家→学校の距離2,000km、5,800円の消しゴム…小学生の“困った状況”に、先生がした「ご家庭へのお願い」

2021年10月6日(水)7時0分 マイナビ子育て

小学校に入学すると、いよいよ本格的に始まるお勉強! うちの子、学校の授業にちゃんとついていけるかしら……などと、不安を感じている保護者も多いのでは? 特に積み上げ学習が大事な“算数”は子どもに嫌いになってほしくないですよね!

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今回は、東証一部上場企業の飲食チェーンの店長経験もある現役小学校教諭・坂本良晶さんの著書『親子で知りたい 小学校最強ライフハック70』(KADOKAWA)より、✅ 得意不得意が出やすい“算数”✅ 我が子を“算数嫌い”にしない為に家庭でできることについての解説をお届けします。

算数:好きな教科・嫌いな教科 ランキング1位のW受賞

※写真はイメージです

算数は、国語とならんで学校教育の双璧のひとつです。おもしろいことに、小学生の好きな教科ランキング1位は算数。同時に、嫌いな教科ランキングでも1位を獲得しているのです。

学研教育総合研究所の調査によると、このダブル受賞は7年連続の快挙(?)だとか。算数って、できる・できないが明確になりますね。その分、できたときの気持ちよさは、なんとなくわかると思います。江戸時代には『塵劫記』という算数の問題集がベストセラーになりましたし、「大豆田とわ子と三人の元夫」(関西テレビ)という人気ドラマでは主人公の趣味が数学の問題解きでした。得意な人には一種のエンタメになりうる教科なのです。

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しかしながら、苦手な子どもからすればただの苦行ともなりうるのも、また算数。しかも算数は極めて系統だっているため、積み上げが命の学習です。たとえば九九がわからないと、面積が求められません。かけ算・わり算の筆算につまずくと、速さや割合といった難解な単元では解きようがなくなります。これらは中学高校での数学にもつながるので、一度つまずいたら苦行は何年も続くことになります。

もし詳しい流れに興味があったら、「新学習指導要領における算数・数学内容系統一覧表」を検索して目を通してみてください。ひとつひとつの単元に、どのような重要性があるかがわかってくると思います。

わが子が算数嫌いにならないために、家庭でできることについてこの後のページから考えていきたいと思います。

料理や買い物で「量感」をつける

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私が教員としていつも保護者の方にお願いするのは、「日常生活の中で量感をつけてください」というものです。量感とは、「2㎞とはこれくらいの距離だ」「500㎖とはこんな量だ」ということをイメージできる感覚です。

この感覚がある程度育っていないと、子どもたちはとんでもない答えを平気で書いてきます。学校から家までの距離を2000㎞と書いたり(遠いな!)、水筒の容量が3㎖だったり(少なっ!)、消しゴムが5800円だったり(ブランド品!?)します。この答えで笑えるのは量感があるからであり、それがない子どもには何がおかしいのかわかりません。

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量感をつけるためには、家庭での数字にまつわる体験を積むことが大切。数字の物差しを、子どもに持たせてあげましょう。とくにおすすめなのは、料理です。本格的な料理でなくとも、ホットケーキづくり程度で十分です。パッケージのレシピを見てそのとおりにするだけで、½カップ、500㎖、3分といったかさや時間の感覚、分数や小数などの数の仕組みに慣れ親しむことができます。

また、一緒に買い物するのもよいでしょう。来年小1になるわが子とは、よくコンビニのお菓子コーナーに行っています。お菓子を選ばせて、値札を読ませて、財布から必要なお金を選び取り、実際にレジで買わせています。最初は2桁までしか読めませんでしたが、今では132円を読めて、財布から100円玉と10円玉3枚と1円玉2枚を取ることができるように。まだ怪しいですが……。

ぜひ、料理や買い物を通じて子どもの量感を育ててあげてください。算数の大切な土台をつくることができます。

※本記事は、『親子で知りたい 小学校最強ライフハック70』(著:坂本良晶、KADOKAWA刊)より抜粋・再編集して作成しました。

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