血気盛んな「革命のアウトサイダー」の今後を注視したい。
文/近藤隆夫
近藤隆夫 こんどうたかお 1967年1月26日、三重県松阪市出身。上智大学文学部在学中から専門誌の記者となる。タイ・インド他アジア諸国を1年余り放浪した後に格闘技専門誌をはじめスポーツ誌の編集長を歴任。91年から2年間、米国で生活。帰国後にスポーツジャーナリストとして独立。格闘技をはじめ野球、バスケットボール、自転車競技等々、幅広いフィールドで精力的に取材・執筆活動を展開する。テレビ、ラジオ等でコメンテイターとしても活躍中。『プロレスが死んだ日。〜ヒクソン・グレイシーvs.高田延彦20年目の真実〜』(集英社インターナショナル)『グレイシー一族の真実 〜すべては敬愛するエリオのために〜』(文藝春秋)『情熱のサイドスロー 〜小林繁物語〜』(竹書房)『ジャッキー・ロビンソン 〜人種差別をのりこえたメジャーリーガー〜』『柔道の父、体育の父 嘉納治五郎』(ともに汐文社)ほか著書多数。
『伝説のオリンピックランナー〝いだてん〟金栗四三』(汐文社)
『プロレスが死んだ日 ヒクソン・グレイシーVS髙田延彦 20年目の真実』(集英社インターナショナル) この著者の記事一覧はこちら

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