名車と暮らせば~「ゴルフⅡ」との悲喜こもごも~ 第2回 名車「ゴルフⅡ」(1990年式)に乗るため、どんな整備を行ったのか

2024年5月20日(月)11時30分 マイナビニュース

前回から本連載の主役となった「ゴルフⅡ GLi」が納車となったのは2024年3月末のこと。納車の前にはキチンと走るための基本整備のほか、スピニングガレージによる提案や筆者の希望を取り入れた“おすすめ”作業を実施してもらった。今回はその模様をお伝えしたい。
→メルセデス・ベンツ「W124」との日々を振り返る
エクステリアで整備した部分は?
まずはエクステリアから。ゴルフⅡの丸型2灯式ヘッドライトは通常であればH4のハロゲンバルブなのだけれども、そのままでは少し暗いのでLEDタイプに変更した。こちらでも車検は通ると聞いたのも大きかった。おすすめされたのは「CRUIZE」社製のもの。発光色は5000K(昼光色)と3000K(電球色)のどちらかから選べた。クラシックなモデルなので、迷わずイエローの方を選択(2006年以降のクルマは車検で不合格になるらしい)。GTIなどの4灯式だと全て同じ色にする必要があるのだが、2灯式なので費用も抑えられた(交換工賃を含めて約3万円)。
シルバー部分が剥がれていたリアのVWマークとGOLF GLiのエンブレムは新品に交換。フロントグリルには当時の定番である金属製の「JAF」バッジを、リアハッチにはドイツ車であることを示す「D」のビークルアイデンティティマグネットシートLサイズを取り付けた。
昔のクルマに乗るならインテリアの整備を入念に!
3速ATの大きなT字型シフトレバーが鎮座するインテリアでは、まず、ひび割れたダッシュボードを隠す(?)ため、オリジナルのダッシュマット(1万2,650円)を装着。ダッシュの全面張り替えとなると20万円ほどかかるらしい。
オーディオは前オーナーが取り付けていたKENWOOD「U330」から、筆者のこだわりでW124にも装着していたナカミチ「CD500」をネットで手に入れて(約4万円)換装。背後のAUX端子にBluetooth受信機を取り付けて、iPhoneの音楽やラジオを聴けるようにした。CD500のイルミネーションカラーは変更が可能で、当時のクルマに合わせたデフォルトのアンバー系からゴルフの照明に合わせたグリーンに変えている。
1990年式GLiは前後4スピーカー仕様。この個体はリアスピーカーのみKICKER社(米国)製の「CSC46」に変更されていた。せっかくなので、フロントスピーカーも同じ会社のコアキシャルタイプ「CS350」を取り付けることにしたのだが、取り外したノーマルスピーカーはなんとドイツの「ISOPHON」(イソフォン)社製。34年間も音を鳴らし続けたのは同社の特徴である紙のユニットだ。背面には純正パーツであることを示すVWマークと「MADE IN TUNISIA」の文字がはっきりと読み取れて、当時の“舶来品”(死語?)らしさが感じられた。
車内の音源であるiPhoneのホルダーとして、オーディオの横にある空きスイッチ部分に「belkin」社製のマグネティックワイヤレス・カーチャージャー「BoostCharge」を加工して取り付けた。MagSafeによりワンタッチでQi充電や再生ができて便利だ。このスイッチ部には、リアのデフォッガの他にアンテナの伸縮ボタンがついている。「radiko」を使わずにラジオを聴くときには、このボタンを押せばボンネット左側からロッドアンテナがスルスルと伸びていって電波を受信する仕組みになっている。
ナビについては①スマホのGoogleマップ、②最近流行りのディスプレイオーディオ、③馴染みのポータブルナビという3つの選択肢があった。本命だったディスプレイイオーディオは、フローティングタイプで1DINサイズに対応するもの(ビッグDA、9インチで10万円前後)がアルパインから出ていて、厚木にある直営店まで行って確認してみたのだが、「ひょっとしたら取り付けられないことがあるかも」との返事をもらったのでヤメにすることに。結局、今までも使っていて画面操作などに慣れているパナソニックの7インチポータブルナビ「ゴリラCN-G1500VD」(約5万円)に決めた。あとになってパイオニアからも同様のものが出ていることに気がついたのだが、時すでに遅し。何かのタイミングで検討してみたい。
ゴルフⅡはダッシュボードの上面が高い位置にあるため、ナビを正面ぎみの位置に取り付けると視界が遮られてしまうので、一段低い助手席側に近い場所に設置した。目的地に近くなったときには視線移動が少ない場所にあるスマホのGoogleマップを立ち上げればいいので、普段使いには問題なさそうだ。
車体を含め、全部でいくらかかった?
そんなこんなで、やって来ました! 待望の納車日。この日は若いカップルが購入した多摩ナンバーのCiが最初に“納車式”に臨んだ。クルマは紺ボディに左ハン、三角窓付きの初期型モデルで、小林則夫工場長から丁寧なインストラクションを受けたのち(古いクルマなので、とにかく丁寧に扱うこと! というのがメインのようだ)、その場にいるスタッフとともに全員がクルマの周りを囲んで記念撮影。カメラマンは中西メカの担当だ。
それが終わってから、ついに我がGLiの記念撮影に。田中代表や整備を担当してくれた小磯メカなどがそろう。和気あいあいの雰囲気は最高だ。長男と共に乗って来たW124との記念撮影も行った。1980年代後半から1990年代前半という同じ時期に登場したドイツの高級車と大衆車との対比が面白い。スピニングガレージ周辺は畑が広がる静かな農村地域なので、そこで初試乗。ブルブルとした乗り心地と走りの感覚は当時の雰囲気のままで、懐かしくてとてもいい。
契約書を見ると、車両本体価格168万9,262円、納車整備代40万8,738円、追加整備代37万6,640円などで、支払い総額は251万8,800円となっていた。
原アキラ はらあきら 1983年、某通信社写真部に入社。カメラマン、デスクを経験後、デジタル部門で自動車を担当。週1本、年間50本の試乗記を約5年間執筆。現在フリーで各メディアに記事を発表中。試乗会、発表会に関わらず、自ら写真を撮影することを信条とする。 この著者の記事一覧はこちら

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