ラー博に家系ラーメンが復活! 「あの銘店をもう一度」ラストは横浜「六角家」→新レギュラー店に

2024年4月8日(月)20時25分 All About

新横浜ラーメン博物館「あの銘店をもう一度」プロジェクトのフィナーレを飾るのは“94年組”第7弾・横浜「六角家1994+」。2024年4月8日に出店し、そのままレギュラー店に!

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新横浜ラーメン博物館(以下、ラー博)で、2022年7月1日からスタートした「あの銘店をもう一度」プロジェクト。2024年3月のラー博開館30周年を記念し、過去に出店したことのある約40店舗の銘店がリレー形式で出店してきました。ついにフィナーレを迎えます。
ラストを飾るのは、「あの銘店をもう一度"94年組"」第7弾となる横浜「六角家1994+」。2024年4月8日から出店し、そのままレギュラー店となります。21年ぶりにラー博に地元・横浜の家系ラーメンが復活します(画像は全て提供)。

横浜「六角家」の歴史について

「六角家」は、かつて「吉村家」「本牧家」と並び、家系(いえけい)御三家の1つとして名をはせたラーメン店。
創業者・神藤 隆(じんどう たかし)さんは、サラリーマンや洋食店を経て、「自分の店を持つなら好きなラーメン店を」という思いから、家系ラーメンのルーツである吉村家に弟子入りします。吉村家の2号店である「本牧家」で店長を務め、合計7年間修業した後、1988年、「六角家」をオープン。近くに六角橋商店街があったことから店名にしたそうです。

その後、1994年のラー博のオープニングメンバーとして出店することに。2003年5月31日に新横浜ラーメン博物館を卒業します。
その後は店舗を増やし、多い時には全国に10店舗ほど展開していました。残念ながら神藤さんは体調を崩し、2017年10月末に本店は閉店。2020年に破産手続きをとりました。そして2022年10月5日、逝去されました。
現在は、神藤隆さんの弟である神藤 誠さんが別経営で戸塚「六角家」を運営し、六角家の歴史を繋いでいます。

浜松「蔵前家」の店主がラー博で「六角家」の味を復活


「あの銘店をもう一度」プロジェクトの企画が立ち上がった2021年、新横浜ラーメン博物館の岩岡洋志館長は神藤さんに「この企画で、もういちど六角家をラー博に復活させましょう!」と相談します。しかし、神藤さんは体調を崩していたこともあり、「いろいろと迷惑をかけたし、俺はできないが弟子がやる形でならば」ということに。

協議を重ねた結果、白羽の矢が立ったのが静岡県浜松市にある浜松「蔵前家」の袴田祐司(はかまだ ゆうじ)さんでした。「努力とセンスが際立った弟子で、わずか5年弱で独立を認めた優秀な弟子」と、神藤さんから高い評価を受けていました。
袴田さんの実家は、静岡県浜松市で老舗浜松餃子店「紀楽」を営んでいましたが、「もっとおいしいラーメンを出したい」と訪れたラー博で「六角家」に出会います。「急募」と書かれた求人情報に応募し、1996年3月に弟子入り。本店からスタートし、ラー博店でも働いていたそうです。厳しいと評判の六角家の修行を経て、2001年7月に東京都台東区蔵前に「蔵前家」をオープン。2009年4月に浜松に移転し、現在に至ります。
今回のプロジェクトは、袴田さんと六角家戸塚店の神藤 誠さん、露木あゆみさん(神藤さんの姪)にも協力・賛同を得てスタートしました。

1994年当時の味を30年間の技術と経験で進化(+)させる


「あの銘店をもう一度」プロジェクトのフィナーレを飾ることになった「六角家」は、期間限定ではなくレギュラー店としてラー博に復活します。屋号は「六角家1994+」。ラー博に出店した1994年当時の味を、30年間の技術と経験により進化(+)させたという意味が込められています。
今回のコンセプトは、神藤さんが目指していた、甘みのある理想のスープ。神藤さんが1番大事にされていたのは、骨のバランスと、炊き方とタイミング。ここが変わると味が大きく変わるのだとか。袴田さんは、「理想のスープ」をさらに進化させるため、既成概念を捨て、一から研究し直したそうです。

より理想に到達する方法として、寸胴ではなく直径1.3メートル以上ある大釜でスープを取るように変更します。大釜を使うことで対流が良くなり、焦げ付きがなくなります。そして開口が広いため、豚臭さもなくなります。神藤さんが目指していた、甘みのある理想のスープに近づけるようになったといいます。

袴田さんが考える「六角家」らしさとは


この20年で家系ラーメンはしょうゆ感の強いタイプが主流になっていますが、あくまでも袴田さんが考える「六角家」らしさとは、神藤さんが追求した、旨味がしっかりありながら、とんこつとしょう油のバランスが取れた“クラシックタイプ”です。
「春木屋理論ではないですが、時代とともにお客さまの舌は肥えてきていますので、ここまで追求してようやく『これが昔食べた六角家の味だ』と言ってもらえるラーメンになるのでは」と、袴田さん。
進化した「六角家」の家系ラーメンをぜひラー博で味わってください。

「あの銘店をもう一度」情報

期間:2022年7月1日〜約2年間(銘店シリーズ各店約3週間/94年組シリーズ各店約3カ月)
場所:新横浜ラーメン博物館
期間中出店数:約40店舗(現店舗除く)
“銘店シリーズ”第29弾:岩手「らーめんの千草」2024年3月6日〜4月7日
“94年組”第6弾:博多「一風堂1994」2月9日〜5月9日
“94年組”第7弾:横浜「六角家1994+」4月8日〜レギュラー店
この記事の執筆者:田辺 紫 プロフィール
神奈川県在住コピーライター。2001年2月より総合情報サイト「All About」で横浜ガイドを務める。2009年4月、第3回かながわ検定 横浜ライセンス1級取得。「横浜ウォッチャー」として、ブログ、SNSを運営。
(文:田辺 紫)

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