バイク名車列伝 第6回 カワサキ「GPZ900R」(ニンジャ)は今が狙い目? 状態良好な個体が豊富な理由

2024年4月19日(金)11時30分 マイナビニュース

トム・クルーズ主演の映画『トップガン』に登場し、世界にその名を知らしめたカワサキのバイク「GPZ900R」。「ニンジャ」の愛称でも知られるこのバイクの詳細を振り返るとともに、現在の市場価値や買取・販売状況などをバイク王で聞いてきた。
カワサキ初のオーバーナナハンモデル
1972年に世界デビューを果たした「900 Super4」(Z1)、その国内モデルである「750RS」(Z2)で大成功を収めたカワサキ。しかし、1970年台後半には、よりパワーが求められる馬力の時代が到来し、ライバルメーカーとの競争は熾烈さを増していった。
そうしたなか、Z1/Z2を超える新時代のフラッグシップとしてカワサキが1984年に発売したのが、「ニンジャ」のペットネームで知られるGPZ900Rだ。
注目はカワサキ初の水冷エンジンとなる908cc・水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒エンジン。空冷エンジンが限界を迎えつつあるなかで、馬力の時代にあって最大出力が115psとライバル車よりも低めに設定されていたこともあり、当初は不安視する向きもあった。
ところが、ゼロヨンで11秒台が出れば高性能とされていた時代にあって、海外で行われた発表会においてGPZ900Rは10.9秒を記録し、そうした声を払拭。これによりカワサキは、高い技術力を証明すると同時に、世界最速の称号を再び手中に収めることになった。
初代モデルのA1からA7までは海外モデルとして生産されたが、排気量の自主規制が撤廃された1991年のA8で待望の日本仕様が登場する。その後、排気ガス規制が厳しくなるなかでも生産は続けられたが、2002年のA12(1999年発表)を最後に国内モデルは姿を消し、海外モデルも2003年のA16をもって生産が終了した。
程度のいいカスタム車両の在庫が豊富?
デビューから20年にわたるロングセラーとなったGPZ900Rだけに、中古車両の取り引きも活発なようだ。バイク王茅ヶ崎絶版車館の岡本拓也さんによれば、年間の買い取り実績は100台を超えるという。
「A1などの海外モデルと比べれば、国内販売されていて比較的新しいA10(1993年発売)以降のモデルを買い取ることが多い印象ですね。販売についても年間20台を超えていて、ご成約率の高いバイクだと思います」(以下、カッコ内は岡本さん)
フルノーマル車こそ少ないものの、アフターパーツが豊富なこともあり、カスタムされたコンディションのいい買い取り車両が多いと岡本さん。それでいて、店頭販売価格は150万円〜とそこまで高騰していないのが現状だ。ただ、岡本さんによると、「今はまだこのくらいの価格ですが、今後は他のバイクのように価格が上がっていく可能性があります。そういう意味でも、今が狙い目の旧車ではないでしょうか」とのことだった。
コンディションの良好な車両が多いとのことだが、それでも20年以上前に生産を終了しているGPZ900R。性能を維持していくには、定期的なメンテナンスが必須だ。例えば、ディスクローターは熱を持つ部品ということもあって変形しやすいパーツだが、その交換タイミングは?
「ディスクローターは熱して冷やしてを繰り返すので、すり減って使用限度を迎えるというよりも、曲がってしまって交換になることが多いです。また、ディスクローターが錆びてしまった際には磨くこともあるかもしれませんが、厚く磨いたところと薄く磨いたところで段差ができてしまうと、ブレーキパッドの当たりが変わって効きが一定でなくなってしまったり、ブレーキパッド自体が変形して、極端に言えばブレーキが全く効かない状態になってしまったりする場合もあります。交換の際も、ブレーキパッドに比べてディスクローターの減りは少ないので、ブレーキパッドだけを交換されることが多いですが、できればブレーキパッドとディスクはセットで交換するのが理想です」
■Information
取材協力:バイク王茅ヶ崎絶版車館
【場所】神奈川県茅ヶ崎市下町屋1-10-26
【営業時間】10:00〜19:00
【定休日】水曜日
【備考】記載の情報は取材時のもの。車両の在庫状況や現車確認を希望の場合は0120-222-393まで要問い合わせ
安藤康之 あんどうやすゆき フリーライター/フォトグラファー。編集プロダクション、出版社勤務を経て2018年よりフリーでの活動を開始。クルマやバイク、競馬やグルメなどジャンルを問わず活動中。 この著者の記事一覧はこちら

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