日本初上陸! 映画『パラサイト』で大ヒットした韓国麺「チャパグリ」のカップ麺を食べてみた

2020年10月11日(日)10時50分 食楽web


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「『パラサイト』に出てきた“チャパグリ”のカップ麺がファミマで買えるよ」との情報が、ある日、知人からもたらされました。パラサイトとは、言わずと知れた第92回アカデミー賞4冠の韓国映画『パラサイト 半地下の家族』。そしてチャパグリとは、劇中に登場したインスタント麺のことです。

「チャパグリ」とはどんな麺料理かというと、韓国の定番インスタント袋麺「チャパゲティ」と「ノグリラーメン」という2つの別の麺をかけ合わせて作る、いわばアレンジレシピ。もともとは韓国のバラエティ番組で生まれたレシピで、そこに世界的ヒット作『パラサイト』での露出も加わり、真似して作る人が続出することになりました。

 これを受けて、韓国の食品会社「農心」が、今年(2020年)4月、カップ麺の「チャパグリ」を韓国で発売。最近になって、日本にも上陸したというわけです。韓国映画と韓国のインスタント麺をこよなく愛する者としては見逃すわけにはいかない、というわけで、さっそく近所のファミマに向かいました。しかしありません。別のファミマも数軒回りましたが、一向に置いていないのです。

「あれだけの大ヒット作だから、もう売り切れたのかも……」と知人に言うと、「コリアンタウン・新大久保の近くのファミマにはたくさん売っている」とのことで、わざわざ私の分も買ってきてくれました。もらった「チャパグリ」をさっそく食べてみましたので、ご紹介したいと思います。

韓国ノワール風に食べてみた


「チャパグリ」239円・税抜

 そもそも筆者が韓国のインスタント麺を好きになったきっかけは、韓国映画の影響。とくに暴力的なシーンの多いノワール系に登場する、例えば刑事や探偵、殺し屋、ヤクザや売春宿の社長、出所したばかりの前科者などが、“黒い汁なしの麺”、すなわち「チャジャンミョン」(韓国風ジャージャー麺)を食べるシーンがしばしば登場するのです。


フタを開けたら、中の粉末スープと調味油の袋を取り出して、熱湯を注いで4分。湯切りして、粉末スープと調味油を入れてかき混ぜるだけ

 そしてポイントは、誰一人として美味しそうに食べない、という点です。雑にグルグルとかき混ぜ、「味などどうでもいい」といった感じで真っ黒な麺をズルズルと音を立てて食べるのが常。箸で持ち上げた麺を一瞥すらしません。

 そうなると、逆にその雑に扱われる麺の味が観る者にとっては気になるわけです。もっと言えば、やたらとその麺が美味しそうに見えてくるのです。


蓋を開けると、粉末調味料と調味油、そして具材が入った麺が入っています

 そこで今回は、手に入れた「チャパグリ」のカップ麺を、韓国ノワールの作法にならい、なるべく無感情に食べてみることにします。まずはフタをペリペリではなくベリッと一気にはがし、熱湯を麺がそこそこ隠れればいいか、という具合に適当に注ぎます。とにかく雑にやります。


熱湯を内側の線のところまで注ぐのが推奨されています

 ここで、「書いてあるとおりきちんと作ろう」とか、「出来上がりが楽しみ」とか、生真面目で前向きなことは一切考えません。麺に興味などない。このスタンスを死守します。

 できれば映画の登場人物のように「犯行当日のアリバイ」や「シリアルキラーの悲しい生い立ち」など、麺とは関係ないことを考えます。すると4分を過ぎてしまうかもしれませんが、それはそれでいいのです。そろそろいいか、というところでザバッと湯切りします。


ノグリラーメンに入っているたぬきのナルトや昆布が「チャパグリ」にも入っています

 そして粉末スープと調味油の2つの小袋。これも、ちまちまと開けてはいけません。韓国ノワール的なマナーとしては、ワイルドに歯で噛みちぎって投入です。多少、カップの外に飛び散ってしまうのもOKです。

 いよいよ麺をかき混ぜます。この時も気だるく、やる気なくグルグルと混ぜます。すべてキレイに混ざったかどうか怪しい。そのあたりで、一気に麺を口に運びます。「チャパゲティ」の独特の香ばしさでむせそうになりますが、「ノグリラーメン」ほど辛くはありません。全体的にマイルドで丸みのある味わいという印象。


印象的には「チャパゲティ」の味を強く感じますが、「ノグリラーメン」の海鮮風味も感じます

 麺は、袋麺よりはやや細めですが、もっちりしていて噛みごたえもあります。そしてノグリの海鮮風味もきちんと感じます。『パラサイト』で美人妻が一心不乱に食べていたのも納得です。美人妻は金持ちなので高級牛肉をトッピングしていましたが、筆者はキムチを入れたいなぁと思いました。

 ところで、麺を少し味わったところで、必ず鳴るのがスマホです。これも韓国映画ではお決まりのパターンで、第2の殺人事件が発生するのです。だから主人公は「チャパグリ」を食べ終わらないうちに箸を捨てて飛び出していくのです。「ああ、もったいない。あの残った黒い麺はどうなるの? というかどんな味だったんだろ」と気になる視聴者はきっと多いはず。これが、韓国のインスタント麺をより魅力的に見せている要素な気がします。

 というわけで、日本初上陸の「チャパグリ」カップ麺。韓国映画風に食べる必要はまったくありませんが、できれば韓国ドラマや韓国映画を観ながら、キムチと一緒に食べると、より美味しく味わえると思いますよ。

(撮影・文◎土原亜子)

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