「顔も見たくない!」悪化した夫婦仲、改善しようとして失敗する人の共通点

2023年7月22日(土)6時0分 JBpress

 夫婦生活は円満。

 一点の曇りもなく、そんなふうに言える家庭はどのくらいいるのでしょうか。

 結婚をして、ちょっとずつズレていく二人の関係は、少しずつ変化し、悩みを抱える人も多いようです。

 長年夫婦カウンセリングを行っているLifeDesignLaboの安東秀海さんは2000組の夫婦と対話をしてきました。

 その理由はさまざまですが、圧倒的に「関係の修復」を望んでいるそうです。

 では、どうやったら関係修復は実現するのか?

 そのヒントが綴られた新刊『夫は、妻は、わかってない。』(安東秀海・著)の「はじめに」を特別公開します。

 夫は、妻は、わかってない。「はじめに」

「なぜ、夫婦の問題はこんなにも改善が難しいのでしょうか?」

 夫婦関係を専門とするカウンセリングオフィスを開業してからこれまで、私は約2000組のご夫婦と夫婦関係の改善をテーマにお話をしてきました。

 ご相談のテーマとなるのは、浮気や不倫、セックスレスから、コミュニケーションの改善まで多岐に渡りますが、その中で幾度となく耳にしてきたのが冒頭の言葉です。

 夫婦の問題は改善が難しい。

 確かに、それは決して簡単な道筋ではありません。けれど、実情以上に難しく感じている方が多いのではないかとも感じています。

 では、なぜ夫婦の問題を改善するのがこんなにも難しく感じられるのか?

 それは、目の前の「問題」に覆いかぶされて、本当の「問題」が見えにくくなっているからかもしれません。

「顔も見たくない」

「話す度にうんざり」

「喧嘩ばかりで傷つけ合ってしまう」

 夫婦カウンセリングでは、問題となっていることを「コミュニケーション」「価値観」「感情」の3つの領域に分類し、どこにより大きな問題が潜んでいるのかを探りながら最適な取り組み方を探っていきます。

 すると、コミュニケーション不足だと感じていた背景に価値観の違いがあったり、価値観の違いだと諦めていたすれ違いが実は感情のわだかまりのせいだったり。

 絡み合って複雑に見えていた問題が整理されることで問題との向き合い方が見えてきます。


適切なプロセスを踏めば解決策は見えてくる

 それでも夫婦の問題に取り組むのは簡単なことではありませんが、適切なプロセスを理解できていれば、それはあなたが感じるほど困難なことではないのかもしれません。

 いっぽう、夫婦カウンセリングと言うと、日本ではまだまだ馴染みの薄いものです。

 取り組み方はあるのに、それに出会うことがないまま関係改善や夫婦関係そのものを諦めてしまうご夫婦の方が圧倒的に多いのかもしれません。それが残念で、少しでも夫婦カウンセリングの実態や取り組みについて知ってもらう機会があれば、と模索していた時に、夫婦カウンセリングを書籍化する今回の企画をいただきました。

 本書では、公開を前提に夫婦関係のご相談を募り、実際のカウンセリングを通して夫婦の間に起こる問題の扱い方、取り組み方について見つめています。

 ご相談の中には不倫やセックスレスなど、生々しい夫婦の問題も含まれていますから、場合によってはご自身の経験が呼び覚まされたり、不快に感じられるケースもあるかもしれません。

 それでも、同じ悩みを持つ人たちの役に立てば、とお話いただいたご相談者のお気持ちに応えるべく、カウンセリングの内容はできる限りライブ感を留められるように工夫をしました。

 事例の中には痛みの強いご相談もありますが、いずれのケースでも、その問題に隠れた「本当の問題」を見つけることで、より良い関係、よりよい人生への道筋を探っていこうと試みています。

 カウンセラーの受け応えはもちろん、勇気を持って痛みや問題と向き合うご夫婦の姿にも、ぜひ着目して見ていただければと思います。

 また、本書ではご相談事例の紹介だけでなく、問題の見つめ方と整理の仕方、改善に向けた取り組み方、心の痛みの扱い方など、実際のカウンセリングの流れに沿って解説も加えています。

 もし今、夫婦間の問題で悩まれている方は、ご自身の状況と照らし合わせていただくことで、問題解決のヒントになったり、参考になるケースもあるかもしれません。

 運命の相手と信じ、育んできた関係を見放す前に、本書が夫婦関係の問題に取組まれるきっかけになり、おふたりのより良い関係への道筋になればこんな嬉しいことはありません。

安東秀海

筆者:シンクロナス編集部

JBpress

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