「貧乏だから遠足にイモしか持っていけなかった私。クラスメイトから隠れていたら担任の先生が後ろから...」(福岡県・60代男性)

2023年7月12日(水)11時0分 Jタウンネット

シリーズ読者投稿〜忘れられない「あの人」と〜 投稿者:Yさん(福岡県・60代男性)

Yさんは9人兄弟の5男で、子供の頃は貧しい暮らしを送っていたという。

小学校低学年の時、遠足があった。しかし、彼は行きたくなくて......。

<Yさんの体験談>

私の田舎は鹿児島の離島・奄美大島で、貧乏子だくさんの9人兄弟の5男坊として産まれました。

洋服はもちろん継ぎ当てだらけのお下がり。おやつはさつまいも、ご飯は麦ご飯でした。

弁当は「イモ」、おやつは無しで恥ずかしく...

小学校の低学年の時、遠足がありました。弁当もおやつもなく、行きたくありませんでした。

そしたら担任のF先生に呼ばれ、「明日の遠足には必ず来るんだよ」と言われたのです。

渋々参加しましたが、もちろん弁当はおイモ、おやつなし。弁当の時間になると、恥ずかしかったので一人だけグループから離れて見えないところに隠れて座っていました。

すると、後ろからF先生に肩をたたかれました。そして、声をかけてくれたのです。

「この弁当とおやつを食べなさい」

手渡されたのは、F先生の妻の手作り弁当と、食べた事のないおかしが包まれた風呂敷でした。嬉しくて、嬉しくて涙が溢れて止まりませんでした。

高学年の時、父の仕事の都合で近郊に転校することになりました。それからはF先生とは一度もお会いしていません。

あれから50数年経ち、私も60歳を超えました。しかし何年経ってもあの弁当の味と美味しかったおやつの味は忘れたことがありません。

田舎を離れて40年になります。再来年、中学校の同窓会があるので帰省予定です。

先生のお墓を訪ねてお線香をあげに伺いたいと思います。F先生、あの時は本当に本当にありがとうございました。

誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!

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