60周年の「味ぽん」が高校生のアイデアで進化? - ミツカンが『第10回マイナビキャリア甲子園』に参画した想い

2024年5月23日(木)9時0分 マイナビニュース

企業・団体が出題するテーマに対して、高校生チームが課題解決に挑むアイデアコンテスト『第10回マイナビキャリア甲子園』が開催された。今大会には、過去最多となる1万人以上が参加。Innovation部門では、ミツカンを代表して出場した「若何せん」チーム(鷗友学園女子高等学校)が審査員特別賞を獲得した。
企業の担当者は、どのような思いで高校生たちの活躍を見守ったのだろうか? マイナビキャリア甲子園に協賛する、ミツカンの担当者にコンテストの裏側について聞いてみた。
○■コンテストに参画した理由
話を聞いたのは、ミツカン マーケティング本部 マーケティング企画1部 調味料2課の小又美智さん。普段の業務では、味ぽんなど「ぽん酢商品」のマーケティングを行っている。マイナビキャリア甲子園では、高校生たちに寄り添ってさまざまなサポートを行った。
——マイナビキャリア甲子園に参画した理由について教えてください。
ミツカンの看板商品、味ぽんは今年60周年を迎えます。ここから先、更に10年、20年とお客様に愛される商品であるためには、世の中の変化を捉えながら”味ぽんにできることは何か”を探っていく必要があります。そこで高校生の皆さんにも、今後10年の食の変化を一緒に考えていただこうと思い、『第10回マイナビキャリア甲子園』に参加しました。
○■テーマに込めた想い
——今年、ミツカンが設定したテーマは『今後10年の日本における食の変化を予測し、生活を豊かにする「味ぽん」ならではの新ビジネスを提案せよ』でした。このテーマには、どんな想いを込めましたか?
過去10年で、私たちを取り巻く環境は大きく変化しています。少子高齢化、働き方の多様化など、社会全体に大きな構造変化が起こるとともに、直近では新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて日々の生活も大きく変化しました。
「食」についても同様です。日本の「食」は過去10年で、その在り方、人々の意識が変化しています。おそらくこの先の10年も、社会変化に合わせて日本の「食」がさらに変化していくことでしょう。
「味ぽん」ブランドは1964年の発売から今日まで、環境変化を捉えながらメニューや使い方、品質や容器形態などを変化させて世の中に提唱することで、長く日本の「食」に寄り添って来ました。もうすぐ60周年を迎えようとしている「味ぽん」ブランドが、次の10年で世の中にご提案するべきことは? 消費者の生活を豊かにする新しい事業について、若い世代からの提案を期待しました。
——キャリア甲子園、そして高校生に期待していたことは?
今回、テーマの中に含まれている「生活を豊かに」の「豊か」はミツカンでは定義せず、高校生の皆さんに自由に定義してもらいました。一言で「豊か」といっても物理的な豊かさ、精神的な豊かさ、色々あります。
たとえば”誰にとっての豊かさか”を考えることも、大切なことです。誰かにとっての豊かさにつながるのであれば、味ぽんのフレーバーを変える、などの挑戦的なアイデアもあり得るでしょう。
やはり時代の変化をどう仮説立てしていくか、が重要になるのではと予想していました。色々な立場の人の話を聞きながら、楽しんで未来を想像してほしかった。高校生の皆さん自身が楽しみながら考えてくれたアイデアは、私たちにも伝わってきます。予測できない未来の変化をワクワクしながら考えてもらった、そんな素敵なアイデアを期待しました。
——実際に参画してみて、いかがでしたか?
実際に参画してみて、高校生たちの熱意と創造力が想像していたよりもずっと素晴らしく、感銘を受けました。若い世代の提案には、私たちの想像を超える斬新なアイデアも多くて、非常に刺激的でした。学生たちが真剣に取り組む姿勢、プロジェクトに対して情熱を持って進んでいく様は、まさに『甲子園』という名が示す通りで、それらを肌で感じることで私たちも改めて仕事に対する責任、情熱を再確認した次第です。
○■どのようにアイデアを磨いた?
——高校生とは、どのようにアイデアをブラッシュアップしていきましたか?
高校生たちとは週1、2回程度、彼らの放課後の時間帯にミーティングを行いました。何度もディスカッションを重ね、フィードバックを繰り返してアイデアを磨いていきました。私たちの経験や知識を共有し、あるときは当社とつながりのある生産者様をつなぎ、彼らの問題課題を理解する手助けをしました。ミツカンとしては、学生たちが自信を持ってアイデアを進化させられるように意識しました。
——高校生とのやり取りの中で、印象的だったエピソードがあれば教えてください。
特に印象に残っているのは、決勝大会前に新宿で貸会議室を借りて行ったプレゼンリハーサルです。その際、彼女らが仕上げてきた資料を再度、組み立て直す必要が生じました。一度立ち止まり、考え直している内に、時間は過ぎ……。結局、6時間も缶詰で議論を続けました。その過程でさらに良いアイデアも生まれ、最終的に素晴らしいプレゼンを完成させることができました。彼女らの柔軟性と粘り強さには非常に感心しました。
○■コンテストを振り返って
——コンテストを終えて今、どのように総評しますか。
コンテストを終えて、改めて若い世代のパワーを実感しました。彼女らの斬新なアイデアや情熱は、私たちにとっても大きな刺激となり、新しい視点を得る貴重な機会となりました。また彼女らとの交流を通じて、私たち自身の業務に対する新たなインスピレーションを得ることもできました。これからも未来を見据えた商品開発を続け、幅広い世代の皆さんとともに成長し続ける企業でありたいと思います。
近藤謙太郎 こんどうけんたろう 1977年生まれ、早稲田大学卒業。出版社勤務を経て、フリーランスとして独立。通信業界やデジタル業界を中心に活動しており、最近はスポーツ分野やヘルスケア分野にも出没するように。日本各地、遠方の取材も大好き。趣味はカメラ、旅行、楽器の演奏など。動画の撮影と編集も楽しくなってきた。 この著者の記事一覧はこちら

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