「夜の東京で迷子になった私に、初対面のお兄さんが『案内してあげる』。ついていくと、途中で車を止めて近づいてきて...」（栃木県40代女性）

シリーズ読者投稿〜あの時、あなたに出会えなければ〜 投稿者：Kさん（栃木県・40代女性）

20年ほど前、Kさんはバイト先の友達と栃木から東京までドライブに出かけていた。

夜の東京の街並みを楽しみ帰ろうとしたところで、道に迷ってしまい......。

＜Kさんの体験談＞

20年ほど前の夜、バイト先の友達と仕事終わりに東京までドライブに行くことになりました。

特に行くあてもなく、ただ夜の東京を走っているだけでワクワクしていたのを覚えています。

しかしそろそろ帰ろうということになったとき、帰り道が分からなくなってしまったのです。

「案内してあげるから...」

標識には「栃木方面」などと分かりやすく書かれているわけではないですし、当時はナビもスマホもありません。

完全に迷子になった私たちは、ひとまずラーメン屋に立ち寄ることに。

ラーメンを食べながら店主に、「栃木まで帰りたい」と話すと、常連だというお兄さんが、「分かるところまで案内してあげるからついておいで」と提案してくれました。

店主も「この方は優しいから安心して」と言ってくれたので、私たちは素直についていくことにしたのでした。

店を出てしばらくは、お兄さんは私たちの車の前を走っていました。

しかし、途中で突然車を停め、降りて私たちの元へ歩いてきたのです。

降りてきたお兄さんが言ったのは...

何だろうと思っていると、お兄さんはこう言いました。

「見てごらん、東京タワーだよ！」

わざわざ私たちに教えにきてくれたのです。

お兄さんはその後、馴染みのある国道の前まで私たちを誘導してくれました。そして彼は私たちに少し待っててと言うとまた車を降り、今度はコンビニでたくさんのお菓子まで買ってきてくれたのです。

「この国道まっすぐ行くと帰れるよ、気をつけて帰るんだよ」

お兄さんに見送られ、私たちは無事に栃木に帰ることができました。

店主からその男性の名前と電話番号は教えてもらっていましたが、当時若かった私たちは恥ずかしくてお礼の電話をできないままになってしまいました。

あの時は本当に助かりました。ありがとうございました。

誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて！

名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。

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（※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください）