サインを見逃さないで!ほてりやホットフラッシュはホルモンバランス乱れのサイン

2023年6月29日(木)20時20分 ココカラネクスト

「最近、急に顔がほてって汗がたくさん出るようになった」
「常にのぼせている感覚があり、些細なことでもイライラしやすくなった」

このようなお悩みをお持ちの人は、もしかすると「ホットフラッシュ」とよばれる更年期症状が生じているかもしれません。

更年期症状は、閉経期(閉経の平均年齢は50.5歳 )(※1)の前後合わせて10年間に生じるといわれており、自律神経失調症状と精神症状が相互に関係しあって起こると考えられます。

そこで今回は、ホットフラッシュの症状とメカニズム、効果的な漢方薬をご紹介します。

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1. そのほてり感はホットフラッシュかも?

ホットフラッシュの「のぼせ・ほてり・発汗」といった症状には個人差があります。

自分の気になっている症状が、ホットフラッシュによるものなのか否かをチェックして、原因を理解していきましょう。

1‐1. ホットフラッシュの症状

ホットフラッシュの症状は、個人差があり多様であるため、「調子が悪いだけ」と軽く済ませる人もいれば、「何かの病気ではないのか」と重く捉えて悩む人もいるようです。

自分の症状が「更年期」によって生じているものなのかを理解することで、対策することができるでしょう。以下に、ホットフラッシュの症状の特徴を示します。

<ホットフラッシュの症状>
・突然のぼせて顔が熱くなる
・ほてりや発汗が顔から始まり、頭や胸に広がる
・顔は熱いが、手足や腰が冷える
・熱感と発汗が2〜4分間持続し、ときに動悸が起こる
・気温と関係なく、急に汗が出る
・夜中に大量の汗をかく

このような症状に当てはまる人は、「更年期」のホルモンバランスが原因と考えられます。

ホットフラッシュの症状があらわれるメカニズムを理解したうえで、自分に合ったセルフケアや漢方薬をみつけていきましょう。
(※2)(※3)

1‐2. 更年期のホルモンバランスが原因

更年期に起こるホットフラッシュは、ホルモンバランスの乱れが原因と考えられています。

20〜30代でピークを迎える女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)が、40代に入ったころから急激に低下し始め、自律神経の失調につながるため、ホットフラッシュの症状が起きるといわれているのです。

女性ホルモンは、脳(視床下部)の指令により卵巣から分泌されていますが、更年期には卵巣の形態が変化して機能が低下するため、卵巣からうまく女性ホルモンが分泌できなくなります。

そうすると、視床下部からのホルモンが過剰に分泌されてしまうのです。視床下部は、ホルモンだけでなく自律神経をコントロールする役割も担っているため、ホルモンバランスが乱れると自律神経にも影響が出てしまいます。

自律神経は、血圧や体温、発汗などをコントロールしているため、自律神経が乱れるとこれらの調節がうまくいかなくなり、ホットフラッシュの症状につながると考えられているのです。
(※4)

2. ほてりやホットフラッシュは漢方で改善

「最近、やたらのぼせてイライラする」
「食事や運動は気遣っているのに、顔がほてって下半身が冷えやすい」

このようなホットフラッシュの症状には、ホルモン補充療法のような西洋医学的治療もできますが、漢方を活用するのもおすすめです。

漢方は、からだ全体のバランスを整えてくれ、更年期のさまざまな症状の改善を得意としています。そのため、婦人科での治療でも、自然由来の薬として多く使われているのです。

さらに、内側からの体質改善を目指すことで、「イライラする」「痩せにくくなった」など、ホットフラッシュ以外の不調にもアプローチすることができます。
(※5)

2‐1. 漢方のはたらき
漢方の観点からみると、ホットフラッシュは「腎」と「肝」に関係すると考えられます。

「腎」のはたらきは加齢とともに低下して、女性ホルモンの分泌に影響します。

また、「肝」は自律神経と関係するため、何かしらの要因で肝が乱れると、血(けつ)の巡りが悪くなってのぼせなどの熱感がより一層出やすくなるのです。

漢方薬は、「腎」や「肝」の機能を高めるようはたらきかけ、血の巡りや自律神経を整えることで、症状を改善していきます。

2‐2. 漢方を活用するメリット
漢方薬を使うメリットは、単にホットフラッシュの症状を緩和するだけではありません。

漢方薬は生殖機能の低下を抑え、自律神経のバランスを整えて血流をよくすることで、不調が出にくい体質へと導いてくれます。

「腎」の機能を高めることで、からだに潤いを与えて余分な熱をとることができます。

一方、「肝」のはたらきを整えることで、自律神経が整って水や血の流れがスムーズになり、のぼせや発汗だけでなく、イライラや冷え、肩凝りといった不調にも効果が期待できます。

自分に合った漢方薬を選び、のぼせやほてり、発汗などの更年期症状が出にくいからだをつくりましょう。

3. ほてりやホットフラッシュを改善する漢方薬はどれ?

更年期症状の「冷えのぼせ」「ほてり」「発汗過多」などの症状に効果があるとされる漢方薬は、いくつもあります。

自律神経の乱れや血の滞りは、更年期症状以外の婦人科系疾患や、肌荒れなどの皮膚症状、さらにはアレルギーの原因となることも。

以下に、ホットフラッシュにおすすめの漢方薬をご紹介します。

<ホットフラッシュにおすすめの漢方薬 >
・加味逍遙散(かみしょうようさん):肩凝りやイライラを生じやすい方
血の生成や巡りを整えるほか、自律神経の乱れやホルモンバランスを整えます。ホルモンバランスの乱れによる冷えのぼせやメンタル不調に多く用いられます。

・抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ):ストレスの発散がうまくできず、緊張すると腹痛や頭痛が起こりやすい方
からだの上へ昇った気を静め、自律神経を整えます。また、血の巡りを改善し頭痛にも効果が期待できます。さらに、胃腸を整えるはたらきもあるため、胃腸の弱い方でも服用しやすい漢方薬です。

・柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):強い不安感やイライラ、不眠が伴う方
乱れた自律神経のバランスを整えつつ、からだにこもった熱を冷まして、精神を安定させ、のぼせのほか動悸などを改善します。
(※6)

以上、3つの漢方薬をご紹介しましたが、大切なのは、選んだ漢方薬が自分に合っているか否かということです。

自分の今の状態に合っていない場合は、効果が出ないばかりでなく、副作用が生じることもあります。そのため、購入の際には漢方に精通した医師、薬剤師への相談をおすすめします。

不調を手軽に改善したい方におすすめなのが、「あんしん漢方」のようなAIを活用した新しい漢方相談サービスです。

●あんしん漢方

4. ホットフラッシュが出にくいからだづくりで、快適な暮らしを目指そう

ほてりや冷えのぼせ、頭からの発汗過多といった症状を引き起こす「ホットフラッシュ」。

症状の出やすさに個人差があるのはなぜか。それは、閉経前までの生活習慣が関係しています。

日頃から、規則的な食生活や運動習慣、ストレス緩和などに気をつけていれば、出てくる更年期症状もひどくないはず。しかし、このような丁寧な生活を続けることはなかなか難しいでしょう。

漢方薬は、日々変動するからだをサポートするので、ホットフラッシュの症状が出にくいからだを目指すことができます。

自分に合った漢方薬やセルフケアを見つけて、ホットフラッシュなどの不調が出にくいからだづくりをしていきましょう。

(※1)公益社団法人日本産婦人科医会「更年期障害について教えて下さい。」

(※2)公益社団法人日本産科婦人科学会「更年期障害」

(※3)アリナミン製薬株式会社 ルビーナ「ホットフラッシュ(ほてり・のぼせ・発汗等)」

(※4)朝日新聞Reライフ.net「ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり・発汗)」女性の更年期によくある症状とは?

(※5)漢方専門 後楽堂薬局「ホットフラッシュと漢方について」

(※6)Kracie「更年期障害の症状におすすめの漢方薬とは?更年期の症状を楽に、笑顔で過ごそう」

[文:あんしん漢方]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 杉岡 弥幸

薬剤師。北里大学で生薬学を学び、卒業後は大手漢方専門店にて漢方薬剤師として勤務。現在は、自身のダイエット経験や健康に関する知識を活かして、漢方や養生による体質改善方法をWeb等で発信。

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