宇都宮の有名餃子店「正嗣」の行列に並んだら2時間かかったけど一片の悔いもなかった
2023年11月25日（土）14時30分 ロケットニュース24
いきなりだが、皆さんは行列にどれくらい並んだことがあるだろうか。1時間くらいならわりとあるかもしれないが、その倍の2時間となるとハードルが上がる人は多いに違いない。
例に漏れず、私もせいぜい1時間ほどが限界──だった。なぜ過去形なのかというと、先日自己記録を更新したから。宇都宮の有名餃子「正嗣（まさし）」を現地で食べようとしたら2時間も待つことになったのだ。しかしながら、タイトルにもあるように悔いはゼロ！
・夕方すぎの時間帯ですでに閉店
当編集部の餃子マニアであるGO羽鳥と私にとって、正嗣は価値観を変えてくれた餃子だ。冷凍餃子の通販ながら最初に食べた衝撃は今もしっかりと覚えており、こんなにもウマい餃子があるのかと感動したものである。
んで、その正嗣が生まれた宇都宮を訪れたならば、絶対に店舗で食べたいと思っていた。いわゆる聖地巡礼的な感覚に近く、我々にとっては通らなければいけない道だったわけだ。
ただ、今思えば正直ナメていたと言わざるをえない部分もある。なぜなら、店舗情報をググったらなくなり次第閉店と書かれているも、「まぁ大丈夫でしょ」と高を括っていた我々がいたのである。
現に、17時すぎに宇都宮へ到着しても有名店の「香蘭」や「みんみん」はバリバリ営業中。いくら正嗣といえどもやっているだろうと信じて疑わなかった。しかし、スマホを頼りに歩くこと20分ほど。正嗣 宮島店の看板を見つけて駆け寄ると……
普通に閉店していた
正嗣はお酒を出さないしご飯も提供していない。餃子オンリーなことは知っていたが、夕方で閉店している姿は貫禄さえ感じる光景だった。てことで仕切り直し。翌日のランチ前からリベンジすることにした。
・2時間待ちの行列
翌日、我々は予定していた通りにお昼前から正嗣へと攻め込んだ。ランチの12時前だし、きっとそう待つことなく入れるはず。
……と思いきや！
そこで待っていたのは……
大行列だった
休みの日だったとはいえ、これは想定外の並びである。その数、ざっと40人オーバー……!!
我々は覚悟を決めて最後方へ。店員さんの「最後尾の方は2時間ほど待つことになります。店内じゃなくてテイクアウトなら早く召し上がれます」というアナウンスにマジで2時間かかるのかなと震えながらも待ち続けた。
ポツリポツリと列から抜けてテイクアウトに切り替える人がいれば、行列から動かない人も多数。ここまで来たらやはり店内で食べたいし、そんな気持ちになっているのは我々だけじゃないらしい。
・2時間の行列が報われた
そしていよいよ我々の番が近づいてきた。待った時間の方はキッチリ2時間。店員さんの洞察力と推測力は経験から来るものだろうか、いずれにしても狂いがないからお見事だった。
2時間並ぶとさすがに疲れたが、なぜ一片の悔いもなかったのか。正嗣にはそれを吹き飛ばすものがあったからに他ならない。ズバリ店内の環境だ。
L字型のカウンター席で7人くらい座れる内装なのだが、どの席からも厨房が見える……つまり、目の前で餃子を焼いてくれる「特等席」だったのである。
作っているところを見せないお店も少なくないなか、正嗣はフルオープン。プロが餃子を焼く光景を目の前で見られるのだから、これ以上の特等席はないだろう。
我々は一挙手一投足に注目して大興奮。シンプルながらも流れるような焼き方は圧巻で美しく、餃子1つ焼くにしても「こういう焼き方があるのか」と新しい発見をすることができた。これだけでも並んだ価値があったと言っても過言じゃない。
また、多くのお客さんが自然と「美味しい……！ 美味しい……!!」と噛み締めるように食べているのも印象的であった。
あれは心の底から出ている声……同じような日常を繰り返しているとその存在を忘れかけていたが、あれだけ感情のこもった声は久しぶりに聞いたような気がする。なんだか斬新だった。
ちなみに焼、水、餃子はともに1人前6個で280円。我々は焼餃子を12個ずつ、水餃子を3個ずつ食べたが、正直倍はイケたから後悔しないよう多めに注文した方がいいかもしれない。
・行列に感謝
行列2時間に対して食事の時間は10分ほどだっただろうか。それでも帰路は清々しく、私たちは宇都宮餃子旅を非常に実りのある形で終えられた。
歳をとると、慣れが生じてしまって物事を新鮮に捉えることができなくなる。しかし、宇都宮では自分の目で見て感じて……もっといえば五感をフルで使うことができた。
それもこれも2時間並んだからこそ。我々にとって意味のある2時間で、何なら今後の餃子道にも関わる衝撃だった。
店舗で食べてよかったし、並んでよかった。今は正嗣に感謝しつつ、学びで得た答え合わせは今後やっていきたい。それにしても、いい経験だった。
執筆：原田たかし
Photo：RocketNews24.
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例に漏れず、私もせいぜい1時間ほどが限界──だった。なぜ過去形なのかというと、先日自己記録を更新したから。宇都宮の有名餃子「正嗣（まさし）」を現地で食べようとしたら2時間も待つことになったのだ。しかしながら、タイトルにもあるように悔いはゼロ！
・夕方すぎの時間帯ですでに閉店
当編集部の餃子マニアであるGO羽鳥と私にとって、正嗣は価値観を変えてくれた餃子だ。冷凍餃子の通販ながら最初に食べた衝撃は今もしっかりと覚えており、こんなにもウマい餃子があるのかと感動したものである。
んで、その正嗣が生まれた宇都宮を訪れたならば、絶対に店舗で食べたいと思っていた。いわゆる聖地巡礼的な感覚に近く、我々にとっては通らなければいけない道だったわけだ。
ただ、今思えば正直ナメていたと言わざるをえない部分もある。なぜなら、店舗情報をググったらなくなり次第閉店と書かれているも、「まぁ大丈夫でしょ」と高を括っていた我々がいたのである。
現に、17時すぎに宇都宮へ到着しても有名店の「香蘭」や「みんみん」はバリバリ営業中。いくら正嗣といえどもやっているだろうと信じて疑わなかった。しかし、スマホを頼りに歩くこと20分ほど。正嗣 宮島店の看板を見つけて駆け寄ると……
普通に閉店していた
正嗣はお酒を出さないしご飯も提供していない。餃子オンリーなことは知っていたが、夕方で閉店している姿は貫禄さえ感じる光景だった。てことで仕切り直し。翌日のランチ前からリベンジすることにした。
・2時間待ちの行列
翌日、我々は予定していた通りにお昼前から正嗣へと攻め込んだ。ランチの12時前だし、きっとそう待つことなく入れるはず。
……と思いきや！
そこで待っていたのは……
大行列だった
休みの日だったとはいえ、これは想定外の並びである。その数、ざっと40人オーバー……!!
我々は覚悟を決めて最後方へ。店員さんの「最後尾の方は2時間ほど待つことになります。店内じゃなくてテイクアウトなら早く召し上がれます」というアナウンスにマジで2時間かかるのかなと震えながらも待ち続けた。
ポツリポツリと列から抜けてテイクアウトに切り替える人がいれば、行列から動かない人も多数。ここまで来たらやはり店内で食べたいし、そんな気持ちになっているのは我々だけじゃないらしい。
・2時間の行列が報われた
そしていよいよ我々の番が近づいてきた。待った時間の方はキッチリ2時間。店員さんの洞察力と推測力は経験から来るものだろうか、いずれにしても狂いがないからお見事だった。
2時間並ぶとさすがに疲れたが、なぜ一片の悔いもなかったのか。正嗣にはそれを吹き飛ばすものがあったからに他ならない。ズバリ店内の環境だ。
L字型のカウンター席で7人くらい座れる内装なのだが、どの席からも厨房が見える……つまり、目の前で餃子を焼いてくれる「特等席」だったのである。
作っているところを見せないお店も少なくないなか、正嗣はフルオープン。プロが餃子を焼く光景を目の前で見られるのだから、これ以上の特等席はないだろう。
我々は一挙手一投足に注目して大興奮。シンプルながらも流れるような焼き方は圧巻で美しく、餃子1つ焼くにしても「こういう焼き方があるのか」と新しい発見をすることができた。これだけでも並んだ価値があったと言っても過言じゃない。
また、多くのお客さんが自然と「美味しい……！ 美味しい……!!」と噛み締めるように食べているのも印象的であった。
あれは心の底から出ている声……同じような日常を繰り返しているとその存在を忘れかけていたが、あれだけ感情のこもった声は久しぶりに聞いたような気がする。なんだか斬新だった。
ちなみに焼、水、餃子はともに1人前6個で280円。我々は焼餃子を12個ずつ、水餃子を3個ずつ食べたが、正直倍はイケたから後悔しないよう多めに注文した方がいいかもしれない。
・行列に感謝
行列2時間に対して食事の時間は10分ほどだっただろうか。それでも帰路は清々しく、私たちは宇都宮餃子旅を非常に実りのある形で終えられた。
歳をとると、慣れが生じてしまって物事を新鮮に捉えることができなくなる。しかし、宇都宮では自分の目で見て感じて……もっといえば五感をフルで使うことができた。
それもこれも2時間並んだからこそ。我々にとって意味のある2時間で、何なら今後の餃子道にも関わる衝撃だった。
店舗で食べてよかったし、並んでよかった。今は正嗣に感謝しつつ、学びで得た答え合わせは今後やっていきたい。それにしても、いい経験だった。
執筆：原田たかし
Photo：RocketNews24.
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