【副業インタビュー】副業で得られたさまざまな人とのつながり、挑戦する意欲~きものコンサルタント~

2021年4月14日(水)11時30分 BIGLOBE Style

こんにちは。BIGLOBE Style編集部の吉田です。ここ数年働き方が多様化する中、副業を解禁する企業が増えてきました。BIGLOBEでも副業が制度として認められています。
今回は、「きものコンサルタント」と「礼法講師」を副業とする大井篤子に話を聞いてみました。

Q1:普段の仕事について

広報グループ兼秘書グループに所属しています。
10年余り秘書業務を中心に担当してきましたが、ここ数年は新たに広報業務に携わっています。プレスリリースの企画から配信、取材対応、記者会見、分析業務など多岐にわたります。育児で時短勤務を利用させていただいておりますが、キャリアの幅を広げたいとチャレンジさせてくれた環境に感謝しています。

Q2:副業について

「きものコンサルタント」として、着物の着付け(夏祭りでの浴衣、成人式の振袖、卒業式の袴、ブライダルでの留袖、新郎新婦の衣装など)をしています。また、礼法を学んだことからブライダルではアテンダント(ご新婦様の着物の裾を扱ったり、所作をお教えしたり、移動のサポートなど身の回りのお世話)をさせていただいたこともあります。

今は、コロナ禍の影響で式典やブライダルが延期・中止を余儀なくされ着物を着る機会が減ってしまったことに加え、育児を優先しているので副業の活動は控えていますが、落ち着いたら再開したいと思っています。


コーポレート本部 総務部 広報グループ
大井 篤子(おおい あつこ)

Q3:副業を始めたきっかけや背景

何か習い事をはじめようと思って、軽い気持ちで通い始めた着物教室でしたが、良いお仲間に恵まれて、楽しく続けているうちに気が付けば…という感じです。はじめは無償で身近なところから、夫の母から会合に出席するので色留袖を着せて欲しい、友人から結婚式に列席するので振袖を着せて欲しいと頼まれたり、お稽古を兼ねて先生のお手伝いをさせていただいたりして、楽しみながらスキルを上げていました。そのうち、着物教室のお仲間や着付けの先生からのご紹介など、徐々に活動の場が広がっていき、趣味の枠を越えた感じです。当初は副業ということはまったく意識していなかったですね。

副業というと本業ですごいスキルを持っていて…というイメージがありましたが、私のように趣味の習い事から自然にというパターンもあるので、誰にでも副業の可能性というのはあるのではないでしょうか。

Q4:副業を始めるとき、不安はなかったですか?

趣味の延長という感じで、自然な流れで始まったので、不安はありませんでした。でも、いざはじまってみると、着物の着付けは人生の節目であったり、一生に一度の機会だったりと特別な1日のお手伝いをさせていただくということになります。やりがいと同時に、軽い気持ちではできないと責任の大きさを感じました。

Q5:周りの反応はいかがでしたか?

私の母は長年、音訳ボランティアをしていますが、社会的な活動の場が広がること、人や地域とのつながりができることは良いのではと、私の活動を見守ってくれています。

Q6:本業と副業、相互にどう生かしているか教えてください。

着物の着付けは、振袖なら20分、訪問着・留袖・袴なら15分など、時間内に完璧に美しく仕上げることが求められます。そのため、無駄な動きがないか、より美しい装いのためにもっと工夫できることはないかと、周りの先生方も常に研究をされています。時間という点では、手さばきをひとつ見直すことで〇秒短縮、後ろに回るのを1回減らすことで〇秒短縮と積み重ねていきます。プロセスという点では、例えば衿から合わせる場合、裾から合わせる場合と仕上がりと効率を研究することもあります。本業でもアイデアを出したり、業務の効率化や改善を検討することもありますので、そういったプロセスを見直したり創意工夫をしていくという点は相乗効果があると思っています。

Q7:副業で得られる経験や、副業のメリットや魅力とは。

私の場合は習い事、趣味がきっかけでしたが、趣味があることで生活に張り合いがでます。日常生活のリフレッシュにもなりますし。

また、本業では出会えない様々な人とのつながりができることは魅力のひとつです。交流のある着物の先生方は比較的年上の人生経験が豊富な方が多いので、家庭生活や子育てなどアドバイスをいただいたりすることもあり、多くを学ばせていただいています。

たまたま習い事のひとつがこのようなかたちになりましたが、本業で広報という新しいキャリアへ飛び込んだように、これからも興味のあることに挑戦し続けていきたいと意欲的になりました。
プライベートでは今は子育て中ですので、子供に関係することを学んで地域の子育支援などのお役にたてないかと考えています。

Q8:ある日の一日スケジュール

成人式の日のケースです。前日に荷物をお持ちいただき確認をします。小物の数も多いので全て必要な物が揃っているかチェックします。着物と長襦袢をたとう紙から出し、新調された場合はしつけ糸がついたままというケースもありますので、確認をして着る順番にハンガーに掛けておきます。小物も使う順番に上から並べて、補正用のタオルを使いやすい形にたたんで、紐類も取りやすいように準備しておきます。

当日は、お嬢様にとっては大切な1日です。流れ作業にならないように、お一人ずつおめでとうございますと笑顔で挨拶をし、苦しくないか声をかけながら、時間内に手際よく、着付けをしていきます。着付けの間に、お手洗いの際の着物の扱い方、階段の昇り降り、椅子に座る際など着物ならではの動きのポイントをお伝えしていきます。そして、着付けが終わり鏡で見ていただくと皆さんとても嬉しそうにしてくださいます。これからも折々に着物を着てくださいねーとお伝えすることで、日本の美しい着物の文化の継承に貢献できればと思います。

5〜10名程度(年度によって予約人数は変動します)担当させていただき、午前中の数時間で終了です。

Q9:新年度を迎え、役立つマナーなどを教えてください。

これから就職活動をする方は一般常識の問題を解いたり、就職された方は研修を受ける機会もあるかと思いますが、実際のシーンで迷うことはないでしょうか?

「席次」の実際について取り上げます。上座下座、順番などですね。基本を押さえたうえで、変更することもあり得るケースです。

・タクシーの席次では、一番偉い人が運転席の後ろになりますが、乗る時に奥まで進みにくいと思ったことありませんか?雨で傘を持っていたり荷物が多い場合、足の具合がよくない場合、スカートをお召の場合などドアから運転席の後ろまで進むのが大変なケースもあります。状況によっては乗る際に、上座は奥ですが・・・手前の方がよろしいかとお声がけしてもいいかもしれません。

・お部屋の席次では基本的に入口から遠い席が上座となりますが、プレゼンをメインで行う場合など状況によっては上座からモニターが見えづらいことがあります。そのような時は、上座の位置にとらわれずにモニターが見やすい席を上座としましょう・・・とお部屋の形状や設備にあわせてお声がけしてもいいかもしれません。

マナー研修を受けたけど、なんだか堅苦しくてという声もあります。現場に出てみて、研修通りに丁寧にできず戸惑ってしまうこともあります。私も新卒の時にマナー研修を受けましたが、たくさん迷うことがありました。たまたま着物を通じて礼法を学ぶきっかけができ、仕事では秘書業務を担当させていただくことになり、マナーについて考えたときに、「心のこもった立ち居振る舞いの正しい基本」を学ぶことはとても大切なことだと改めて思いました。相手を敬う気持ちとともに、正しい基本を知っているからこそ、自信を持って応用ができると思います。


Q10:今後の展望

「きものコンサルタント」、「礼法講師」の資格を取得し、着物での所作や立ち居振る舞いをお伝えする機会にも恵まれました。本業では秘書業務を長年経験しましたので、特に来客対応などのビジネスマナーについては、ライフワークとして考えていきたいと思っています。

マナーの基本や根底にあるものは変わりませんが、ビジネスを取り巻く環境は年々変化をしており、中には簡略化されていくものもあります。特にこの1年は新型コロナウイルス感染拡大により状況は大きく変わりました。今まで対面で行っていたものがオンラインになるといったように社内外とのコミュニケーションの方法も一変し、一方では文字で伝えるということが増えたりもしました。いかにその時々のビジネスシーンに落とし込んでいくか、この先もしっかりと適応していきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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