【専門医監修】不眠と生活習慣病の知られざる「負のスパイラル」 対策には「良眠みそ汁」がおすすめ!

2022年10月14日(金)10時45分 ココカラネクスト

 10月に入って朝晩が涼しくなり、肌寒く感じる日も増えてきました。

秋は気温が下がり、眠るときもクーラーが不要になるため、睡眠の問題は少ないと思われがちですが、秋冬は日照時間が短く外出や運動をする機会が減るため、「不眠」に注意が必要です。

さらに今年は、酷暑による身体へのダメージが回復しないまま、厳しい寒さ、急激な気温変化による自律神経の乱れなどで、不眠傾向になりやすいと考えられます。

睡眠問題に詳しい坪田聡医師は、睡眠問題を発端に生活習慣病を誘発する可能性や生活習慣病が原因で不眠に陥るといった「負のスパイラル」があることを指摘し、不眠対策の重要性を呼び掛けています。

本記事では、「みそでHappyを伝える」株式会社ミソド(本社:神奈川県横浜市、代表取締役:藤本智子)が、「不眠」「生活習慣病」という生活課題を解消するため、睡眠の専門医、管理栄養士、料理研究家の監修のもと開発した「良眠みそ汁」レシピをご紹介します。ぜひ、ご家庭の食卓で試してみて下さい。

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加齢とコロナで不眠の懸念が高まっている

ミソドが50−60代の男女800名に実施した調査で、「現在睡眠に課題や懸念を感じているか」聞いたところ、 「感じている」 「やや感じている」 と回答した人が合わせて54%と全体の半数を超えていることが分かりました。

さらに、「加齢とともに睡眠に課題/懸念を実感しているか」という質問には5割以上の人が 「加齢とともに課題として感じている」 「やや感じている」 と回答しています。

また、「コロナ禍の2 年を経て睡眠に課題/懸念が増えたか」という質問には4割弱の人が「感じている」「やや感じている」と回答しました。

元来、不眠になりやすいと言われるミドルシニア世代ですが、コロナ禍においてさらに不眠の懸念が増しているようです。

またコロナ禍で睡眠への懸念が強まった人の中では、その原因について6割以上の人が「運動不足」、過半数の人が「自身の健康状況によるストレス」と考えていることも分かりました。

生活習慣病についても加齢とコロナ禍で懸念が強まる傾向

さらに、ミソドが行った調査によると、ミドルシニア世代の6割近くの人が加齢とともに生活習慣病(糖尿病、高血圧症、脂質異常症)への懸念を感じており、4割以上の人がコロナ禍の2年間でその懸念が増えたと回答しています。

[医師監修] 不眠と生活習慣病の知られざる「負のスパイラル」対策には「みそ汁」がおすすめ

坪田 聡(雨晴クリニック院長、日本睡眠学会所属医師)

睡眠専門医、医学博士。日本睡眠学会所属。医師として診療に当たるうちに、睡眠障害がほかの病気の発症や経過に深く関係していることに気づき、高齢者を中心に睡眠障害の治療を開始。その後、治療から予防に重点をシフトし、「快眠で健康な生活を送ろう」というコンセプトのもと、睡眠の質を向上させるための指導や普及に尽力。著書『専門医が教える毎日ぐっすり眠れる5つの習慣』(三笠書房)、『睡眠は50歳から「老化」する』 、『朝の「二度寝」でストレスが消える!』など多数。

睡眠専門医の坪田聡さんは、ミドルシニアの不眠は生活習慣病に繋がるだけではなく、生活習慣病が原因で不眠に陥るといった「負のスパイラル」の存在を指摘しています。

「睡眠不足の人は食欲を抑えるホルモンであるレプチン分泌が減少し、逆に食欲を高めるホルモンであるグレリン分泌が増加します。ついつい食べ過ぎてしまうことで肥満に繋がり、糖尿病、高血圧、脂質異常症など「生活習慣病」に繋がります。更に、慢性的な不眠症患者は、血糖値を上昇させる糖質コルチコイドが過剰に分泌され糖尿病のリスクが1.5~2倍ほど増加するとされます。

一方で大阪市立大学の研究によると糖尿病患者では、そうでない人に比べて不眠が約2倍みられます。このように生活習慣病と不眠は相互に影響し合い、どちらかを発症してしまうと負のスパイラルに陥るリスクがあるのです。」 と坪田医師は語っています。

こうした「負のスパイラル」に歯止めをかけ、不眠・生活習慣病の両方に働きかけるのが具沢山の「みそ汁」です。

●メラトニンの生成に必要な栄養成分をまとめて摂取できる「みそ汁」は不眠の予防におすすめ
味噌には睡眠ホルモンのメラトニンの素となる栄養成分の「トリプトファン」が豊富に含まれるほか、様々な具材を入れることで、食材に含まれる栄養素をいっぺんに摂取できます。また、汁物なので食材から流れ出た栄養素を余すことなく摂取できます。これらの理由から、みそ汁は不眠対策、生活習慣病の対策にうってつけです。

●不眠対策のおみそ汁は「朝夕で食べる」のが理想的
さらに、不眠対策としては朝・夕の1日2回おみそ汁を食べることが理想的。「トリプトファン」は14時間前後でメラトニンに変化するため、朝食でみそ汁を食べると夜までに十分な量のメラトニンが生成され睡眠の質を高めることに繋がります。さらに、人間の身体は体温が上がる時に目覚め、下がってくると眠くなる仕組みのため、秋冬の夕飯にいただく温かいみそ汁によって上がった体温が手足から放熱され自然な入眠に繋がります。

[管理栄養士監修] 不眠・生活習慣病対策に期待できる「みそ汁」の3つのポイント

篠原 絵里佳(管理栄養士・日本睡眠改善協議会認定 睡眠改善インストラクター)

総合病院、腎臓・内科クリニックを経て独立。チーム医療に邁進する中で睡眠の重要性に気づき、睡眠改善インストラクター、睡眠健康指導士を取得。食事と睡眠の観点から健康と美容にアプローチする「睡食健美」を提唱している。

管理栄養士で睡眠インストラクターの篠原さんは「不眠のみならず生活習慣病の改善に繋がるみそ汁はまさにマルチヘルシーフードです」と語り、みそ汁が不眠・生活習慣病に向けて、効果が期待できることを教えてくれました。

1.メラトニンの生成に欠かせない栄養成分を「みそ汁」なら、まるごと摂取できる
メラトニンの生成に必須のトリプトファンは体内では生成できないため、食事から摂る必要があります。トリプトファンは太陽の光を浴びて適度な運動をすることによってセロトニンに変わり、さらに夜になると眠気を促す睡眠ホルモンのメラトニンに変化します。そのため、味噌をはじめとして豆腐、チーズ、卵、里芋、黒ゴマ、アボカドなどは、トリプトファンが豊富な食材から毎日摂取することが推奨されます。

2.メラトニンの生成をブーストする栄養成分をまとめて摂取
メラトニンの生成にはトリプトファンのほかに鉄分、ビタミンB6、ナイアシンが必要です。カツオ、牛肉、あさり、豆腐、厚揚げ、ほうれん草などには鉄分が豊富で、ささみ、鮭、にんにく、大根(葉)、アボカドなどはビタミンB6が多く含まれています。カツオ、ささみ、鶏むね肉、まいたけにはナイアシンが豊富です。特に更年期世代の女性は鉄分が不足する傾向があり、積極的に摂取してほしいです。色々な食材を組み合わせることで毎日飽きないですし、みそ汁なら汁に流れた栄養もまるごと摂取できます。

3. 大豆製品は血糖値を正常に保つため、生活習慣病の対策にもおすすめ
味噌などの大豆製品に含まれるたんぱく質がアディポネクチンと呼ばれるホルモンの合成を促すことで血糖値を正常に保ち、糖尿病の発症を予防する効果が期待できます。また、大豆にはコレステロールを低下させる成分が含まれており脂質異常症の予防に繋がる可能性があります。さらに1日1杯程度の味噌汁のある食生活が血管年齢を10歳程度改善する傾向があるとする研究結果もあります。

このように、「みそ汁」はメラトニンの生成に欠かせない栄養素を摂取できるだけでなく、血糖値を正常に保つため、不眠・生活習慣病におすすめだと篠原さんは言います。

家計にやさしく、時短・簡単な「良眠みそ汁」レシピ

今回ご紹介するレシピは、睡眠の専門医と管理栄養士が選んだ不眠の対策にぴったりな食材を使っているだけではなく、これからの秋に旬を迎える戻りガツオやさつまいもは、季節感を感じられ作る楽しみ・食べる楽しみを増してくれます。10分以内で作れる時短・簡単なレシピなので、この秋に不眠対策にぴったりな「良眠みそ汁」をぜひ取り入れてみてください。

戻りガツオとひらひら根菜の良眠みそ汁

材料(2人分)
戻りガツオの刺身 4切れ(80g)
大根 50g
人参 50g
ごぼう 30g
水 400ml
酒 小さじ2
和風顆粒だし 小さじ2/3
味噌 大さじ1
おろししょうが お好み

▼作り方
① 大根と人参はピーラーでリボン状に薄く切る。ごぼうは皮を軽くこそげ、ピーラーでリボン状に薄切りにし、水にさらして水けを切る。
② 鍋に①の野菜と水、酒、和風顆粒だしを入れて火にかける。
③ 野菜に火が通ったら、戻りガツオを加えてひと煮する。
④ 味噌を溶き入れ、器に盛り、お好みでおろししょうがを乗せる。

根菜の彩り良眠みそ汁

材料(2人分)
さつまいも 100g
大根 50g
人参 50g
さつま揚げ 2枚
水 400ml
和風顆粒だし 小さじ2/3
味噌 大さじ1

▼作り方
① さつまいもは1cm幅のいちょう切り、大根、人参は薄いいちょう切り、さつま揚げは薄切りにする。
② 耐熱ボウルに①と水、和風顆粒だしを入れる。ふんわりとラップをかけ、600W の電子レンジで7分加熱する。
③ 味噌を溶き入れ、器に盛る。

島本 美由紀(料理研究家)

料理研究家。手軽に作れる美味しいレシピを考案。TV・新聞・雑誌などのメディア出演、講演会など幅広く活躍。レシピ本など著書多数。さらに料理だけにとどまらず、家事全般のラク(楽しくカンタン)を追求する「ラク家事アドバイザー」、「食品ロス削減アドバイザー」、「冷蔵庫収納&食品保存アドバイザー」としても活動。

 その他の「良眠みそ汁」レシピはミソドのホームページからご覧になれます。

株式会社ミソド https://miso-press.jp/recipe/17702/

[レシピ提供:株式会社ミソド]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません

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