会議で発言を求められたら、最初に言うべき<簡単なわりに強力な一言>とは…誰しも自分の持ち場で世の中に貢献しているという事実

2024年4月23日(火)6時30分 婦人公論.jp


会議の発言がこわくなくなる魔法のフレーズとは(写真提供:photoAC)

「口下手なのに成功する人はどこが違う?」「いつも自分の側で話が途切れてしまって……」等々、話し方に関する悩みは尽きません。一方、経営コンサルタントとして3万人以上の起業家を支援、全国で講演を続ける今井孝氏も「実は僕もそんなに上手に話せる方ではない」とのこと。口下手でもビジネスを成功させてきた今井さんが記した『誰でもできるのに9割の人が気づいていない、話し方・つながり方』からポイントを厳選してお伝えします。

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会議の内容がちんぷんかんぷん。どうやって発言するか?


「会議で発言できない」という悩みもキャラ設定で解決します。

例えば、営業部門の会議に参加して、「何の話かまったくわからない……」という技術部門の人の場合を想像してみてください。

ここで、「何か良いことを言わないと」と思うと、頭が真っ白になるでしょう。しかし、わからない会議で良いことは言えません。

そこで発言を求められた時は、最初に一言こう言えばいいのです。

「技術の人間としては」この枕詞があると自分のキャラ設定が明確になります。あとは自分の思ったこと、感じたこと、何を言っても大丈夫です。

「技術の人間としては、皆さんのお話は半分ぐらいしか理解できなかったのですが、
私たちの作ったものを一生懸命に営業してくださって本当に感謝しています」

「技術の人間としては、営業の話は難しかったのですが、皆さんが売りやすいものを 作るようにこれからも頑張ります」

このように自分の立場を明確にしてから発言すると、率直な感想を話すだけでも納得感がありますし、自信を持って発言できるでしょう。

初対面の人には「キャラ設定」を明確に


勉強会や交流会など、初めての場所に行った時も同じです。

感想を求められたらいいことを言おうとせずに、「初参加だったんですけれど」と一言添えて、あとは素直な気持ちを伝えれば問題ありません。

「初めてなので難しくてわからなかったんですけれど、これから勉強させていただきます」
「初参加でドキドキしたんですけれど、いい人ばっかりで安心しました」
このくらいで大丈夫です。むしろ、正直な感じがあって、好感を持たれるんじゃないでしょうか。

キャラ設定を明確にするということは、簡単なわりにこのぐらい強力なのです。

「格上の人と話す時に緊張してしまう」というケースでも同じです。例えば、会社の上司や社長、またはパーティで会った業界の有名人などに対して、「何を話せばいいかわからない」「気を使う」「緊張する」ということもあると思います。

この緊張も、自分が何者なのかを忘れているのが原因です。

会社を野球チームに置き換えてみる


私が新入社員の時、会社の役員と新入社員が交流する機会がありました。私も他の同期たちも、役員たちは雲の上の存在だと思い、緊張するし何を話していいかわかりませんでした。

その時、常務取締役の一人が、緊張する新入社員たちにこう言ってくれました。
「社長だからえらいわけではなくて、社長というのも単なる役割だよ」


社長も新入社員もただのポジションと捉える(写真提供:Photo AC)

そして、さらに野球を例にして「役割」について説明してくれました。野球では、4番バッターはたくさんのホームランを打つヒーローかもしれません。しかし、そんな強打者だけでは野球はできません。

1番バッターは「出塁する」、2番バッターは「バントでランナーを2塁に送る」など、それぞれの打順のバッターに役割があります。

全員がそれぞれの役割を果たすことで試合が成り立つのです。4番バッターがえらくて他はえらくないなんてことはないのです。

それぞれ役割が 違うだけで、誰もが重要な存在なのです。

会社の役職も同じです。新入社員はまず仕事を覚え、先輩の手伝いをするのが大事な役割です。上司も、役員も、社長も、それぞれの役割を果たしています。それによって、会社全体が動いていくのです。

そういう意味では、社長から新入社員まですべての人が対等で、同じ目的に向かっているチームなのです。

私はこの話を聞いてから、格上の人に対して雲の上の人という意識が消えて、話しやすくなりました。

「自分は何者でもない」と思う人へ


交流会やパーティで格上のいわゆる「すごい人」に会って緊張する時も、自分のキャラ設定を忘れている時です。

つまり「何者でもない」という自己認識なので、相手に萎縮してしまうのです。

しかし、そんなはずはありません。

誰しも、自分の持ち場で世の中に貢献しているはずです。

大きな会社を経営する役割の人もいるし、周りの人のサポートをする役割の人もいる。
地域に貢献する役割の人もいます。それぞれが、それぞれの役割を持っています。

比較してどちらがすごいということではなく、どの役割も大切なのです。

自分を「大事な友達だったら?」と考えてみる


そんなことを言われても、やはり他人と比べて
「自分なんて大したことがない」
「自分は何者でもない」
「もっと大きな役割じゃなければダメだ」と思う人もいるかもしれません。

そんなふうに感じる時は、「自分の友達だったら?」と考えてみてください。

地味だけれど大変な仕事をしていたり、親の介護をやっていたりする友達には、
「頑張っているよね」と声をかけてあげたくなると思います。

きっと、その友達が果たしている役割が大したことない、なんて思わないはずです。
だから、自分に対しても、同じように考えてみてください。自分の担っている役割を認めて、「頑張っているね」「大事な仕事をしているね」と自分自身に言ってあげてください。

自分に言いにくいのであれば、私があなたに言います。

あなたは重要な仕事をしています!あなたがいるから世界は成り立っています!

※本稿は『誰でもできるのに9割の人が気づいていない、話し方・つながり方』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。

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