自称コミュ力高め「茶化す」系、自我強め「会話泥棒」系…夫とのコミュニケーションに苛立つ妻

2024年3月5日(火)22時5分 All About

真剣な話をしているのにふざけて話にならない夫、何の話をしていても全部自分の愚痴や自慢話にしてしまう夫など、コミュニケーションが成立しない夫婦がいる。真剣に話をしなければならない時に、妻たちはどうすればいいのか……。

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本人が「コミュニケーションをとっている」と思っていても、相手が苛立つような会話の進め方は決していいコミュニケーションとはいえない。妻を苛立たせる夫は多いようだ。

やたらとチャチャを入れる夫

夫は普段から冗談ばかり言っているタイプ。だが「ほっこりした、いい話」をしようとしても、夫はずっとチャチャを入れる。そのうち話すのが面倒になって切り上げてしまうと言うアヤミさん(40歳)。
「先日、職場で後輩が大きな仕事を成し遂げたんです。彼女は入社当時からかわいがっていた子で、最初は『こんなのんびりした子がこの業界でやっていけるのかしら』と心配したほどだった。でも彼女はのんびりした個性を活かしたまま成長してくれた。
それがうれしくて、思わず夫にその話をしたんですが、『取引先のオヤジに気に入られたんじゃないの?』『実は裏ではすごく性格の悪い子だったりして』と、知りもしないのにイヤなことばかり言う。
『いいかげんにしてよ、話の本質がわかってない』と腹が立って打ち切りました」
すると夫は、「なんだよ、せっかく話を盛り上げようとしているのに」とふてくされる。それは盛り上げようとしているのではなく、話を聞こうとしてないだけとアヤミさんは一刀両断。

コミュニケーション下手は夫か妻か

「夫は何を思ったか、『きみってコミュニケーションをとるのがヘタだよね』と言いだした。それはあなたでしょ、人の話をねじ曲げて混ぜっ返して、何が楽しいのよと大声を出してしまいました。
すると夫は5歳の娘に『ママ、こわいねえ』って。ますます頭に来て部屋にこもりましたよ。これ以上、夫といたら私がおかしくなりそうで……」
結婚して7年経つ3歳年下の夫は、明るくて前向きなタイプではある。だが、アヤミさんが少しまじめな話をしようとすると、つまらないダジャレや明後日の方向の冗談で話をつぶされる。
「今後、夫婦でいろいろ話し合って解決していかなければならない問題も多々出てくると思うんです。お互いの両親の介護問題とか子どもの学校の問題とか。でも夫と話し合ってうまくいくとは思えない。頭が痛いです」
アヤミさんはふうっと大きなため息をついた。

「オレは」「オレは」が止まらない夫

一昔前は、「夫が無口で困る」と言う女性が多かった。最近はあまりそういう話は聞かない。むしろ「夫が自分の話しかしない」ケースが多いようだ。
ユミさん(45歳)も、先日、家庭内で起こったことを話してくれた。
「中学生の息子が、学校での先生の発言について不満を漏らしたんです。私が聞いても、それは先生がおかしいよねと思った。だけど夫は『それは立場上、しかたがないよ』と先生擁護。
続けて『オレだって会社で同じことがある。部長は朝令暮改だし、そのやり方はおかしいと思っても、こっちの立場上言えない。言っても通じない』
と愚痴りだしたんです。いや、そういう話じゃないし、中学生なんだから清濁併せ飲めとは言いづらい。むしろ正義感をもってほしいじゃないですか」
夫はそのまま、自分の愚痴に終始、息子は黙り込んでしまったという。あとからユミさんが、息子の話を横取りして自分の愚痴を言うのはどうかと思うよと言ったら、「息子なんかよりオレのほうがよっぽど大変だ」と怒りを込めて反論してきた。

夫の会話泥棒は止まらない

「子どもの話は聞こうよと言うと、夫は知らん顔を決め込みました。私が近所のママ友の話をしても、小学生の娘が友だちの話をしても、夫はいつも『オレだって』と言い始める。
息子も娘も、最近は『オレだってが始まった』と席を立つほど。聞いてもらえなくなった夫は、ひとりでしょんぼりしています。せめて子どもたちの気持ちは読んでほしい」
しかも、「オレだって」は、まったく違う方向へ飛んでいくこともある。息子がクラブ活動の話をしているとき、帰ってきた夫の耳にその話が聞こえてしまった。
夫は、それまでの話を聞いていないのに、「友だちがクラブ活動に出ずに帰った」というところだけ聞き、「とんでもないな、そいつは」と怒りだしたのだ。
「あげく、『そういうヤツとは付き合うな。友だちが悪いとろくなことにならない。オレだって若い頃は……』と、まったく関係のない学生時代の友人に嘘をつかれた話を出してきて。
息子の友だちは親が病気になって、クラブ活動に出られなくなったということだったんです。だから周りでサポートしてあげたい、そういうサポートが必要かという話。
聞いてもいないのに断言したあげく、全然関係ない学生時代の話を始めたから、息子は本当に呆れていました。『知りもしないで、わけのわかんない話をしないでよ』と怒って自室に行ってしまいました。
娘には『またやっちゃったね、おとうさん』と言われてその場ではしょぼんとしていたけど、いつもまた繰り返す。反省してないんですね。性格なんでしょうかねえ」
この人に話せば楽しい気持ちになる、この人に話せば的確な答えが返ってくる。あるいは自分とは違う見方で考えてくれる。人はそう思うから「その人」に大事な話をするのだ。
父親として、もう一度しっかり自分を見つめ直してほしいと、ユミさんは今回は夫に厳しく言い渡したという。

亀山 早苗プロフィール

明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。
(文:亀山 早苗(フリーライター))

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