転職回数やキャリアの空白、企業は気にする? 調査で考え方のギャップが明かされる

2024年4月23日(火)9時24分 マイナビニュース

パーソルキャリアは4月8日から、賛同企業とともに"はたらく"について、みんなでさまざまな角度から考える参加型のクイズ企画「はたらクイズ」プロジェクトを始動した。
特設サイトには、"はたらく"に関するクイズ100個が公開されているが、これは全国の仕事に従事する20歳〜77歳の男女3,070人を対象にしたアンケートで浮かびあがってきた疑問や悩みをクイズにしたものだ。※調査期間は3月1〜10日
今回は、その100種類のクイズの中から、特に「転職」をテーマにした内容をピックアップ。パーソルキャリア 執行役員 森 宏記氏のコメントを交えながら紹介していく。
森氏によると、「はたらクイズ」実施にあたって行った事前調査では、「転職」というテーマにおいて、"はたらく個人"が気にしているポイントと、"企業が採用時に重視しているポイント"にはギャップがあることがわかったという。両者にどのようなギャップがあったのだろうか。
○Q.転職回数って気にする?
1位:あまり気にしない(36.0%)
2位:どちらかと言えば気にする(35.1%)
3位:全く気にしない(22.0%)
4位:とても気にする(6.9%)
転職回数について尋ねたところ、最も多い回答は「あまり気にしない」(36.0%)だった。「全く気にしない」(22.0%)と合わせると、仕事に従事する約6割が「転職回数は気にしない」と答えている。
○キャリアにブランクがあるっていけないこと?
1位:あまりそう思わない(48.3%)
2位:そう思わない(23.8%)
3位:どちらかと言えばそう思う(23.1%)
4位:そう思う(4.8%)
「キャリアにブランクがあるのはいけないことか」という設問に対しては、仕事に従事する約7割が「あまりそう思わない/そう思わない」と回答。働く側は「転職回数」や「キャリアブランク」についてマイナスな印象を抱いていないことがわかった。
一方、雇用する側としてはどうなのだろうか。「企業は、自社で長く活躍してほしいという期待感から転職回数やキャリアブランクを気にする傾向がある」と森氏は語る。
そのため採用担当者は面接時、「なぜ転職をしたのか」「キャリアブランクがあった期間に何をしていたか」については、必ずと言っていいほど質問するという。
現在、はたらく上で転職という選択肢が当たり前となりつつある。また、キャリアに対する価値観も多様化していく中、企業は本当の意味で長く活躍してほしいために、「今後どんなキャリアを築いていきたいのか」「そのためにこれまでどんなキャリアを歩み、どんなことに取り組んできたのか」に、より重点を置いていると森氏。
「転職を希望するなら、自分のキャリアは自分で決めるという姿勢がより大切になるでしょう」
○Q.辞めた会社に出戻りするってかっこ悪い?
1位:あまりそう思わない(37.7%)
2位:どちらかと言えばそう思う(25.9%)
3位:そう思わない(23.4%)
4位:そう思う(13.1%)
離職・退職した人材を再び雇用するアルムナイ採用が注目されている。転職のひとつの選択肢として考える人も増えているためか、約6割が「(出戻りを)かっこ悪いと思わない/あまり思わない」と回答した。
しかし出戻り転職は、円満退職でなかった場合、企業側にネガティブな印象が残っている可能性もある。雇用条件も退職前と同じになるとは限らず、給料が下がってしまうケースもあるという。収入が下がる転職については、皆はどう考えているのだろうか。
○Q.年収が下がる転職ってどう思う?
1位:どちらかと言えば良くないと思う(48.5%)
2位:どちらかと言えば良いと思う(25.6%)
3位:良くないと思う(16.5%)
4位:良いと思う(9.4%)
年収が下がる転職について尋ねたところ、約7割が「あまりよくない」という印象を持っていることがわかった。
森氏によると、転職時の提示年収は引き上げの傾向が見られるが、企業は既存社員との給与バランスを重視せざるを得ないというのが本音だと言う。
「今後ますます労働人口が減り、はたらくを取り巻く環境も目まぐるしく変化する中で、ビジネスを推進するためには、給与体系の見直しや賃上げなどを実施し、市場価値に見合った給与を支払うことがより求められます。そのため、転職時における提示年収も増加していくでしょう」と推測し、「年収を上げたいのであれば、例えば副業を通して専門分野を極めるなどし、自らの市場価値を高めていくことが重要です。これが実現できれば、転職者、企業の両者にとってWin-Winな状況になるのはないでしょうか」と分析する。
○Q.転職ってリスクが高いの?
1位:どちらかと言えばそう思う(44.0%)
2位:あまりそう思わない(30.5%)
3位:そう思う(15.5%)
4位:そう思わない(10.0%)
はたらく側にとって転職はリスクが伴うものなのだろうか。「転職はリスクが高いと思うか」という設問に対して、約6割が「どちらかと言えばそう思う/そう思う」と答えている。
「今回のアンケートでは、転職する側と雇用する企業との間には、ギャップがあることもわかりました。だからこそ"転職はリスクが高い"と感じる人が多く、転職者の割合は横ばいの状態が続いているのでしょう」と森氏。
転職希望者と企業との考え方のギャップを埋め、双方が納得する形の転職にするためにはどうしたらよいのだろうか。それについて森氏は「転職希望者も企業も、自らについて積極的に情報を開示するなどして、ギャップを埋める努力をしていくことが、お互いにとって納得感のある「はたらく」につながると考えます」とコメントしている。

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