名古屋のうなぎは“肝入り”が最高! 3時間待ちの行列店『うな富士』の「肝入ひつまぶし」を食べたら旨すぎて昇天しかけた

2022年10月23日(日)10時50分 食楽web


“名古屋めし”といえばやっぱりひつまぶし | 食楽web

 数多い“名古屋めし”の中でも、ちょっと贅沢な「ひつまぶし」。ご存じのように、うな重やうな丼とはスタイルが異なり、おひつに入ったご飯の上に、うなぎの蒲焼が切り分けた状態で“まぶし載っている”のが特徴です。食べ方も独特で、しゃもじでお茶碗によそってそのまま味わい、さらに薬味をのせたり、お出汁やお茶をかけてお茶漬けのように味変して楽しみます。

 東京にも何軒かひつまぶしを出すお店があって、筆者も何度か食べたことがありますが、先日、名古屋に行く機会があり、初めて本場のひつまぶしを堪能。「今まで食べてきたひつまぶしは何だったんだ…」と思ってしまうほどの段違いの美味しさに、完全にハートをつかまれてしまいました。

 そのお店が、ミシュランにも掲載され、朝から3時間待ちの行列ができると噂の名店『炭焼 うな富士』です。名古屋に4店舗を構えていますが、今回は昭和区にある本店に行ってきたので、その全貌をご紹介したいと思います。

いざ噂の『うな富士』に入店!


1995年創業。25年目でミシュランに掲載された名店

 名店と名高いお店なので、さぞや高級なうなぎ屋なんだろうな、と少し身構えて訪店したのですが、本店はごく普通の街のうなぎ屋さんといった庶民的な雰囲気でホッとしました。

 入店し、さっそく注文します。メニューは事前に決めていました。というのも、今回この店を薦めてくれたのは名古屋在住の食べ歩きマニアの知人で、初めて『うな富士』に行くなら、絶対に「肝入ひつまぶし」を食すべし! と厳命されていたからです。

 うなぎの肝といえば、お酒のアテの串焼きや肝吸いに入っていることはありますが、うな富士では、うな丼やひつまぶしに肝が入っているというのです。どんなふうに調理されていて、どんな味なのか気になります。楽しみ!


ひつまぶしだけでなく、うな丼や長焼(いわゆる蒲焼き)や白焼などもあります

 メニューで確認すると「肝入」は、うなぎ丼もひつまぶしもすべて“限定”。これは肝の数に限りがあるからですね。そして、肝入ひつまぶしは、「上」(6160円)と「特上」(6710円)があり、その違いは店員さんによれば「特上は蒲焼きの量が多い」とのこと。今回は「上」を注文しましたが、結果から言えば、「上」でも蒲焼きがおひつ全面にたっぷりとまぶされていて、十分お腹いっぱいになれる量でした。

肝入りひつまぶしの味わいやいかに?


『炭焼 うな富士』の「肝入上ひつまぶし」(限定)6160円

 そんなわけで、ワクワクしながら待っていると、ドーンとひつまぶしが運ばれてきました! ビジュアルからしてすでに美味しさが伝わってきます。蒲焼きの照り、ふっくらした厚み、そしてふわっと漂うタレとうなぎの香り…。そしてなんと言っても宝石のように輝く肝! ずっとこのまま眺めていたいくらい神々しい!


大きなお櫃にカットされた蒲焼きと肝が敷き詰められている!

 店員さんに食べ方を教えていただくと、「おひつの中のひつまぶしにしゃもじを十文字に入れて4等分に分けてください。1/4をお茶碗によそって、1膳目はそのままお召し上がりください。2膳目は薬味(ネギやわさび)をのせて味を変えて、3膳目はお出汁をかけてうな茶漬けにして、最後は一番お好きな方法でお召し上がりください」とのこと。

 普段は人の言うことをあまり聞かない筆者も、このひつまぶしを目の前にしたら、「了解であります!」と、鬼教官を前にした純粋無垢な新兵のように従順に従いたくなるのが不思議です。

 言われるがままに静かにしゃもじをおひつに挿し込み、うなぎの身を崩さないよう注意しつつ、4等分。緊張でプルプルと手が震えます。ケーキカットならぬ、ひつまぶしカット。テンションが上がります。


おひつの中のひつまぶしを十文字にして4等分に

 いざ最初の1膳目を茶碗によそってひと口。その時点でもう感無量です。「ウマっ!」としか言いようがありません。関西風に蒸さずに焼き上げたうなぎは、適度に身が締まって脂の乗りも最高。炭火の香りをまとっていて、旨味だけがギュギュッと閉じ込められているかのよう。噛めば噛むほど、その旨味たっぷりの脂が口でほどけていきます。

 そしてやや固めに炊かれたごはんの粒立ちも完璧で、そのごはんに染み込んだタレがまた美味しいこと! キレがあるのに丸みも感じるコク深さで、甘すぎず辛すぎず、絶妙な味わいのタレです。

 そして、楽しみにしていた肝心要の「肝」をいただきます。こちらも香ばしくタレで焼き上げられています。噛めばプリッと弾け、ほんのりとした苦味と甘味が怒涛のように口中を席巻します。う、ウマすぎる! ご飯とうなぎの合間に肝をかじる…。なんと贅沢な時間でしょうか。「時よ止まれ!」と心の中で願わずにはいられません。


1膳目はそのままいただきます。もうこの時点で美味しすぎるんですが…

 あっという間に1/4を平らげ、いざ2膳目へ。今度はワサビとネギを添えていただきます。口に運べば、さらなる幸福の絶頂へ到達しました。ワサビがめちゃくちゃ合います。大げさですが、ワサビはこのひつまぶしのために存在するのでは? と思えるほど。永遠にお腹いっぱいになることなく、ひたすらこのひつまぶしを食べていたい…!

 そして3膳目。いよいよひつまぶしの最大の見せ場である“うな茶漬け”の儀式に移ります。


お出汁を注いでうな茶漬けに。ちなみに薬味のネギやワサビはおかわり自由

 濃厚な旨味をたたえたうなぎ、そしてキレのよい上品なタレ、そして粒立ちのよいごはんを、お出汁で一体化。これが美味しくないわけがない…。これをワサビでキリリと引き締めていただくとさらに旨味が際立ち、これまた至極の味わいです。

 いよいよ最後の4膳目です。「最後はお好きな食べ方で」と言われていましたが、筆者は迷わず1膳目と同じように、「そのまま食べる」を選択。これは無限ループしたい気持ちの表れ。フードファイターのような強靭な胃袋があれば、「おかわり!」と叫びたいところですが、いかんせんお腹いっぱい。ごちそうさまでした。ものすごく美味しかった!

 そんなわけで、うなぎの激戦区といわれる名古屋でも人気の『うな富士』の「肝入ひつまぶし」は本当に絶品。ちなみに、東京・有楽町にも支店ができたそうなので、東京住みの人は一度行ってみてください。めちゃくちゃ美味しいですよ。

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

店名:炭焼 うな富士 本店

住:愛知県名古屋市昭和区白金1-1-4 プレザント白金 1階
TEL:052-881-0067(予約がおすすめ)
営:11:00〜14:00、17:00〜20:00
休:不定休

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