「年をとると時間が早く過ぎる」科学的な理由とは? 新仮説に衝撃… “眼球”が原因!?

2023年3月17日(金)7時0分 tocana

 東京では、今月14日に日本気象協会が桜の開花情報を発表し、24日に満開が予想されている。「三日見ぬ間の桜」ということわざがあるように、毎年この季節になると、あっという間に散ってしまう桜に世の中の移り変わりの早さを重ねて郷愁を覚えるものだが、近ごろ、加齢とともに時の流れが早くなっているように感じることはないだろうか?


 実はこの加速現象は気のせいなどではなく、生理学的な根拠に基づいて生じているかもしれないという。2019年、米デューク大学のエイドリアン・ベジャン氏は、老化によって「サッカード運動」と呼ばれる眼球運動の頻度が落ちることで、映像を捉え、記憶する能力が衰えるのではないか?といった仮説を提唱している。


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※こちらの記事は2019年3月26日の記事を再掲しています。


 加齢とともに月日が過ぎるのが早く感じられるのはなぜか? その理由がついに明らかになったかもしれない。


 知的情報サイト「Big Think」(3月24日付)によると、米デューク大学の技術エンジニアであるエイドリアン・ベジャン氏が、加齢とともに時間が“加速”する現象について一つの興味深い仮説を提唱したという。


 ベジャン氏は、時間の加速現象は「若い頃のほうが映像を素早く捉え、それを記憶する能力が高い」ために生じると考える。


「若い頃、日々が長く感じられるのは、若い脳は1日のうちにより多くのイメージを受け取っているからです」(ベジャン氏)


 このことは古い映画でたとえてみるとわかりやすい。初期の頃、映画は1秒間に16フレームを撮影していたが、これだと映画の中の1秒が過ぎ去るのに実際には1秒の3分の2しかかからない。そういうわけで古い映画では人や物が通常よりも早く見えるのだ。


 時間の再生速度は一定だが、そこに含まれるイメージが多いか少ないかで体感する時間に変化が生じるため、「あなたの知覚する時間は他の人が知覚する時間とは違う」(ベジャン氏)のである。


 この現象を生理学的に考えると次のようになる。通常の大人はサッカードと呼ばれる眼球運動を1秒間に3〜5回、200〜300ミリ秒の間隔で行う(固視)。この固視が長くなると映像が不鮮明になり、10秒以内に知覚は消滅してしまう。すると記憶には残らない。


 幼児では固視の間隔が短く、サッカード運動がより頻繁に起こる。そのため、より多くのイメージを捉えることが可能となる。一方で、加齢とともにサッカード運動の頻度は落ちていくため、同じ時間で捉えられるイメージの量が減ってしまうというわけだ。


 仮説ではあるが、実感として納得できる説明ではないだろうか? 若い頃の日々の充実感に比べて、加齢とともに毎日が空疎になっていく……。悲しい話だが、逆に考えてみれば希望はあるかもしれない。サッカード運動さえ衰えなければ若い頃のように充実した濃い日々を送れるとも考えられないだろうか? ぜひ次はサッカード運動を鍛える方法を教えてもらいたいものだ。
参考:「Big Think」、ほか

tocana

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