「休職中に一人で訪れた九州旅行。街灯の無い1本道を歩いていたら、見知らぬ車がそばに止まって...」(大阪府・30代男性)
2023年8月4日(金)11時8分 Jタウンネット
シリーズ読者投稿〜あの時、あなたに出会えなければ〜 投稿者:Sさん(大阪府・30代男性)
Sさんは旅先で最終バスを目指して、街頭の無い一本道を走っていた。
すると、傍に1台の車が止まり、中から女性が声をかけてきたという。彼女は、その日のお昼に出会っていた人物で......。
<Sさんの体験談>
メンタルの事情で休職していた時期があり、復帰が決まった時のことです。
会社で社長と部長と面談したあと、「少し頭を整理したいので、復帰まで一人旅に行ってきます」と伝え、何も考えずに九州に行きました。
行先も決めず、青春18きっぷで九州を放浪。私は岐路に立っていました。
バス停まで徒歩20分、最終便の発車は30分後
別府、熊本、長崎。どの方面へも行ける駅に着いたのです。
そこで、Instagramを使って意見を募集したところ、会社の社長からまさかのコメントが。「熊本おすすめ」と書かれていたので、熊本へ向かいました。
熊本に到着した後、駅の案内所の方に「きれいな海を見たい!」とリクエストするとすすめられたのが「三角駅」。
ひとまずそこを目指して歩いていると、途中で海の見えるカフェを発見し、美味しい海鮮丼を食べました。
その後は三角西港まで1時間ほど歩き、観光を終えて駅に戻ってきて、次の目的地を「天草」に決めたのですが、ここでハプニング発生! 乗らなければならないバスの停留所が駅から歩いて20分の場所で、しかもあと30分ほどで最終便が来てしまうと聞かされ、私は停留所の方向だけを聞いて走りました。
街灯もない一本道を進んで昼間に寄ったカフェの近所を歩いていた時、1台の車がそばに停車。運転手が声を掛けてきたのです。
「あのー、お昼うちのお店で食べて下さった方じゃないですか?」
運転手は昼間のカフェの店員さんだったのです。その方は天草の「さんぱーる」という大きな道の駅まで送って下さると言ってくれました。
「私の分まで誰かを助けてあげて下さい」
車の中ではお互いの軽い身の上話をし、降りる時にお礼を渡そうとしたのですが
「関西に帰られたとき、私の分まで誰かを助けてあげて下さい。それで充分です」
と言って、彼女は去っていきました。
その後、関西へ戻る時にフェリーを使ったのですが、早朝に降りた大阪フェリーターミナルで20代の男の子たちが駅で迷っていました。
聞けば「福岡から観光で来て難波に行きたい」との事だったので、私は彼らに「方向同じだから」と嘘をついて難波に送り届けたあと帰宅しました。
彼女との約束を守れたか分かりません。ただ、一生忘れない出来事です。
後日、この出来事をInstagramに投稿すると、三角で立ち寄ったカフェの店長さんが見て下さり、今回の一件をあの時の彼女に伝えて下さったそうです。改めて、ネットの凄さと彼女の優しさにとても感動しました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
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