幼児の「自分でやる」「手伝って」はどこまで付き合うべき? 上手な親は子どもを“勘違い”させられる!?
2021年10月3日(日)6時0分 マイナビ子育て
朝の忙しい時間に子どもの身支度が遅くてイライラ……。こんな経験はありませんか? イライラせずに子どもも親もおだやかな気持ちで1日をスタートできる方法があったら知りたいですよね!
良かれと思って発した自分の声かけが、子どもに響いていないと感じたことはありませんか? 『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』(天野ひかり著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)では、親と子どもの視点の違いについてを4コマ漫画でわかりやすく解説されています。
第2回の今回は、第一章 子どもの視点に立ってみる言葉より「忙しい朝に「自分で着る!」と言い張る子ども。見守るべき?」をお届けします。
忙しい朝に「自分で着る!」と 言い張る子ども。見守るべき?
どうしたら朝の着替えがスムーズになる?
朝の忙しい時間に、なかなか支度をしてくれないとイライラしてしまいますね。
まずはNGマンガを見てみましょう。
マンガ:とげとげ。『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』(天野ひかり著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)より
まだうまく着替えられないのに、「自分で着る!」と言い張る日もあれば、「やってえ〜」と甘える日もありますよね。
親としては、自分で着替えができるようになってほしいので、甘えてきたときに手伝ったほうがいいのか? それともやらせるべきか? 悩みますね。
親は、「着替えを100%手伝う」か「自分で100%やらせるか」の二者択一になりがちです。
大切なのは、着替えができるかどうかよりも、「自分で着替えができた!」と本人が思うことです。
ですからポイントは、子どもの邪魔をしないようにサポートすることなのです。
OKマンガを見てみましょう。
マンガ:とげとげ。『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』(天野ひかり著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)より
自分でできた!と勘違いさせてあげて
OKマンガを見て、「結局、親が手伝ってるじゃん」と思うかもしれません。
でもNGとOKには大きな違いがあるのです。
それは、子どもが「自分でできた」と思えているかどうか。子ども自身が、自分はできたと思うことで、自己肯定感が育ち、これから1人でもっとできるようになっていきます。
「ちょっと遠回りでは?」と思いましたか。でも、着替えに失敗して親が直すよりも、かなり時短になりますよ。何よりすごいのは、イライラせずに家族みんなが自分はすごい!と思って1日をスタートできること。怒らずに済むので、精神的にもラクになります。
では、年齢的にも成長して、もう1人で着替えられるはずなのに、「手伝って」と甘えられたらどうすべきでしょう?
これは、どうぞ手伝ってあげてください。
きっとお子さんの中で何か理由があって、甘えたいときなのだと思います。その甘えに親が応えてくれたと思うことで元気を取り戻し、自分でできるようになりますよ。
また「子どもがセンス悪い組み合わせを着たがったときどうする?」といった相談もよくあります。
お子さんのその主張、認めてあげてください。
でも「すごいオシャレな組み合わせね」と思ってもいないことを言って、ほめる必要はなく、「へえ、自分で選ぶなんてすごいね」ぐらいでいいでしょう。家にある服なので、そんなとんでもないものもないと思いますし、天才は一般人とは違う発想から生まれるものだから……と楽しめるぐらいがちょうどいいですね。
なかなか着替えが進まないときは、お子さんが着たくなるような工夫をしてみるのもおすすめです。ママ好みの服ばかりでなく、子どもの好きなキャラクターや絵柄を一緒に選んだり、はめやすい大きめのボタンのついた服にしたり、左右合わせるとクマの顔になるような靴下にしてみるなど、着替えを楽しい時間にしましょう。
それでもなかなか着替えが進まない場合は、お母さんお父さんの着替えについて相談してみると効果があります。
親「ママのこのシャツには、どっちのスカートがいいと思う?」
子「こっち!」
親「ありがとう! あなたも一緒にお着替えしよう!」
子どもは、親と一緒に同じことをするのが大好きですが、親の役に立つことはもっと好きなのです。うれしくなってやる気が出ます。さっさと着替えをするようになるでしょう。
手伝うか手伝わない(全か無)かよりも、 さりげなくサポートしよう
(著:天野ひかり『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より一部抜粋/マイナビ子育て編集部)